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なぜギリシャの尻拭いをすることがドイツにとって良いのでしょうか?ひとことで言えばドイツのGDP成長率がこれで上がるからで
http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/236.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 2 月 10 日 14:40:03: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu209.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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なぜギリシャの尻拭いをすることがドイツにとって良いのでしょうか?
それはひとことで言えばドイツのGDP成長率がこれで上がるからです。

2010年2月10日 水曜日

◆ドイツの輸出マシーンをトップギアに入れることだけがユーロ問題の抜本的な解決策だ 2月10日 広瀬隆雄
http://markethack.net/archives/51367768.html

ドイツがギリシャ救済に動き始めています。

まだ正式に決まった訳ではないけど、言い出した以上、若しちゃんと実行に移さなければたいへんな事になると思います。

だから、やる。

問題はこの救済をドイツの国民はどう受け止めるか?だと思います。

ビジネスに明るくない庶民は「ドイツがギリシャの尻拭いをさせられるなんて、まっぴら御免だっ!」と凄い剣幕で怒るでしょうね。

でもソフィスティケートされたビジネスマンや投資家はこのニュースを歓迎すると思います。

たぶん今日あたりドイツ銀行のトレーディング・ルームではみんなガッツポーズで雄叫びをあげていると思います。
なぜギリシャの尻拭いをすることがドイツにとって良いのでしょうか?

それはひとことで言えばドイツのGDP成長率がこれで上がるからです。

ドイツがギリシャを助けることで(一時的なユーロの反発は別として)ユーロのStability Pactの精神は骨抜きになってしまいます。

なぜなら財政規律を順守しなかった国も易々とお目こぼしを受けられる事が判明したからです。

すると長期の趨勢としてはユーロは安くなります。

これはドイツなどの輸出基盤のある国にとってはラッキーになります。

なぜなら今まではユーロ高で本当は苦しんできたのだけど、「EUの盟主」を自負する手前、自分から財政規律を崩し、ユーロ安を演出するようなことは出来なかったからです。

ところがその「汚れ役」をギリシャやスペインが演じるわけですから、ドイツは「駄目な奴らだな」と表向きは厳しい表情を作りながら、ウラでは(ウッシッシ!)と膝を叩いて喜ぶわけです。

最近のドイツ国内の消費は停滞していたので、シーメンスの発電機やBMWをこれからガンガン輸出できるようになったら神風が吹くのと同じです。

それらの製品をインドや中国やブラジルに輸出し、その輸出ファイナンスをドイツ銀行が付ける、、、こうしてドイツの景気を「オーバードライブ」に持ってゆくわけです。

そこで好景気のドイツ国民がスペインやギリシャからの財やサービスを購入したり観光に行ったりすることで、スペインやギリシャは構造改革をしなくてもかれらが比較的得意な分野(パルテノン神殿とか)で勝負すれば良いというわけ。

汎ヨーロッパ的な解決策とは、すなわち稼げる奴にガンガン稼がせ、後の連中はその稼げる奴にぶらさがる、、、そういうアプローチに他ならないのです。

◆ギリシャ問題 2月2日 厭債害債
http://ensaigaisai.at.webry.info/201002/article_1.html

この事を考えると、実はユーロの価値として喧伝されてきたドルの代替準備通貨性の本質部分がかなり過大評価されてきたことに気付きます。これまで多くの人々は「なんとなく」ユーロの価値をコアの国々のイメージとリンクさせてきたと思われるからです。つまりユーロの信頼性の多くの部分がドイツやフランスの信用力を背景にしていた。しかしドイツが「ケツをまくる」可能性があるとするならば、そしてどの国もケツをまくる可能性があるならば、本来のユーロの代替準備通貨としての価値(安定性や通用性など)は「最も信用力の低い国」をベースにして測定されるべきであり、ドイツやフランスが「たまたま」加盟している事によって信用力が上乗せされている、というアプローチを取る必要があるのではないでしょうか?

ギリシャも独立国ですし、加盟国から別の加盟国への直接の支援は考えづらい。またECBがギリシャだけ特別に支援することも平等という観点から難しいと思います。結局ギリシャがきちんとファイナンスできるよう周りがサポートするというのが当面の対応となります。先日ギリシャが5年の国債を出しました。当初30億ユーロといわれていたものが「申し込み過多(oversubscription)」によって80億ユーロに増額されたといいます。しかも、申し込み自体は240億ユーロもあったとか。ご丁寧に中国の中央銀行が買っているといううわさも(すぐに否定されましたが)流されていました。実際は前日になぞの空売りが相当出ていたようで、この人気沸騰度はかなり「やらせ」っぽい感じがしました。買っていたのも欧州の各国中央銀行が結構いたようです。まさにユーロの死命をかけた発行という感じでした。

当面、ギリシャはEUの厳しい監督に服します。まず2月3日にECが「成長と安定のプログラムに関する勧告」を出し、ギリシャはそれに対し承認するかどうか国会で決めなければなりません。承認すると厳しい増税や歳出カットが必要になります。アイルランドも危機が起きたのですが、国民に増税と歳出カットをのませて今は何とか落ち着いています。ポピュリスト的政策に慣れたギリシャ国民がこれらをきちんと受け入れられるかどうか、が注目されます。

