★阿修羅♪ > 国家破産67 > 113.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
フェアトレードのチョコレートを購入しましょう。
http://www.swissinfo.ch/jpn/index.html?cid=7283394
チョコレートのかなめの原料であるカカオ豆が、強制児童労働で収益を得ているプランテーションから来るとなれば、スイスのチョコレートはそれほど甘くなくなるだろうと、ある監視団体は言う。
スイスのNGO ( 非政府組織 ) 「ベルン宣言」がこのほど開始したキャンペーンでは、スイスのチョコレート製造メーカーに対して、取り扱うカカオ豆が道徳的な環境で栽培されていると保証できるような、さらなる取り組みを呼びかけている。
チョコレートが流す涙
チョコレートの消費が高まるイースター ( 復活祭 ) が間近に迫るこの時期に「ベルン宣言 ( Berne Declaration ) 」は「スイスのチョコレートに刻まれた児童労働」のスローガンと共に血の涙を流すチョコレートのウサギの写真を発表した。
スイスのチョコレート会社18社が加盟する協同組合「スイスチョコレート製造者連盟 ( Chocosuisse ) 」は、世界的に有名なスイスのチョコレートが公正で道徳的な環境の下で製造されていることを保証する取り組みを行っている最中だという。
「わたしたちは雇用者としての社会的責任を自覚しており、社会的パートナーシップ作りに熱心に取り組んでいる」
と組合側は言う。
しかし、ベルン宣言によれば、購入したチョコレートが児童労働で汚されていないものだと消費者が確信できるほど、原料供給プロセスは透明でないという。政治不安、内戦、激しい市場競争で乱れている一部のカカオ市場では、カカオ豆の生産現場を正確に把握することは非常に難しいといえる。
「チョコレートを食べないでほしいとは言わないが、チョコレート産業には問題があり、製造メーカーは透明性を追及する必要があると、消費者の注意を喚起することが肝心だ。スイスはおいしいチョコレートを作っているが、わたしたちが求めるのはフェアなチョコレートだ」
と、ベルン宣言の消費者問題の専門家、アンドレア・ヒュザー氏はキャンペーンの意義を語る。
チョコレートの影の部分
世界で生産されるカカオ豆の約6割が西アフリカで栽培され、その大半は強制児童労働により、特に問題視されているコートジボワールのプランテーションで収穫されたカカオ豆が占める。世界のカカオ貿易の犠牲になり強制労働に苦しむ子どもたちの正確な数は把握されていないが、労働団体や人権活動家は2億5000万人もの子どもたちが巻き込まれていると推測する。
この問題は、約9年前に西アフリカの強制児童労働を明るみにしたメディアの報道がきっかけとなり注目を集めた。アメリカ合衆国に拠点を置く「国際労働権利フォーラム ( International Labor Rights Forum ) 」の職員が調査を行った。
「子どもたちはうだるような暑さの中を長距離移動しながら、危険な道具を使い、危険な農薬に何度も身をさらして過酷な長時間の労働を行っている」
と報告され、さらに
「奴隷のように働く子どもたちは何度も殴られたり、そのほかのひどい扱いに苦しんでいる」
と、カカオ農園の暗い側面が語られる。
強制児童労働に至るのはほとんどが経済的な動機からだ。2000年には1トン約718ドル ( 約7万円 ) だったカカオ豆の価格が近年、最高値の2600ドル ( 約25万6000円 ) まで上昇したが、コートジボワールのカカオ農家は世界の中でも最も重い税金を課されている生産者だ。
ベルン宣言によれば、コートジボワールの農家の取り分は1ドル ( 約98円 ) 分のカカオ豆につき35セント ( 約34円 ) ちょうどだという。ほかの地域の生産者なら、1ドルにつき90セント ( 約88円 ) も手元に残る。
「一番の問題はカカオ豆の価格が農家の暮らしを支えられるほど高くないということだ。賃金を支払えない農家は子どもを雇ったり強制労働という手段に出なければならない」
と、ヒュザー氏は指摘する。
スイスのチョコレートメーカーの大半はカカオ豆の購入先に関する詳細を公表できない、もしくはしたがらないと、ヒューザー氏は言うが、少なくとも1社が自社のチョコレート製造過程が道徳的かつ透明であることを明確にしようと前進を見せた。
「ショコラ・ハルバス ( Chocolats Halbas ) 」はスイスのトップ5に入るチョコレート製造メーカーで、大手スーパー「コープ ( COOP ) 」系列の店舗に向けてチョコレートを作っている。ハルバスのプロジェクト・マネージメント部の責任者を務めるクリストフ・イナウエン氏によれば、同社は1年半前にカカオ豆生産地での環境への取り組みや児童労働搾取の可能性を調査し始めたという。
「しばらくしてから、わたしたちの購入方法はあまり適切ではないということが分かった。そこで、新しいやり方に切り替え、現地に直接赴き生産者と直接取引きすることで生産過程に児童労働がないことをはっきりさせようと決めた」
とイナウエン氏は語る。
同社はコートジボワールのカカオ市場から徐々に撤退している。内戦、政治不安で乱れ、複数の大農園に独占されているこの市場では透明性のある取引が難しいためだ。その代わりにガーナと中央アメリカに関心を移し、生産コストを上回る価格でカカオ豆を購入することを保証している。また、多様な作物の栽培や持続可能な農園作りにも協力している。
「こうした取り組みは農家が貧困から抜け出す道になるだろう」
と、イナウエン氏は展望を述べ
「公正なビジネスというだけではない。わたしたちには企業の社会的責任がある」
と語る。