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EU内のソブリン・リスクがマネーフロー直撃、リスク回避で円買い [ 5日 ロイター] http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/206.html
[東京 5日 ロイター] 欧州連合(EU)域内におけるギリシャやポルトガルなどのソブリン・リスクの高まりが、世界的なマネーフローを直撃している。 問題となっている国の国債ばかりでなく、欧州各国の株価下落に連鎖し、さらに米国、日本など他の株式市場にも波及するとともに、外為市場ではユーロの大幅下落を通じてリスク回避の動きから円が買われるという大きなうねりも発生した。東京市場では、日本の巨額の債務残高に対する懸念よりも、株安を受けた債券買いが表面化した。
株式市場では日経平均が大幅安となり、下げ幅は一時300円を超えた。ギリシャに端を発した債務問題がポルトガル、スペインに広がり、欧州のソブリン・リスクとして警戒されている。欧州株安は米国、日本にも波及し、世界的な連鎖株安の様相となってきた。「先物売りから裁定解消売りが出ている。欧州のソブリンリスクは日本企業の業績と直接関係ないが、グローバル投資ファンドなどは欧州や米国の株価指数下落に伴い、バランスの上で日本株も売らざるを得なくなっている。日経平均は外国人主導で上昇を続けてきたが、利益確定売りが出やすいタイミングに重なった」(SMBCフレンド証券・ストラテジストの中西文行氏)という。 また、明和証券・シニアマーケットアナリストの矢野正義氏は「今回の株安・円高はギリシャやポルトガル、スペインなどのユーロ圏内の財政状況をめぐる警戒感を背景に、リスクマネーの巻き戻しが起きたことが主因だろう。欧州とは直接関係のないようなブラジルの株価や金価格が下落しており、リスクマネーが流れ込んでいた市場から資金が一斉に引き揚げられたことが分かる」と分析する。 みずほ総研・調査本部市場調査部長の長谷川克之氏も「ソブリンリスクがポルトガル、スペインからイタリアやフランスなど域内の主要国に波及すれば、世界的にリスク許容度が低下することになり、要注意だ。ただ、日経平均は瞬間的に1万円を割れることはあっても、大きく下放れることはなく、下値は底堅いとみている。個人投資家など下値での買い意欲は依然強く、当面の下値メドは9800円程度」との見方を示している。 今後の展開について、明和証券の矢野氏は「1月雇用統計への懸念が強まっているが、非農業部門雇用者数が多少マイナスであろうと、中期的に改善方向にあることに変わりはないだろう。1月の米小売各社の既存店売上高が市場予想を上回るなどファンダメンタルズは依然として堅調だ。状況が落ち着けばリスクマネーの投資再開が期待できる。日本企業の業績もソニー<6758.T>やトヨタ自動車<7203.T>などに見られるように堅調だ。円高が進まなければ、再び評価される動きになるとみている」と述べた。 野村証券・プロダクト・マーケティング部マーケット情報課長の佐藤雅彦氏は「日経平均が昨年11月27日の安値から約2カ月間で2000円程度上昇していたことを考えれば、きょうの下落は調整にすぎないのではないか。米株の大幅安や円高などは後講釈とみており、(底堅いという)大きな流れが変わったとは思えない」と指摘する。その上で「投資家に押し目買いのスタンスもあるので、テクニカル上の9900円付近を目先の下値めどとみている。 ドル/円は前日から2円程度円高に振れているが、90円付近で推移していれば、株への影響は限定的だろう。ただ、ユーロは加盟国の財政問題などがあり、引き続き注視したい」と語った。
外為市場では、円とドルが前日欧米市場で急伸した。欧州のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でポルトガル国債の保証料が過去最高を更新する一方、スペインの株価指数IBESが前日比6%近い下げとなるなど、欧州新興国への懸念の高まりをきっかけに世界的に株価が下落。高金利通貨を中心に、これまで買い上げられた通貨が売られる一方で、円とドルに買いが集中した。 特にきょう発表の1月米雇用統計が強含みとなって、株高/円安が進みそうだとの見方から売りが先行していた円は急反発。ユーロ/円は日本時間夕方の126円台から一時121.57円まで4.8円下げて11カ月ぶり安値を付けたほか、豪ドル/円は同80円前半から76円前半まで同3.9円の下げとなり、2カ月半ぶり安値を更新。NZドル/円も同63円半ばから2カ月ぶり安値の60円半ばまで2.8円の大幅な下げとなった。 ドルも大きく上昇。ユーロ/ドルは200ポイントを超える下げとなり、一時1.3669ドルと8カ月ぶり安値をつけ、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルは最近の取引レンジ下限を下抜けて、ともに5カ月ぶり安値を更新。主要通貨に対するドルの値動きを示すドル指数も80.283と7カ月ぶり高水準に上昇した。 ドルと円がともに強含みとなったものの、クロス円の下げが勢いづいたことでドル/円は下落。日本時間夕方の高値から2.5円の大幅安で一時88.55円まで下落。昨年12月14日以来2カ月ぶり安値を付けた。 この日の東京市場では、急速な下げの反動で「さすがに買い戻しが先行した」(邦銀)といい、急速な円高とドル高は一服となったが、市場では荒い値動きがまだ続くとの見方が大勢。バークレイズ銀行東京支店トレーディング部長の小川統也氏は「大きな値動きの主因は、米雇用統計前のポジション調整。雇用統計が予想を上回る雇用の底堅さを示せば、ドルは急落前の91円付近まで値を戻してもおかしくはないが、中国の旧正月入りで取引量が減少する中、リスク回避という名の下、ダウンサイドリスクを引き続き気にかけておく必要がある」と話している。テクニカル的には88円を割り込めば、次のターゲットは85円になるという。
円債市場では、4日に新規で売り持ちにした海外勢が、取引を解消するオペレーションに踏み切ったため、国債先物が一時、前日比50銭高に迫った。バークレイズキャピタル証券・チーフストラテジストの森田長太郎氏は「欧州のソブリン問題が世界的なテーマになりつつあり、リスクリダクションの動きが出ている。欧州のソブリン債への懸念は、ギリシャからポルトガル、スペインなどに波及しており、株安・長期金利低下を加速させている」と指摘した。 BNPパリバ証券の山脇貴史・シニア債券ストラテジストは「全般的に質への逃避の動きが見られる」と話した。米雇用統計を控える中、国内投資家の動きは緩慢だった。 ある邦銀関係者は「国内総生産(GDP)と国の債務残高を比較した場合、ソブリン・リスクに直面しているギリシャなどのPIIGSと日本に大きな差はない。ただ、欧州のソブリン・リスクがそのまま日本に飛び火するとみている参加者はゼロだ。国内の国債消化能力が全く違うからだ」と述べる。 だが、その関係者は「だからといって、このまま債務残高が急膨張すると、ある時点で今回のPIIGSのようなことが起きる。それがいつになるのか、事前にはだれにも分からないということだ。分からないということと、そうしたことが起きないというのは違うはずだ」と話している。 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦 ;編集 山川 薫)
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