諸外国では意外にギリシャ問題のリスクを大きく見ているような気がします。オーストラリアのRBA(中央銀行)は本日利上げを見送りましたが、大方の予想は利上げでした。中国のPMIの下落なども理由として想像されるもののギリシャを含む外部環境の不透明さが大きな要素となったというのがもっぱらの評価です。

ちなみにギリシャの財政赤字は単年度でGDPの13%弱と大きいですが、債務残高はようやく100%を超えたところです。そういえばどこぞの極東の国では200%というところがありましたっけ?個別国の財政の問題に不安が一杯な状況ではそもそも統一通貨なんて危うい存在になるだけだという、貴重な先例として記憶にとどめておくべきでしょう。


(私のコメント)
ユーロはドルに代わる基軸通貨として発足したのですが、EU圏内の落ちこぼれ国家が足を引っ張るようになりました。ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインのPIGS諸国の事ですが、放置していればユーロが空中分解する恐れが出てきました。以前なら経済危機が来れば通貨が下落して調整されるのですが、ユーロで統一されているのでそれが出来ない。

PIGS以外にもアイルランドや東欧諸国にも経済危機が広がっているから、ユーロからドルへの避難が続いています。このようにユーロが安くなれば円も避難先として買われて高くなっています。ユーロをいかにして維持していくかはドイツやフランスなどの輸出大国が支えていくことになりますが、EU圏内でも経済格差の解消はなかなか進まないようだ。

経済が好調なときは問題が表面化しませんでしたが、世界的な金融不況が来ると南欧や東欧諸国が経済破綻の危機が表面化してきました。こうなるとドイツがギリシャを援助して助けると言う事になりますが、財政規律が守られなくなりユーロの信用はそれだけ失われて行きます。こうなるとユーロも輸出主導の経済対策がとられるようになってユーロ安はドイツなどにとっては歓迎されるようになる。

アメリカも輸出主導の経済政策でドル安を望んでいるし、EUもユーロ安で輸出主導の経済対策で、これでは日本だけが円高で苦しむ事になる。昨日も書いたようにFRBもECBも大胆な財政出動で大幅な金融の緩和で紙幣をばら撒いていますが、日本の日銀だけが通貨供給を絞ってしまったままだ。12月に10兆円の通貨供給をしましたが、デフレの解消には焼け石に水だ。

ギリシャは観光以外にこれといった産業もなく、イタリアやスペインも輸出競争力が弱い。投機資金が引き揚げてしまえば、1997年のアジア通貨危機のようなことが起きますが、ユーロ圏なので通貨の暴落は避けられている。ギリシャなども国債の発行で一時しのぎをしていますが、国債を買う国がなければデフォルトせざるを得ない。そこでドイツが救済の手を差し伸べるようですが、同じような事は東アジアでも行なわれている。

東アジア通貨危機の時も、2000年の5月にチョンマイイニシアチブが合意されて緊急支援体制が強化されてきていますが、将来的には日本の円や中国の元などが中心になって東アジアの共通通貨構想も練られている。今まではドルが世界の基軸通貨でしたが、経済が多極化してくると基軸通貨も多極化せざるを得ない。しかし日本では円を基軸通貨にしようといった構想は全くない。

ユーロが発足したのは1985年のプラザ合意が原因ですが、ドイツは新たなる基軸通貨をEUを基盤として作ろうとした。フランスもそれに賛同してユーロが作られましたが、アメリカ以上の経済規模にするには南欧や東欧諸国も通貨圏にしなければなりません。そして人口から経済規模から通貨の流通量に至るまでユーロ経済圏がアメリカを上回るようになった。

しかしユーロはEU諸国の寄せ集め通貨だから、PIGSのような落ちこぼれ国家が出ると弱点を見せてしまう。東アジアのようなもっと緩やかな組織で通貨基金を作って、日本の円を基軸にしながら東アジア共通通貨を作って行けば、ユーロのような動きが取れなくなるといった事は避けられる。日本単独ではどうしても投機筋に狙われて独歩高になってしまいますが、東アジア基軸通貨があれば独歩高は避けられて、乱高下も避けられる。

韓国や中国が経済破綻して東アジア共通通貨が安くなれば日本は輸出で稼いでGDPを大きくする事が出来るし、経済破綻した韓国や中国もウォンや元が売り叩かれる事も回避できる。金利や財政出動が自由にできないと言う欠点もありますが、ドイツがギリシャを助けるように、日本が韓国を助ければ危機は回避できる。

このような通貨スワップが連携強化されていけば東アジア共通通貨が出来る基盤となるだろう。日本の円高を回避して投機筋に狙われない為には通貨の規模を大きくする必要がある。しかし現状では格差がありすぎて難しいが、このままでは円高で日本経済はジリ貧状態が続く事になる。

