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古代宗教とイルミナティ
イルミナティはなぜキリスト教を絶滅しようとするのか。それは遊牧掠奪民族と悠久の太古から続く古代文明との4000年以上続く長年の確執なのだ。
東部地中海地域では古来、死する神の死と再生の宗教、その神と大地母神との聖婚儀礼など、現代では異質で理解不能な宗教が存在した。それは現代のカトリック宗教体系に引き継がれた太古からの宗教体系であろう。マリア崇拝など、単純に考えると不可解な面を持つが故に非難の的になってきた。しかし、それは悠久の太古から続く古代宗教を引き継いでいるからなのである。紀元前1500年前ころ、青銅器時代の崩壊で、南下したギリシア人、カナンに侵入したヘブライ人など遊牧民族にとっては、まったく理解できない宗教・文明が東部地中海からオリエントまで、つまり当時の全地球が覆われていたのである。山形孝夫 著「聖書の起源」ちくま学芸文庫2010年 p92〜p135 第二部カナンの神々の系譜
そこで、進入したギリシア人が理解しようとつとめ、ギリシア神話ができあがったのだろう。ギリシア神話が奇妙に見えるのは、あまりに古くて様々な要素が混在する理解不能な宗教・文明を、他者たるギリシア人が理解しようとつとめた雑然たる記録集だからだろう。太古の祭式と担った人々が滅びて神話だけが残ると、もうわけがわからなくなるのだ。
この古代宗教の宗教体系の中には、死んでよみがえる神の祭儀、密議、華やかな祝祭、医療、予言、死者儀礼、聖婚祭儀、悲劇・喜劇などのごった煮としての祭事暦、1年間の祭りの数々があったのだろう。この宗教の核は現代でもギリシアに存在する。それは、馬場恵二 著「癒しの民間信仰」2006 東洋書林 第8章 古代文化遺産とキリスト教 やその他のページに散見する癒しの神である。その深い宗教感情を「癒しの民間信仰」から読み取ることができる。そして、山形孝夫が看破したように癒しの神こそがアドニス神であり、フェニキアでの、その本当の名前エシュムン神であり、死んでよみがえる神、冥界からよみがえる神であったのだ。それは蛇を従えた主神であった。そして古典期ギリシアのアスクレピオス、さらにキリスト教のイエスへと続く。「聖書の起源」p125
この古代世界の宗教の中には、後のイルミナティ結社の源流と偽ってされる、死んでよみがえる神オシリスやイシス、オリエントの神格などが登場するが、後のイルミナティ結社とは、まったくなんの関係もないであろう。イルミナティ・フリーメーソンは、興味本位にこれらに関心を持ち、アピールしようとするが、これらは失われた宗教であり、神々の名前だけ剽窃して悪魔教に取り込んでもなんの意味もないし、むしろ彼らとは正反対の宗教概念をもたらし、混乱に充ちたグロテスクな悪魔教を作り上げるだけなのだ。ネスター・ウエブスターはイルミナティ結社の源流を古代秘密結社まで遡らせて書いているが、それは間違いであろう。古代秘密結社とイルミナティ・フリーメーソン秘密結社とは、関係がない。また薔薇十字団がこういった神秘宗教の餌で当時の第一級の知識人を一本釣りしたときには、それなりの意味があったのだろうが。そして、いまでは、おそらくイルミナティでは表面は、混乱に充ちたグロテスクな悪魔教であろうが、中核は ルシファー単一の一神教、おっと正確には「一悪魔教」なのであろう。この「一悪魔教」こそが新世界秩序の世界宗教になるにちがいない。
キリスト教は古代宗教の唯一の継承者なのだろう。したがって偽者が本物を嫌悪し、葬り去ろうとする場面が、イルミナティの創設とともに登場する。すなわち、ワイスハウプトのイルミナティ思想のなかにあるキリスト教廃絶思想だ。ワイスハウプトのイルミナティ思想が遠く、スキタイなどの掠奪文明を基礎にしているということを私は以前書いた。したがって、キリスト教に代表される古代世界文化との確執は4000年以上の歴史があるといっていいのだろう。イルミナティが遠い古代からの伝統がある、という意味は、それは私にはシュメール、エジプトなど古代文明に乱入した遊牧掠奪民族の血が脈打っていることだと考える。指をくわえて輝ける古代文明を見上げていた古代のワイスハウプトたちの遥か後代の子孫たち、現代のワイスハウプトたち(ブレジンスキーたち)は、いまやキリスト教を見下げ果て、輝きの失った古代文明の伝統の息の根を止め、滅ぼしつくそうとしているのだ。
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