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中国の2.4兆ドルの外貨準備、解消策はケインズが教えます(ブルームバーグ) http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/291.html
【書評】中国の2.4兆ドルの外貨準備、解消策はケインズが教えます 2月17日 2つの数字を話題にしよう。6771億ドルと2兆4000億ドルだ。米政府が講じた金融救済・景気対策などが15兆ドル相当と指摘されるなか、もはや衝撃的な数字ではないが、この話題にお付き合いいただきたい。 6771億ドルは2008年の米貿易赤字。2兆4000億ドルは中国の外貨準備高だ。米国からドルを吸い上げて中国側にため込む大陸間の掃除機を想像してほしい。 このままでは長期的にどちらの国にもプラスの効果をもたらさないと、ポール・デービッドソン氏が新著「ザ・ケインズ・ソリューション(原題)」で指摘する。信用市場の崩壊を受け、世界の金融システムをいかに再構築するかを建設的に考察する内容の書物となっている。 デービッドソン氏は「ジャーナル・オブ・ポスト・ケインジアン・エコノミクス」の編集者。新著では30年間に及んだ規制緩和が経済に打撃を与えた理由を探るとともに、これをジョン・メイナード・ケインズが提唱した方法でいかに修復できるかを示す。世界各国の政府がケインズ主義の景気刺激策に頼るなか、システムが危機から受ける影響を少なくするため、この経済学者の提案を振り返る時期だろう。 第2次世界大戦末期に向け、ケインズは国際的な新たな通貨制度に向けた案を作成。その中には貿易不均衡を是正する仕組みも含まれていた。そこで例の6771億ドルと2兆4000億ドルだ。 景気刺激策 米国は何年間も輸入超過を続けたが、もはや6771億ドルをそこにつぎ込む余裕はない。デービッドソン氏は「米国人がこの6770億ドルを国内で生み出された製品やサービスに費やしていれば、米経済に多大な刺激となっただろう」と指摘する。この貿易赤字は後に6959億ドルに修正された。オバマ大統領が昨年2月に署名した7870億ドルの景気刺激策の約9割に相当する規模だ。 貿易不均衡は神のなせる業ではない。中国が安く大量生産できる理由は低賃金のほか、労働者が保護されず、社会的な安全網がないためだ。米国への輸出品を確実に魅力的にするため、人民元も安いままだ。 このままでいいのだろうか。いや、そんなことはない。2兆4000億ドルもの外貨を積み上げるかわりに、中国は米国や他の貿易相手国から製品やサービスを購入できるはずだ。そのようにさせてはどうかというのが、基本的にケインズが貿易不均衡を終わらせるために考えた提案だ。 ケインズは超国家的な中央銀行も思い描いたが、デービッドソン氏はもう少し控えめに、国から国への支払いをチェックする決済機関を提案する。この国際機関は、稼いだ外貨のため込みを各国にさせないことを目的とする。貿易不均衡是正の責任を黒字国に負わせ、余剰な外貨準備を持つ国々に赤字国への支払いを義務付ける。黒字国は外国製品の購入や直接投資・援助はできるが、中国がこれまでしてきたような「赤字国に貸し付けをして赤字国に負担をシフトさせること」は出来ない仕組みだと同氏は説明する。 金の卵を産むガチョウ これに中国が賛同する理由は、金の卵を産むガチョウを殺すリスクがあるためだ。デービッドソン氏は人民元が完全に交換可能となるシナリオを想定。米貿易赤字の規模を考えれば、人民元の対ドル相場は外国為替市場で上昇し、中国製品は米市場で値上がりする。同氏によれば、これによって米インフレ率は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを余儀なくされ、米国民の支出は減少。両国は企業利益の低下と雇用減少に見舞われる。中国では政治的に不安定となる可能性もあり、「明らかにこのシナリオは米国民にとっても中国の労働者や企業にとっても良くない」という。 決済機関の考え方は資本規制や資産の押収・再配分といった不安を引き起こすほか、債務国に負わせる規律が不透明。それでも、この考え方を少なくとも検討すべきだと思える2兆4000億の理由を私は考えつくことができる。(ジェームズ・プレスリー) (プレスリー氏はブルームバーグ・ニュースの書評家です。この書評の内容は同氏自身の見解です)
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