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1980年代に一時的に日本が経済覇権を握ったのは、覇権国がアメリカから中国に移る過渡期の現象だったと言えるかも知れません http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/322.html
株式日記と経済展望 2010年2月21日 日曜日 ◆800年サイクルと覇権サイクル〜中国の世紀・東洋の時代がやってくる 吉永俊朗 中国の世紀と800年サイクルの到来 8尽くしの北京オリンピック開催で、私は中国の世紀と800年サイクルの到来を予感しました。800年サイクルとは日本の村山節(みさお)氏が1937年に発見した文明の法則で、西洋と東洋が800年周期で文明の主役を交替するというものです。村山氏は10年を1センチの目盛りとして長さ10メートルの長大な巻紙を作り、石器時代からの諸民族の盛衰等、あらゆる主要事件を記入していきました。そして、文明の勃興期や崩壊期に赤鉛筆で印をつけたところ、赤線がほぼ等間隔であることに気づいたのです。 この村山氏の研究は、大著『文明の研究』に記述されていますが、@人類文明は二重ラセン型で相関進化する、A世界史の転換期は800年周期で訪れる、というものです。つまり、東洋と西洋がちょうど人間のDNAのように絡み合い、表と裏、勃興・衰退の関係にある、ということです。 現在の西洋の時代はルネサンスが始まり、中国の没落が始まった1200〜1300年頃から始まっていますので、文明の法則によれば、2000〜2100年にかけて東洋が主役を奪回し、以後の800年間は東洋が地球をリードすることになります。中国の後にはインドも続いています。日本が先導し、中国、インドと続く800年もの東洋の時代が幕を開けようとしています。日本は地政学的に西洋と東洋の狭間に位置する重要な位置にあります。中国の世紀到来と800年サイクルの主役交替で、日本の存在価値は一段と高まるのではないでしょうか。 覇権国家は米国から中国へ 偽装演出などの批判はありましたが、北京オリンピックに国威発揚をかけた中国共産党首脳部の狙いは、まずは成功したようです。開会式のスケールの大きさに圧倒された方も多いと思います。私も開会式を見て、いよいよ中国の世紀がやってくると思いました。第一次世界大戦後の米国の世紀から、近い将来、中国の世紀に移行するのではないかということです。 15世紀以来、今日に至る世界史は、世界を支配する覇権国家が約100年ごとに交替しています。その覇権国はヴェネチア(ローマ)から次第に西へ移り、ポルトガル・スペイン(16世紀の覇権国)からイギリス(18、19世紀の覇権国)を経て、大西洋を越えてアメリカ(20世紀の覇権国)に渡っています。覇権国は地球を西回りで西進しているのです。イギリスは2期200年の覇権を維持しましたが、スペインからイギリスに移行する過程で17世紀に軍事力を持たないオランダが経済覇権を握りました。 1980年代に一時的に日本が経済覇権を握ったのは、覇権国がアメリカから太平洋を渡り、中国に移る過渡期の現象だったと言えるかも知れません。もちろん、アメリカの軍事力は強大であり、覇権国が米国から中国に移るとしても、少なくとも数10年先になるでしょう。イギリス同様、アメリカが2期200年の覇権を維持する可能性もあります。ただ、覇権国がアメリカから太平洋を渡り、日本を一時的に通過して中国に移ったとしても、歴史の法則に従うことになり、なんら不思議はないのです。 経済的地政学的に日本の存在価値は高まる 中国の世紀になれば、日本の存在価値はますます沈下するという見方がありますが、私は、そうは思いません。米ソ冷戦時代、日本の存在価値は経済的価値以上に、地政学的に大いに高まりました。日本はソ連の太平洋の出口に位置するからです。中国に対しても、日本は同様の位置にあります。中国が台頭すればするほど、米国にとっても中国にとっても、日本の重要性が経済的地政学的に一段と高まるのではないでしょうか。 なお、北京オリンピック後、中国は遠からずして崩壊するという見方もあります。