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トヨタの驕りは危機に対する迅速な対応を不可能にした。外部の批判的な声に耳をふさいだり過保護に安住すれば、内部から瓦解する http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/312.html
株式日記と経済展望 2010年2月20日 土曜日 ブレーキの利かなくなったトヨタ車
日本軍が太平洋戦争で敗北した原因を分析した『失敗の本質−日本軍の組織論的研究』という本は、1984年に出版されて以降、日本のビジネスマンに多く読まれ、ベストセラーになった。野中郁次郎ら6人の学者が、日本軍の敗因を組織の運営管理の面から徹底的に分析しており、企業経営の戦略書として高い評価を得ている。敗因については次のように論じている。「日本軍は、能力による人材発掘ではなく、学力主義と序列主義に従って指揮官を配置した。帝国海軍は、日本海海戦の大勝利から長い時間が経過していたにもかかわらず、相変わらず国民やメディアから“無敵海軍”と称されていたことから、組織が硬化しハングリー精神を失った。日本海軍は異端者を嫌った」。このように同書では、異質な情報に耳をふさいだ参謀本部の閉鎖的な組織運営を敗因として指摘している。 「週刊文春」最新号のトヨタ特集では、トヨタの病因を赤裸々に指摘している。「ブレーキに空走感があるというのは絶対にあってならないことだ。この不具合を初期の段階で発見することが出来なければそれは、恥ずべきことだ」。日本経済新聞のある記者によると、画像品質管理方式が導入されたというが、熟練の技師が現場で直接確認するのも難しいことを、画像で行っていたということだ。 問題は、技術的な側面にとどまらなかった。組織文化の病弊だ。「(新経営陣が)ジャスト・イン・タイム生産システムを掲げているにもかかわらず、現場の情報が伝わっていないのではないのか。正確な情報が社長に報告されていないのではないのか」。トヨタグループの現職幹部は、「経営陣が互いに批判し合うことを避ける“仲良しクラブ”になったのではないか」と嘆いている。 トヨタは金融危機の前に、米国の高級車市場で類例のない利益を上げた。生産台数はゼネラルモータース(GM)を抜き、世界トップとなった。成功は驕りを呼び、驕りは危機に対する迅速な対応を不可能にした。同族経営に陥り、外部の批判的な声に耳をふさいだり、過保護に安住すれば、内部から瓦解するということだ。 こうした失敗は韓国企業にも当てはまる。トヨタのように、グローバル戦略を展開しているサムスン、現代、LGといった韓国を代表する企業は、内部のコスト削減を平然とサプライヤーや下請けに押し付けてはいないだろうか。社長や役員らが互いに批判し合う雰囲気が形成されていると言えるのだろうか。韓国国民や社会全体がこれらの企業を過度に保護してはいないだろうか。韓国の大企業にとって、トヨタ問題は決して対岸の火事ではない。 ◆優秀な技術者が「無能化」していく悲劇 2月16日 湯之上 隆 この問題は半導体業界に限らない。ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて新車販売台数で世界一になったトヨタ自動車も、こうした成功体験によって組織が蝕まれていないだろうか。 トヨタは、昨年から立て続けにリコール問題を起こしている。筆者は自動車産業の専門家ではないが、「プリウス」のリコールのニュースを見て、正直言って驚いてしまった。 「低速で走行する際、ブレーキが利かなくなる」という苦情が多数寄せられていたにもかかわらず、トヨタの専務は「ドライバーの感覚の問題だ」と発言したという。この発言がマスコミに叩かれている。叩かれて当然であろう。しかし、筆者が何よりも驚いたのは、この発言に対してではない。 2月5日に、豊田章男社長が初めてマスコミの前で記者会見をした。その映像をたまたまテレビで見た。その際、豊田社長は開口一番、「本日、私が登場したのは・・・」と発言したのである。 陳謝せねばならない立場なのに、なんとトヨタの社長は、「登場した」のである。「世界一のトヨタの社長が、わざわざ出てきてやったのだ」と、筆者には聞こえた。そして、トヨタの傲岸不遜な態度を、この瞬間に、強烈に認識した。「世界一」という成功体験は、人間や組織をここまで天狗に変貌させてしまうのだ。 技術が得意な者は、短期間で技術開発の功績を挙げ、そのご褒美で課長や部長に昇進し、技術には関わらなくなる。その反面、得意ではないマネジメントが仕事になる。そのため、多くの課長および部長が「無能化」する。その結果、最も技術的に能力の低い者が加速度的に難しさを増す技術開発を行わなければならないのである。なんというジレンマか! 実際は、技術力のない人が新しい技術開発を行うのは不可能なため、例えば、新しいDRAMの工程フローを作成する場合は、以前のフローを踏襲するというような最も安易な方法が採られることになる。したがって、工程フローの基本的な構造は何も変わらない。そして、集積度が増える度に、新たな工程が付加されていく。工程が減ることは決してない。 前回、日本半導体がDRAMから撤退する直前の64MビットDRAMのマスク枚数が、韓国、台湾、米国マイクロンテクノロジー社より1.5〜2倍ほど多いことを紹介した。マスク枚数が多いということは、工程数が多いということである。それが、日本半導体の高コスト体質に直結している。そして、その真の原因は、このような組織のジレンマにあると考えられる。 ピーター・F・ドラッカーは、『イノベーションと企業家精神』(ダイヤモンド社)の中で、「トップマネジメントの地位にある者の多くは、企業の規模を問わず、あるいは官民を問わず、特定の部門や分野から昇進してきている。彼らにとって当然のものとは、それら自らの出身部門や分野である」と述べている。 半導体の技術分野は非常に広い。また、その技術が猛烈な速さで進展していく。その結果、「ご褒美システム」で昇進してトップマネジメントの地位に就いた日本半導体の経営者は、広大な半導体技術のごく一部しか理解しておらず、かつ、その技術もとっくの昔に陳腐化してしまったものに過ぎないというお寒い状態に陥っている場合が多いのである。
