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「ソフトウェアとハードウェアの一体販売」が復活の要因になるとは誰が想像しただろうか。ソニーがどうして作れなくなったのか? http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/155.html
株式日記と経済展望 2010年1月30日 土曜日 iPhone OSをベースにしたiPad
【ワシントン斉藤信宏】米アップルが25日発表した09年10〜12月期決算は、多機能型携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や新型の基本ソフト(OS)を搭載したパソコン「マッキントッシュ(マック)」の販売が好調だったことなどを反映し、売上高、純利益とも大幅に増加し、過去最高を更新する好決算となった。 純利益は前年同期比49・8%増の33億7800万ドル(約3000億円)、売上高は同32%増の156億8300万ドルだった。 主力3製品のうち、マックの世界販売台数は同33%増の約336万台、アイフォーンはほぼ2倍の約870万台に達した。いずれも四半期ベースとしては過去最高の販売台数を更新した。一方、デジタル音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」は同8%減の約2100万台だった。 アイフォーン3GSはアジア地域でも販売が好調だった。アップルは3月にも電子書籍に対応する新型端末を売り出す方針だ。 ◆アップルが再び負ける日 1月29日 酒井裕司 (前略) iPod投入当時、音楽のオンライン配信は、「無料の違法コンテンツ」と「高価で品揃えが少ない公式配信コンテンツ」に二分されていた。そこにiTunesは利ざやを大幅に圧縮し、競合力のある配信サービスを提供することで、利用者とコンテンツの品揃えの両方を爆発的に拡大していったのである。そしてそれが可能だったのは、EMSによって安くハードウェアを作る体制を確立し、ハードウェア販売で大きな利ざやを稼げる仕組みが用意されていたからである。 結果、サービスとひも付けられないMP3プレイヤーは伸び悩んだ。音楽レーベルを傘下に持つSONYなどは、既存流通に対する配慮から、配信コンテンツの価格や品揃えにおいて戦略的な新機軸を打ち出すことはできず、せいぜい日本市場でiTunesに嫌がらせをすることぐらいしかできないでいたのである。 Amazonのミラー戦略「Kindle」 製造経験のない会社であっても、現在はEMSを利用して安価に製品を作ることができる。その上、10ドルの本を読むために、ユーザーは200ドル以上もするKindleを買ってくれる。もともと配送料を追加コストとして持つAmazonにとっては、自社の書籍販売ビジネスとの食い合いをさほど気にする必要もない。 使ってみれば分かるが、Kindleは、読書するユーザーのことをよく考えたデバイスである。特にパソコンを使って本を読むことから生じる“落ち着きのなさ”の解消に特化している。 古さすら感じさせるインターフェースは、「ページをめくったらじっくり読む、まためくる」の繰り返しであり、落ち着きのない“動的”ブラウザインターフェイスとは別の方向性を強く感じさせる。またE-Inkは読みやすく、省電力モードで消えてしまう画面を気にすることもない。バッテリーも長時間保ち、軽いため腕も疲れない。コンテンツの購入は3G回線で行われ、パソコンもいらない。 おそらくKindleは、テキスト系電子デバイスでは稀有な「長時間利用し、その間あまり操作しない」ことを前提に設計されているデバイスに分類されると思われる。 iPadでアップルは再び勝てるのか? よく知られているように、「操作する」デバイスより「操作しない」デバイスの方が潜在的なユーザー層は広い。iPhoneの普及も、iPodの機能を兼ねていることの寄与が大きいと思われる(私見だが、ゆえにAndroidは“味付け”を行わなければ潜在ユーザー層は狭いと思う)。 人は怠惰なのだ。iTunesでとった戦略のように、本体の収益をベースに、原価に近い電子書籍を提供することも可能だが、今回はKindleがミラー戦略をとってくる可能性がある。Kindleは目的が限定されているだけに、価格は安くできるはずなのである。 おそらく、iPadの600ドルという価格レンジはいい線を突いているが、Kindleとの競合においては高い。