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日本は多くの面でベルリンの壁崩壊後のヨーロッパの道筋をたどり始めたといえる。ワシントンから独立した方向を目指し始めた
http://www.asyura2.com/09/warb2/msg/855.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 2 月 13 日 13:09:01: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu209.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本は多くの面でベルリンの壁崩壊後のヨーロッパの道筋をたどり
始めたといえる。ワシントンから独立した方向を目指し始めた。

2010年2月13日 土曜日

◆カプチャンとアイケンベリーの「新日米関係論」 2月13日 地政学を英国で学ぶ
http://geopoli.exblog.jp/12832233/

●今週で日米同盟は50周年を迎えるが、オバマ政権はこれを嘆くべきか祝うべきか本気で迷っているように見える。

●たしかにアメリカの政府関係者たちは鳩山新政権の自立的で自己主張の強い政策に対して不満を表明しており、ゲイツ国防長官などは沖縄の米軍基地の移設問題に関して「非生産的だ」と発言しており、現在以外の提案は「政治的にも実現/実行不可能だ」と言っている。

●ところが去年11月の日本訪問の時、オバマ大統領は日米関係は「対等」で「上下的な関係ではない」と発言しており、国務省副長官のジェームス・スタインバーグも先週に「これは日本の活気に満ちた民主制のあらわれであり、将来の同盟関係を形成するためのオープンな話し合いをするチャンスだ」として歓迎している。

●もちろんアメリカ側の迷いはわかるが、オバマ政権は鳩山新政権の新しいアプローチを歓迎するべきだ。

●東京政府は戦後を通じてアメリカという保護者に常に任せっきりであったため、アメリカ側の日本政府の積極的な外交政策に対する冷たい反応はたしかに予測できるものだが、それでもこのような反応は本当に間違っている。

●沖縄の米軍基地について疑問を呈したり、アメリカの仲介なしに中国との関係を強化しようとしても、鳩山政権は日米同盟を格下げしようとしているわけではない。むしろ事実はその反対で、鳩山政権はこの地域の新しい政治的/戦略的な環境に対して同盟関係をアップデートしようとしているのだ。

●アメリカ政府は鳩山政権に元の関係に戻るように警告するよりも、新政権と協力して、より健全で成熟した関係を築くようにすべきだ。

●去年の選挙による民主党の政権交代は戦後の自民党の支配状態を終わらせたという意味で日本の政治史にとって大きな節目となったのであり、これは長年貯まっていた圧力を表面化させることになった。多くの選挙民は、日本が地政学的な責任を負って日本政府が対外政策をつくる、いわゆる「普通の国」になることを望んでいたのだ。

●鳩山首相は日本国民が気にしていた、米軍基地が地域にもたらした社会的な混乱を解決すると公約していたのであり、対外政策においては現状維持を望む政府官僚から、政治家に権力を取り戻すことを誓ったのだ。

●日米同盟が神聖的な位置にあった日本の年配の世代にとっては、このような現状維持というのはかなり望ましいものであった。ところが若い世代はこれに対して厳しい疑問を投げかけ始めたのであり、鳩山氏はこれに答え始めようとしているのだ。

●また、日本政府が自立的な対外政策を探り始めたのは、この周辺地域の戦略的環境が変化したことにも一因がある。

●中国の勃興がそれであり、中国は日本にとって最大の輸出先になっている。中国政府側もこの地域における取り組みにメリットがあることを自覚しはじめており、日本と新たなレベルでの対話をはじめている。

●同時に北朝鮮の核計画は新たな地域対話の必要性を浮き上がらせてきたのであり、これによって日本はアメリカのパワーの陰から出て動き始めなければならなくなってきたのだ。

●日本は多くの面でベルリンの壁崩壊後のヨーロッパの道筋をたどり始めたといえる。冷戦の終結とともにEUは地域統合のペースを早め、ワシントンから独立した方向を目指し始めた。

●たとえば2003年のイラク戦争開始の前にはドイツとフランスが批判の急先鋒となっているが、それでも米欧関係は強まったのだ。

●ヨーロッパはもうアメリカのパワーが強すぎることについて不満を言わなくなっているし、アメリカも独立的なヨーロッパのおかげで、たとえばアフガニスタン派兵の負担を負ってもらったり、気候変動に対する働きかけ、そしてグローバル経済の安定化などで役割を果たしてもらっており、得をしている。

●日本にもこれと同じような同盟関係のアップデートが必要である。つまりワシントンと距離は置きながら、それでも結果的にはその関係を強化して成熟したものにするのだ。日本は平和維持活動や対外支援、そしてクリーンエネルギー関連の技術で地域のリーダーになる可能性を持っている。

●日本と中国の二国関係がさらに深まれば、この二国は戦後のフランスとドイツのように関係改善をするチャンスをえることができるかも知れない。またヨーロッパが自律的な地域平和を確立したように、日本もアメリカとの同盟で生まれる余裕によって、日中関係の和解と地域の統合を進めるべきなのだ。