トヨタやキヤノンは外資系企業だと思ったほうがいいだろう。だから社名もアルファベットで書いているのだ。奥田元会長や御手洗会長は日本人の顔をした外人でありインベーダーなのだ。彼らは日本人の若者を奴隷化して日本が滅んだところで痛くも痒くもないだろう。 トヨタやキヤノンは世界企業となり巨大化して日本を彼らの好きなような体制に作り変えて行く。国民大衆はますますバカになり政治に無関心となり、若者はフリーターやニート化して働いて納税もしなければ年金も納めない。「株式日記」では何年も前からこのように警告をしても政治は一つも良くならない。トヨタやキヤノンが日本をダメにしているのだ。(2008年12月26日の株式日記再掲)
以前なら下請けでも親会社と子会社は密接であり、安定した雇用関係が技術の伝承を守っていた。しかし最近はコスト優先で子会社を切り捨てて外部に発注するようになった。ソニーの欠陥電池などもベテランの製造技術者がいなくなって海外の子会社に作らせていることから発生した。 だから最近では製造業も工場などを国内に回帰している所もありますが、海外では労働事情から製造技術の熟成や伝承が難しいからだ。中国などでは技術を覚えると直ぐに辞めて同じものを作り出す。これでは製造業は成り立たないが日本企業は今頃気がついたようだ。 このような事は製造業だけではなくサービス産業にも起きており、正社員の年功序列を維持しつつ、人件費を切り詰める為に新規雇用を絞る反面、その穴を派遣社員が埋めるようになった。今までなら若い正社員がしていたようなことを派遣社員に同じ事をさせても人件費は半分で済む。しかも派遣社員のほうが都合が悪くなればいつでも切れるからだ。 このように一見したところ企業の体制は変わらないように見えて、現場作業は若い正社員ではなく派遣労働者が担うようになっている。格差社会とは中高年の正社員が1000万円以上の高給を取り、派遣社員が200万円で現場作業をしている社会なのですが、若い正社員にとっても中高年社員が辞めない限り上には上がれず、その事に30代で気がつくようになる。 年功序列は高度成長期にしか成り立たない制度なのですが、公務員はもとより大企業でもいまだに健在だ。だから誰もが知っているような大企業に正社員として採用されても若者は3年で辞めて行く。若いときに我慢して働けば中高年になった時に報われると言う嘘には騙されなくなっているのだ。 今の大企業は課長や係長などの管理職ばかりで平社員は一人で、あとは派遣社員が埋めていると言った会社が多い。だから若い平社員が酷使されて体を壊して辞めて行く。年功序列社会のしわ寄せを若い人に負い被せているのですが、新規採用で絞られて、幸運にも入社出来ても過重労働で辞めて行く若い人が多い。中堅管理職以上は現場作業は出来ず、一日中机でハンコを押しているだけで高給がもらえる。 将棋では「歩のない将棋は負け将棋」と言う言葉がありますが、若くてよく働く社員がいてこそ会社は発展するのですが、雇用を守ると言う名の下に部下のいない管理職だらけの会社が発展するはずが無い。そのような事は堺屋太一氏が何十年も前に予測していた。労働組合も雇用を守る事に一生懸命で年功序列を守る方に回っている。 労働組合が強い国は若者の失業が多いのが特徴だ。日本もその傾向になってきてニートやフリーターが増える一方だ。その結果起きるのが若者の非婚化と少子化社会の到来だ。年収が200万とか300万では結婚も出来ず、出来ても子供も一人がやっとだろう。企業にしても働かない中高年管理職を首にして若くて働ける社員を増やせればいいのですが、そんなことをすればマスコミもたたく。 年功序列型社会は儒教倫理ともマッチしやすくて、なかなか崩す事は難しい。いくら有能でも若い人が出世する事は日本ではまず無くて自分で創業するしか若くして社長になれる道は無い。ホリエモンなどのベンチャー企業家が持て囃されたのも、その存在が珍しいからですが、日本の教育は企業家を育てるようには出来ていない。(2006年11月19日株式日記再掲)
本社自体も品質管理もコンピューターシュミレーションでしているようですが、熟練のテストドライバーもなかなか発見できないような欠陥をコンピューターシュミレーションで発見できるのだろうか? 部品の耐久性もコストダウンで劣化した材料を使えば落ちてくるだろう。自動車も機械制御から電子制御に切り替えられていますが、プログラムの欠陥を見つけるのは非常に時間がかかる。 トヨタの車を作っている優秀な技術者は、出世していって無能なマネージャーになるのは日本型組織の欠陥だ。トヨタの副社長の記者会見でもそれが見受けられた。優秀な技術者でも開発現場から離れてマネージャーになれば浦島太郎になってしまう。なぜそうなってしまうのかは最近の技術開発が巨大規模になり、技術者も技術の一部の事しか知らないからだ。 大企業病についても何度か書いてきましたが、年功序列の組織は旧帝国海軍でも見られたように閉鎖的な組織となり、無能な軍令部が無謀な作戦をするようになる。トヨタもイケイケどんどん式に市場を拡大して行って統制がつかなくなり、欠陥車騒動でも最高幹部は情報が届かず対応が遅れた。 本当に優秀な人材は1000人のうち一人くらいしかいない。10000人の会社では10人しか優秀な人材はいない事になりますが、年功序列社会では優秀な人材がトップに立つ事は不可能だ。政治の世界も同じであり、自民党は人材の枯渇で選挙に負けてしまいましたが、二世議員で固めてしまって外部からの人材の登用に失敗したからだ。
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