独裁者ヒトラーの全体主義国家ナチスドイツは1936年のベルリンオリンピック後、滅亡の道を歩み、共産主義独裁国家ソ連も1980年のモスクワオリンピック後、体制が崩壊したからです。独裁国家は滅びるということです。 ただ中国は、共産主義一党独裁の下で、市場経済の導入やWTO(世界貿易機関)への加盟など、前者の轍を踏まない努力を行っています。すでに、日米欧先進国の主要企業がこぞって中国に進出しています。中国は、世界の工場として、かつ人口13億の巨大マーケットとして、グローバル経済に組み込まれています。ナチスドイツやソ連の前例とは状況が異なると思います。
テロはハイテクを駆使すれば一都市を吹き飛ばすほどの威力のある武器を手にすれば可能だ。アメリカはテロとの戦いと言う事でアフガニスタンに攻め込みましたが、見えない敵とどうやって戦うのだろう。物量で一時的に制圧する事は可能でしょうが、アメリカ軍が引き揚げていけばまたゲリラ勢力が出てくる。 2008年のリーマンショック以降はアメリカの覇権はつるべ落としに落ちていくのであり、次の覇権国といつかは勢力が交差するだろう。以前のように戦争によって覇権が移動するのではなく、経済指標を見なければ覇権が交代したのかどうかも分からないかもしれない。ソ連の崩壊も内部崩壊であり、アメリカも内部崩壊によって急速に衰退して行く事になるだろう。 アメリカやソ連のような超大国は、内部崩壊や内部分裂によって崩壊する。帝国の拡大が止まれば国内の歪みを吸収しきれなくなり、地方からの反乱が起きて内部分裂を起こす。石油が豊富に産出して経済拡大が続いている時は強大な軍事力の維持も可能ですが、石油がピークアウトすれば経済破綻が起きて軍事力の維持も出来なくなる。 次の世界覇権国は中国だと言う説が出回っていますが、中国の経済発展はその予兆なのだろうか? 20世紀の二つの世界大戦によって世界の覇権はヨーロッパからアメリカに移りましたが、ヨーロッパもEUを結成してアメリカを上回る経済大国を建設しようとしている。はたしてその試みは上手く行くだろうか? 最近になってEUもバブルの崩壊でPIIGS問題で揺れていますが、EUでヨーロッパを統一してもPIIGS諸国がドイツのような工業国にはなれないと言うことなのだろう。ユーロが一時期買われましたが、ユーロはユーロでありドイツマルクのような強い通貨にはなれないのだろうか? 近い内にユーロは崩壊すると言う説も出てきているほどですが、ドイツがどれだけがんばれるかにかかっている。 吉永氏の説によれば、世界の覇権はアメリカから太平洋を渡って中国に移ると言う事ですが、これが実現するかどうかは中国が民主化出来るかにかかっているだろう。しかし中国は有史以来民主主義政治を一度も体験していない。中国のような開発独裁国家は経済発展には有効ですが、民主主義政治が定着しなければ政治的な安定は望めない。 民主主義が定着するには法律の遵守が必要ですが、中国人は法律を守ると言う文化が無いから政府が強権で守らせる必要が出てくる。この点ではロシアも同じことが言えるのですが、選挙を行なっても不正な選挙では誰も民主主義政治を信頼しない。このような文化を変えるという事ができるのだろうか? ソ連が経済的に行き詰ったのも民主主義政治が無かったからであり、一部のエリートを養成しても国民レベルが付いて来れなければ近代国家にはなれない。独裁体制なら軍事力を強化して宇宙に有人宇宙船は打ち上げられても、満足な自動車は作れなかった。情報が統制されているから有益な情報が伝わらないのだ。 ロシアは共産主義独裁体制は棄てましたが、経済においては中国にも後れを取り工業化も底上げが難しい。中国が共産主義独裁体制を変えてもロシアの例を見れば民主主義化は難しそうだ。独裁体制のまま世界の覇権国家となる事は可能なのだろうか? ナチスドイツもソ連も崩壊しましたが、独裁国家と経済大国は両立しないのであり、中国も暴走するか内部崩壊で衰退する可能性が高い。 このように消去法で行くと、アメリカの覇権体制は衰退しながらも後100年くらいは続くかもしれない。あるいは日本がバブル崩壊を克服してアメリカを上回る経済大国となれるのだろうか? 