ヨーロッパのような政治統合は難しいでしょうが、通貨統合は日本が主軸となってやれば出来ないことはないだろう。中国にしても人民元が自由化して切り上げが行なわれれば、巨大な韓国のようになって経済危機がやってきて、日本からの緊急融資などでしのぐような事になるだろう。ドイツが今直面していることは、日本も将来直面する問題だ。

ネトウヨの中にはどうして日本のカネで韓国や中国を救うのかといった意見が出ますが、ドイツにしても立場は同じだ。韓国や中国が経済破綻すれば影響は日本にも及ぶし、汚れ役を韓国や中国が演じてくれれば東アジア共通通貨は高くなる事は避けられて日本の輸出が拡大する。つまり損して得を取ればいいのです。


◆共通通貨創設の鍵となる「為替レート安定化」3つの条件 2005年2月23日 吉冨勝
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yoshitomi/03.html

アジア経済の貿易面での統合が進むと、共通通貨形成への素地が固まってくる。

アジアの貿易統合は、3つの面から進んでいる。(1)域内貿易比率の上昇、(2)生産・流通ネットワークの形成、(3)自由貿易協定(Free Trade Agreements、FTAs)だ。

第1の域内貿易の比率の上昇は、貿易論では「引力論」で説明される。2国間の引力にあたる貿易は、重力にあたる国の経済規模とその経済成長率に比例し、2国間の距離には反比例するというわけだ。これによると東アジアのように経済成長率が高く(7〜8%、他の地域では2〜3%)、日本、中国のような大国が存在していると、そうした大国とのアジアの貿易の比重は高まる。しかも、東アジア諸国は地理的に近接しているので、運輸・通信費用などの取引コストが小さくて済み、お互いの貿易関係(引力)が強まる。

こうして、東アジア各国の域内の貿易比率は全貿易の今や50%以上を占めるようになっている。

2つ目の統合促進要因は、東アジア内で出来上がっている産業内垂直貿易である。例えばエレクトロニクス産業では、日本が資本集約的で技術集約度も高い、半導体製造装置や電子部品、電子材料を輸出し、韓国や台湾の中進国がそれに続く技術集約度の高い部品・コンポーネントを輸出し、中国がこれらを輸入し、安い労賃で加工・アセンブルして、最終製品である情報機器(パーソナル・コンピュータなど)として世界に向けて輸出している。中国を世界の工場と呼ぶのは木を見て森を見ていない類の観察と同じであり、実は東アジア全体が世界の製造センターになっているのである。

以上のように、東アジアの貿易統合が進むと、域内の民間の金融取引が活発になり、為替レートの調整も協調して行うというふうに、金融・通貨面での統合が進みやすくなる。

例えば、最近では、米国の経常収支赤字がGDP比6%近くにまで膨張しているが、この状況は持続可能ではないため、米ドルは30%下落する必要があるという説が国際金融論の学者の中では根強い。しかしこの場合でも、互いに協調し合うことによって東アジア通貨がすべて同じように30%、米ドルに対して強くなったとしよう。その場合は、アジア通貨側の為替レートは変動しないで済む。とすると、今や50%を占める域内の貿易は影響を受けないので、個々のアジア通貨の実効的な切り上げ率は30%の半分の15%で済む。これだと十分に対応可能な各国通貨切り上げ幅だと言えよう。

これはアジア通貨が強くなる場合だが、97〜98年のように、国際短期資本が激しく移動すると、アジア通貨が暴落することもありうる。そのため、アジア危機で懲りたアジア諸国は自衛策上、膨大な外貨準備を積み上げた。この自衛策を共同防衛策に変えると、各国の外貨準備の大きな節約になる。

例えば、いま東アジアで各国が保有する外貨準備を15%ずつ拠出すると、2500億ドルもの外貨プールが出来上がる。これを共同管理して使えるEast Asian Monetary Fund(=東アジア通貨基金)にすることが出来る。

この基金は、加盟国の為替レートが余りにも大きく下落するとき、それを共同して防ぐために利用出来る。だから、こうした基金の形成は、東アジアでお互いの為替レートを安定させるような東アジア全体の為替制度を構築することを意味する。

こう考えてくると、アジアの共通通貨(ACU)に向けたアジア通貨間の為替レートの安定化は、ドル暴落に備えた、アジア通貨の協調的切り上げやアジア危機の回避に向けた東アジア通貨基金の形成を通して、一層促進されていくのである。

(私のコメント)
ヨーロッパの通貨統合の経験は東アジア共通通貨の参考になるものですが、様々な条件をクリアしなければなりません。80年代の経験からしても世界は日本のひとり勝ちを許さないだろう。だから東アジア諸国を仲間にすることで世界からの圧力を回避していく必要があります。中国にしても元の切り上げ圧力に晒されていますが、完全な変動相場制に移行すれば安定化のための東アジア共通通貨の必要性を認識するようになるだろう。


 

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コメント
 
01. 2010年2月10日 15:17:06
ちょっと違うな。通貨ユーロは増加しているけど、ドイツの実質実効為替レートはユーロ発足時から変わんないよ。輸出競争力は落ちてないんだな。だからドイツでは内需拡大なんて話が出ないの。

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