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【書評】『天皇の金塊とヒロシマ原爆』高橋五郎(学習研究社)(ワールド・フォーラム経済レポート) http://www.asyura2.com/09/warb2/msg/865.html
【書評】『天皇の金塊とヒロシマ原爆』高橋五郎(学習研究社) この本は同じ学習研究社が出した『天皇の金塊』の第2弾として、2008年10月に出された。表題の通り原爆開発の真相を中心に、血塗られた近代史が「ペテン師たち」によってつくられてきたさまを容赦なく描く。同書によれば、ウラン型原爆の日本への投下は1943年5月5日に決まった。この新型爆弾はドイツのペーネミュンデの工場で完成し、ロンメル将軍の手でベルギーを経由して米国に引き渡された。 同盟国がわれわれを裏切っていた事実など、マスコミと教科書を信じる人には受け入れられないだろう。しかし、冷静に考えていただきたい。なぜ、肌も文化も違う民族と一緒になったのか。なぜ、誰もが望まぬ殺し合いがやまないのか。なぜ、後進工業国が戦争をできるのか。これらを意図して動いた者たちの影がちらつく。 先の戦争で潤った企業は、デュポン社やスタンダード石油、毒ガスのケロッグ社、ウラン濃縮のユニオンカーバイドなどなど。これらは敵国である日本の三菱や住友、三井にも資金と兵器を供給してきた。英国のウインザー城やバッキンガム宮殿、イングランド銀行がドイツ空軍の標的を免れた事実は、彼らがグルだったことを物語る。 著者が「ペテン師」と呼ぶのは、戦争という一大特需をけしかける舞台上の役者たちである。すなわち、ヒトラーやルーズベルト、チャーチル、スターリン、トルーマンなど。舞台裏には、脚本家で興行主のロスチャイルドやロックフェラー、モルガン、ウォーバーグ、ハリマン、ブッシュなど一族のほか、世界の王室が控える。先に挙げた戦争企業のスポンサーたちである。米国でむしり取った「上がり」は、私有銀行組織のFRB(連邦準備制度理事会)を通じてこれら英国の胴元に上納される。 皆さんはまだ、これらを「陰謀論」と片付けるだろうか。これらスパイからの数々の証言はむしろ、ジョン・コールマンやデーヴィッド・アイクなどの説明に信頼性を与える。事実、原爆投下先を1943年5月5日に決めたことは、1970年代後半に数回「誤って」公開された米軍事政策委員会資料に記されているし、ムッソリーニが英国のスパイとして報酬を得ていたことは、昨年10月14日の英ガーディアン紙で裏付けられた。 日本海軍の中で唯一真珠湾攻撃を主張した山本五十六次官が結社のメンバーだったとする説も、同書は補強している。告白者のスペイン人スパイ、ベラスコ自身が結社のメンバーであり、日本の情報を取るために山本に内閣情報部をつくらせたと明かしているからだ。ベラスコは、日本を監視するために日本政府に雇われた。 「天皇の金塊」すなわち、日本軍が東アジア全域から命懸けで集めさせられた財宝や希少金属である「金の百合」の存在も、近年の報道が説得力を持たせている。1994年10月9日付の『ニューヨーク・タイムズ』は、CIAの前身OSSの退役者からなるドーマン・グループが旧日本軍の退蔵したタングステンの売却代金で日本政界を操ってきたとする記事を載せた。沖縄の「買い取り」と日本の驚異的な経済成長にこの資金が役割を果たしたとする同書の指摘と一致する。 結社の支配鉄則は、「分割闘争管理方式」である。これは1899年に始まった南アフリカのボーア戦争で得られた教訓で、日露戦争で効果が証明されたという。敵対する双方に戦費を融資し、犠牲は部外者に負わせるというやり方だ。後書きに、次のベラスコの言葉が紹介されている。 「つかみどころのない形而上の存在にすぎない“国家”なるカタチを、戦争の真犯人呼ばわりしてどうする。世間には実益にめざといもっと、利口な生き物たちが隠れている。私益を国益だと人々に思い込ませることに長(た)けたそうした生き者たちこそが、戦争の真犯人なのだ」 これこそ、著者の一番言いたかった世界観ではあるまいか。 著者の高橋氏には、講演会でお目に掛かったことがある。驚きの真実を知りながら、怒ったふうでもなく、やかましくもない。世間には、これだけの事実が明かされてもなお自らを反省し、「陰謀論」と一蹴する人であふれている。あるいは戦犯を責めたり、せいぜい一部の勇気ある保守論客が米国のせいにする程度。彼らを「おめでたい人たち」と穏やかに受け流した氏の態度に、共感を覚えた。【了】 ■関連記事 関連情報 ワールド・フォーラム経済レポート
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