太平洋戦争は日米の覇権をめぐる戦争ともいえるのですが、戦争の勝ったか負けたかはあまり関係がない。 80年代の日本はアメリカを追い抜かんばかりの勢いでしたが、90年代以降のアメリカのジャパンバッシングで日本に勢いは消失した。いわば死んだふりをしているのかもしれませんが、アメリカが本当に衰退してくれば日本が経済や軍事の穴を埋めなければなりません。そうなると必然的に日本が覇権国にされてしまうことが考えられます。 ドルやユーロや円などの動きを見れば、円が独歩高なのは何らかのシグナルだろう。中国の人民元は金融の自由化すら対応が出来ていませんが、民主主義に対応できないのと同じ事だろう。中央政府が独裁的強権で統制しないと国家として纏まれないからだ。日本の参考になるのはオランダの世界覇権ですが、オランダは軍事大国でも政治大国でもなかった。覇権の切り札になったのは通商の自由さと船舶などの技術力だった。
ところが、苦しむ他国をしり目に、「ひとり勝ち」の様相を呈している国があった。ネーデルラントの北部が独立してできた人口200万の小国、オランダであった。 その秘密は、オランダが「もっともビジネスがしやすい」国だったことにあった。まず、スペイン支配の重圧から解き放たれたことで、もともと最先端の水準にあった経済力を自国のために使えるようになった。「共和制」のもと、財界の有力者が政治をしきっていたことも大きな意味を持った。他国の政府が「いかに宮廷費と軍事費を調達するか」に汲々としていた中、オランダだけは「いかに経済人の利益を保護し増大させるか」という観点で政治が行われていたのである。 このような環境は、ヨーロッパ中から多くの企業家、技術者、熟練工、船員、賃金労働者をよびよせ、その技術とノウハウは産業の効率をさらにひきあげた。漁業における北海のニシン漁、農業における工業用作物と酪農、毛織物業における仕上げと染色といった付加価値の高い(もうけの多い)部門では、他国の追随をまったく許さなくなった。 造船業の優位はとりわけ圧倒的で、オランダの持つ船舶は全ヨーロッパの半分を占めたといわれている(オランダ製の船となればもっと多い)。ヨーロッパの海運が独占されるまでにそれほど時間はかからなかった。種々の物品がオランダを経由して流れるようになり、需給の調節や価格の操作を通じてもうけることも可能になった。 通貨不足に悩むヨーロッパの中にあって、オランダだけに莫大な資金が集まったことは、その貨幣と金融業に大きな信用を与えることになった。オランダの銀貨(ライヒスターラー)はどの貨幣よりも高く評価され、貿易における最大の武器となった。1609年に設立されたアムステルダム銀行は、あらゆる貨幣を預金として受け入れ、金に換算した「銀行貨幣」で帳簿に記し、客の希望する貨幣で払い戻した。その利便性からヨーロッパ中の商人がこの銀行の口座をとおして決済を行うようになり、ますます資金が集中した。 こうした資金は、高い信用を背景に破格の低利(2.5〜4%)で貸し出されたから、さらにビジネスがしやすい環境がつくられた。資本は国外にも投資され、ドイツの繊維業、北欧の鉱業・林業、東欧の穀物輸出はオランダ商人に牛耳られた。資金繰りに悩む他国の政府へも融資が行われ、その財政をも左右した。(中略) これに対してオランダは、政府組織と軍事力は一小国のそれにすぎない。しかし、この国の真の主役は、利潤への飽くなき欲求を抱いた「民間の企業家」たちであった。彼らは、製品の競争力、物流と価格、貨幣と金融、投資と債権を武器に、「全ヨーロッパ」という、帝国に匹敵するほどの広範囲から富を集めるシステムをつくりあげた。得られた富の一部は事業の拡大・強化にまわされてさらなる富を生み出し、やがて独占的な地位に達したのだった。すなわち、「軍と官僚制」ではなく、「市場」を通じての覇権である。 以後の歴史は、「どの国の政府が巨大な帝国をつくりあげるか」ということではなく、「どの国に基盤をおいた企業家たちが世界市場を制するか」を軸に展開することになろう。そして、いずれは「大帝国」も、「経済大国」の風下におかれることになるだろう。 (私のコメント)
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