当初の普及は、ゲームやビデオの複合ユーザー層に訴求できるかにかかっているだろう。 では、アップルは再び負けてしまうのであろうか? いや、アップルは、iPhone同様に段階的普及戦略を考えていることだろう。新しい製品の初期コストは、カネをどぶに捨てるハイエンド(人柱)ユーザーで回収し、類似設計でソフトの改良をしつつ、ムーアの法則が価格を下げるのを待つ。何より、その間ハイエンド(人柱)ユーザーは、Kindleのユーザーに「きみの端末はモノクロだねぇ」といって溜飲を下げることができるではないか。 (私のコメント) iPhoneは携帯電話ではなく携帯端末であり、iPodは携帯プレーヤーではなく携帯端末であり、iPadも電子書籍ではなく携帯端末だ。パソコンでありながら携帯電話や携帯プレーヤーや電子書籍として使えるように限りなくデザインを最適化して商品にしている。 パソコンメーカーとしてはどこも同じような物になってしまって、価格競争で泥沼状態ですが、アップルは素早くパソコンを携帯電話や携帯プレーヤーや電子書籍に限りなく近いパソコンを売り出して成功している。パソコンは何でもできる反面で大きさやインターフェースで不満が出てきます。アップルのジョブスはそこを突いた商品で成功している。 「株式日記」ではiPhoneをぼろくそに貶しましたが、携帯電話としては大きすぎてメールの入力も片手では出来ない。数々の欠点がありますが、携帯パソコンとしてみれば画期的な商品だ。最近では携帯ゲームマシンとして成功している。iPadは電子書籍としては高すぎますが、ネットやメールも出来るから書籍や新聞が読める携帯パソコンとして成功するだろう。 iPod やiPod touchもソニーのウォークマンを追い落とした商品ですが、ソニーではiPod を作ることが出来なかった。iPodはパソコンの音楽再生部分だけを切り取った商品ですが、ソニーのウォークマンもカセットプレーヤーの再生部分だけを商品にした物だった。ソニーは携帯電話も作っているし、iPadのようなタブレット型のパソコンも作っていた。 ソニーはなぜアップルのようなヒット商品が出来なくなってしまったのだろうか? そして何の変哲もないノートパソコンと携帯電話を作るメーカーになってしまった。ソニーは電子書籍も作っていましたが売れないので止めてしまいましたが、アップルの成功とソニーの失敗はどこから来ているのだろうか? 結論から言えばソニーは大きくなりすぎて事業部制で携帯電話は携帯電話、パソコンはパソコン、ゲームはゲームと各部門に分かれてしまって、アップルのようなクロスオーバーした商品が作れなくなってしまったのだ。iPadのような電子書籍でありパソコンであり携帯電話でもあるといった商品は縦割りの組織では作ることが出来ない。 またソニーには井深氏や盛田氏のような独創的な経営者がいなくなってしまった。ソニーの技術者ならiPhone、iPod、iPad程度の製品は簡単に作ることが出来るだろう。しかしそのような発想が出来る経営者がいない。iPadはiPhoneのOSを利用していますが、アンドロイドのOSを使えば、限りなくアップルの製品に近いものが出来るだろう。 しかしアップルの強みはソフトとハードを組み合わせた垂直統合型の経営であり、他のメーカーがなかなか真似することが出来ない。だから一つヒット商品が出れば儲かってしょうがないほどの利益が出る。日本で言えば任天堂がソフトとハードをセットで売る商売をしていますが、一人当たりの利益はゴールドマンサックスよりも高い。 パソコンはあまりにも多機能化してしまって、携帯端末としては大きすぎて重過ぎる。アップルのように機能を絞って軽く小さく薄いパソコンを日本のメーカーはどうして作ることが出来ないのだろうか? ソニーばかりでなくパナソニックやシャープや東芝の経営者は何を考えているのだろうか? いずれも大きくなりすぎて事業部に分かれてクロスオーバーした商品が出来ない。 テレビも携帯電話もパソコンも限りなく境が無くなって来ていますが、相変わらず日本のメーカーはテレビ部門はテレビを作り、携帯電話部門は携帯電話を作り、パソコン部門はパソコンを作っている。だからアップルのような商品を作ることが出来ない。それぞれ基本ソフトも違うから統合することが出来ないが、アップルは一つの会社が作っている。
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