http://www.asyura2.com/10/bd59/msg/433.html
Tweet |
東電とはアパートの外にある電気メーターを毎月測りにくて、使用明細書をドアの郵便受けにほうりこんでいく、お姉さんだと思っていた。毎月、銀行口座から自動的に電気代が引き落とされるので、東電とは、まったく顔が見えない会社だった。
福島原発大事故によって、東電がいかに日本を支配していた電力会社であることが浮上する。
そしていよいよ日本は東電によって滅亡していく。
原発が起動する終末論である。
わたしは、青年時代から、ヒロシマ・ナガサキに続いて、三度目の核による来襲が日本に訪れるという絶望的な予感を内包していた。二度あることは三度あると思っていた。マンガの読みすぎであったのかもしれない。
多くのマンガ家は、核によって廃墟になった日本終末からの物語を描いてきた。
福島原発の大事故によって、それが現実となった。<光る風>という少年マガジンに連載されていたマンガは中学生の頃だったが、大人になって古本屋でみつけた。
大江健三郎の<洪水>という言葉がある表題の小説を読んだのは、若い頃だった。
<洪水来たり、核時代の想像力起動し、停止したはずの原子力発電所から核燃料熱をおび、再臨界へと向かう>
核時代の想像力をかかげた大江健三郎の時代が2011年3月11日にやってきたのだが、もはやノーベル賞作家の大江健三郎には、日本滅亡を語るエネルギーはないだろう。
憲法第9条が日本国民を守ってくれると多くの人々は敗戦後に勃興した新興宗教のように信じていた。憲法第9条さえあれば、核戦争にまきこまれることはないと、多くの人々は語ってきた。国会はレトリックをめぐる言語の喧騒だった。
問題は日本の内部にあったのである。毎月、アパートの外にある電気メーターを確認にくる東電のお姉さんは、あまりにも街の日常的な風景だった。その平凡な日常のなかに異常があったのである。
<電力会社・日本国家官僚・政権政治家・マスメディア・電通・大学教授>これら原発既得権益同盟たちは、憲法第9条の裏にみごとに隠れ、核戦争を内部からじわじわと推進してきたのである。その核戦争の兵器とは日本列島に建設されてしまった原子力発電所だった。これが日本の表層皮膚であった。あまりにも薄い皮膚だった。
現在のわたしは虚脱である。アルコール中毒者なのに酒をあまり飲めなくなっていた。
かつて大江健三郎は
<わが狂気の生き延びる道を教えよ>と記述したことがあった。
いまなら
<わが正気の生き延びる道を教えよ>であろう。
日常に溶け込んでいたはずの原子力発電所という狂気が、2011年3月11日14時46分頃に、表層皮膚を突き破り、エイリアンのごとく人類に襲いかかってきたのである。核分裂というエイリアンを育てていたのが原発既得権益同盟たちだった。
絶対権力をもった原発既得権益同盟こそ、もうひとつの日本だった。
もはやすでに首都圏は放射能によって汚染されている。
30歳代までの若い世代は、西日本へと避難すべきであると思う。
わたしはこの地で放射能にやられながら生活していくしかない。
放射能と共存していくために、自分をアンドロイドとして改造していくしかない。
皇居は、はやく京都御所へと移転すべきである。那須御用邸の職員風呂場を開放するのもいいかもしれないが、宮内庁のやるべき仕事はいかに天皇制を存続させるかが、第一命題の戦略的仕事である。
もはや総体としての日本は、東京から西日本へと首都を遷都するという勇気もアイデアも喪失してることはわかっているのだが、皇居だけは京都御所へと帰還してほいしとわたしは願っている。天皇・皇太后、皇太子家族や皇族はいますぐ京都に移転していただくことこそが宮内庁のやるべき戦略的命題である。そして日本国民はそれを願っていると思う。
すでに多くの外国大使館は業務を西日本へと移転しようとしている。
米国はまもなく80キロから100キロへと設定するだろう。
菅政権はいまだ非常事態宣言を出せないでいる。
これは絶対権力をもった原発既得権益同盟たちが、福島原発大事故で勃発させてしまった内部からの核戦争であることが、菅政権には理解できないらしい、菅政権とは無感知の政権である。
原発大事故とはすでに放射能拡散と内部被爆をめぐる生態系の核戦争的事態なのである。人間もまた生態系の生物なのだ。
3月25日、TVニュースで、被災地での中学卒業式の映像をみた。卒業式代表で読み上げる男子生徒は泣きながら「何故、天はこれほどまでに・・・・」結語は「しかし天を恨まず、わたしたちは前へと歩いていきます」力強い言葉だった。慟哭からの音声と言葉だった。アテルイの系譜があった。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ59掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。