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他社に先んじる情報「神の声」を聞き分けた信越化学 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/365.html
(回答先: トヨタ正念場!あの占い師断言「社長はアレを××しなさい」 投稿者 gikou89 日時 2010 年 2 月 27 日 23:04:10) http://president.jp.reuters.com/article/2010/02/23/06C29076-1ADF-11DF-8509-E2173F99CD51.php キーパーソンに電話で毎日確認する 「100年に一度の経済危機」という言葉がマスメディアに登場するようになったとき、これほどセンセーショナルな言葉をいったい誰がいい始めたのか、私は部下に頼んで調べてもらった。 確かに2008年秋以降の景気の悪化は異常事態だった。当社も2008年3月期まで13期連続で最高益(連結)を更新し、昨期も9月の中間期までは増益を続けていた。それが11月以降、業績が急落。ついに減益に追い込まれた。2009年1月のアメリカの住宅着工件数は約49万件と3年前のピーク時の実に4分の1以下だ。 この異常事態を「100年に一度」と表現したのは誰か。調べると、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長、その人だった。19年間にわたってFRB議長を務め、「金融の神様」「マエストロ」と呼ばれ、何ごとにも慎重な言動をとる氏が、「われわれは100年に一度のクレジット津波のまっただ中にいる」と発言していた。それは事態の深刻さを示す何よりの証拠となった。 もし、ほかの人が「100年に一度」といっていたら意に介さなかっただろう。未曾有の不景気が続く中で状況を的確に把握し、判断するための第一の基本、それは“真に価値ある情報”と“雑音”を聞き分けることだ。 あふれる情報の中で私が最も重視するのは、営業マンが集めてくる需要家の生の声だ。毎日の仕事もそれを起点に始まる。朝、私は出勤途中の車中から、アメリカにある子会社で世界最大の塩化ビニル樹脂メーカー、シンテック社の現地駐在幹部へ電話をかける。アメリカにはこの人がこんなことをいうなら、市場のサインであると察知できるようなキーパーソンの需要家が何人かいて、その言葉はまさに“神の声”だ。それを毎日確認するのだ。 彼らから昨日までなかった動きが出たら、すぐに対応策をとる。市場の調査データに表れたときにはもう遅い。需要家のような変化を生み出すおおもとの当事者の声に耳を傾け、その判断を探れば、ほかの人たちよりいち早く動くことができる。 社内の会議でも、私は参加メンバーをポストやポジションに関係なく、「誰が顧客に直接接し、生の声を知り、必要で正確な情報を持っているか」を基準に選ぶ。情報は人を介せば介すほど、人の解釈や都合によりバイアスがかかりやすい。組織内ではよい情報ばかりが上がり、悪い情報は滞ることも多い。数字になって初めて事態の深刻さを知ったのでは対応が後手に回る。 雑音を排除し、真に価値ある情報をつかんだら、第二の基本として、その時点で「これが最善」と思われる判断を行うことだ。それが正しかったかどうかは結果にすぐ表れる。間違っていたら修正し、新たな判断を行えばいい。中長期的にはよい方向へ収斂していく。 例えば、前回行った判断が100点満点で60点だったら、問題点を検証し、次は120点の判断を目指す。これを繰り返し、ならして100点に近づけていくという判断の技術が必要なのだ。 その一方で、わが社は今期の業績予想をあえて見送った。市場環境は急激な変化が続き、見通しが立たない。できない予想はすべきではないと考えた。もちろん、多くの企業は景気の先行きをある程度予測して業績予想を行っている。そのすべてがそうだとはいわないが、なかには景気の回復を当てにしているかのように見える企業もある。それは裏返せば、「業績が悪いのは不景気のせいである」と言い訳にするのと同じ発想だ。 わが社の場合、業績が落ちた理由を不景気と結びつけて会議で長々と説明し始めようものなら、その場で私にきつく叱責される。今求められているのは、言い訳探しではない。不景気は1〜2年は続くと覚悟したうえで、それをいかに克服し、いかに結果を出していくかだ。そのためには、日々変わる市場環境の中で真の情報をつかみ、その都度、最も現実的な最善の判断を積み上げていかなければならない。
一つ一つの決断に時間をかけてはならない。直面する課題の7〜8割はその場で決める。これが第三の基本だ。2、3日検討するくらいなら、すぐ決断し、必要に応じて修正していくほうがはるかに好ましい結果が得られると考えるべきだ。 もちろん、投資計画などの複雑な課題は私でもすぐには決められない。時間をかけて考える。ただ、ややこしい課題はせいぜい2〜3割程度だ。課題の7〜8割は即決即断を基本原則にすれば、日々の問題のほとんどは速やかに決断できるだろう。 不況期の場合、決断の中には同業他社との徹底した戦いも含まれる。景気の悪化とともに商品の相場が下がるのは供給が需要を上回るからで、同業他社の中にはなりふりかまわず、安売りを仕かけてくるところがある。 例えば、相場が100円の商品を80円でわが社の顧客に売ろうとする。アタックを仕かけられた以上は受けて立ち、相手の顧客に対してより安い70円で売り、カウンターパンチを返す。体力勝負となり、経営力の弱い企業は市場から去ることになる。その後、市場は適正価格での取引に戻る。そこまで戦い抜かなければ不況期には生き残れない。 その間、こちらも傷を負う。持ちこたえる体力を一番に支えるのは、需要家との強い関係だ。これは一朝一夕にはつくれない。例えば、この不況下でもシンテック社は同業他社が軒並み赤字や大幅減益に陥った中で増収増益を達成した。それが可能だったのは、操業開始以来35年間、需要家との強い関係を全世界規模で積み重ねてきたからだ。 好況のときに需給が逼迫しても、顧客に商品が提供できずに迷惑をかけるようなことが絶対ないよう努める。その結果、ロイヤルティ(継続して取引しようとする度合い)の高い需要家を多く確保することができた。好況期に積み上げた努力が不況期に生きるのだ。 そのため、不況のまっただ中にある今も景気回復後を想定した努力を怠ってはならない。シンテック社は2008年秋、米ルイジアナ州に新工場を稼働させると同時に第二期工事にも着手した。タイミング的には決してよくはなかったが、体力の弱い企業が市場から去ったあと、需要家に商品を安定的に供給し、勝ち続けるための投資として決断した。むろん、今は残業をしてまでも建設工事を急ぐ状況ではないので、最低のコストで完成させるつもりだ。 日々の課題については真の情報をもとにその都度、最善の判断を一つ一つ積み上げていく。同時に中長期的課題については、不況を突き抜けたときの出口に向けて準備を整える。それが100年に一度の不況を克服し、最後まで勝ち抜くための私流の戦い方だ。
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