●さらに自己主張のある独立的な日本は、ワシントンにただ従っている日本よりも、東アジアとアメリカについてより良い効果を与えるはずだ。日米はいまこそ同盟関係を21世紀につなげていくべきである。


(私のコメント)
アメリカの極東戦略は、中国を重視して日本その他のアジア諸国を軽視する外交戦略で来ている。ましてや親中派のオバマ大統領とクリントン国務長官が仕切る政権では政策は明らかだ。極東の軍事バランスは中国の軍拡で極東に限ればアメリカも対抗できなくなってきている。

しかしこのような中国重視外交で、アメリカの期待通りに中国は動いてはくれないだろう。むしろますます付け上がってきて逆にアメリカを振り回すようになって行く。日本はこのようなアメリカ外交を見て、アメリカから距離を置きだして中国に接近する政策をとるようになって来た。この事はアメリカも計算外だった事かもしれない。

普天間基地問題で、どっちみちグアムへ移転させる海兵隊基地を閉鎖しても問題はないはずだからだ。海兵隊をグアムに移転させるのは、沖縄では中国に近すぎてミサイル攻撃に耐えられないからですが、日本に対する基地利権は確保しておきたいという事だろう。毎年の日本からの思いやり予算は米軍の利権になっている。

アメリカの対中戦略は、様々な勢力によって異なるから、政権内の主導権争いでも違ってくる。ブッシュ政権でも初期の対中政策と後半の対中政策では大きく違ってきた。オバマ大統領の対中政策も融和的な政策から、台湾への武器売却などを認めるなどと変化を見せていますが、単なる外交的揺さぶりなのだろうか?

オバマ政権の対中政策の変更は、オバマ大統領の訪中や、COP15などの国際会議で見せた中国の傲慢な態度で変化したのだろうか? あるいは日本がアメリカに対して普天間基地問題などでアメリカに反抗し始めた事による日本への警告なのだろうか? 沖縄から海兵隊がいなくなれば一番喜ぶのは中国だろう。アメリカは戦わずして兵を退いた事になる。

アメリカの対中融和政策は、日本の親中派を勢いづかせるものであり、逆にアメリカが対中強硬政策をとれば日本も小泉内閣のような強硬派が出てくる。オバマ政権が対中融和政策をとれば沖縄の普天間基地問題も出てきますが、対中強硬政策に出れば沖縄の普天間基地問題もすんなり辺野古に移転で決まりだろう。

中国が柔軟な外交政策が取れればいいのですが、中国国内でも強硬派が力を持ち始めているから、アメリカとの協調外交を喜ばない勢力があり、時々それが暴走してしまう。グーグルと中国政府とのゴタゴタも、柔軟に対応すれば問題にならないのですが、米中間のサイバー戦争は真っ盛りだ。やがては経済制裁合戦になって行くのでしょうが、米中双方の腹の探りあいはしばらく続くだろう。

日本の外交戦略は米中間の関係を分断する事であり、米中のG2体制は日本や韓国や台湾にとっては脅威になってきた。特に台湾は中国からの脅威をまともに受けているから、G2が続けば平和裏に中国に併合される恐れがある。日本にとっては台湾が中国の勢力下に入れば太平洋航路が脅威に晒される。海洋国家であるアメリカにとっても脅威のはずだ。

訳が分からないのはアメリカの親中派であり、オバマやクリントンもその一員なのですが、共産党の独裁国家と手を組む事はアメリカの利益になるのだろうか? 確かに中国と言う経済市場は大きな魅力ですが、中国と手を組めば日本や他のアジア諸国が危機感を持つだろう。特に日本がアメリカとの距離をとり始めて中国に接近すればどうなるか、アメリカの親中派は考えていなかったのだろうか?

アメリカにとって日中が手を組む事は悪夢であり、東アジア共同体からアメリカが爪弾きされるのは目に見えている。日中がアメリカに対して持つ米国債やドル資産の残高はアメリカにとっても脅威のはずだ。日中の経済関係はますます深まってきており、日中間の貿易は日米間の貿易を上回るようになった。だから経済的にも日本がアメリカ離れをして中国との接近は流れからして当然なのです。

アメリカ政府は急遽、台湾への武器輸出を認めましたが、予想どうりに中国は強硬な抗議をしている。台湾を守るにはアメリカ一国では困難になりつつあります。空母機動部隊も中国のミサイル攻撃には打つ手がない。しかし日本が集団的自衛権を認めて台湾防衛に参加するのなら形勢は逆転する。「日本海軍や空軍」が中国海軍の行動を封じ込めれば台湾への補給は続けられない。

普天間基地問題は台湾や韓国などにも大きな影響を与える問題だ。アメリカは日本よりも中国を重視して外交を行なってきましたが、日本に反米政権ができて状況は一気に変わりつつあります。民主党政権は徐々にアメリカとの距離を置きアジア重視の政策をとりつつある。90年代から続いたジャパンバッシングは、反米の民主党政権誕生に大きく貢献した。(2月3日株式日記再掲)


(本日の私のコメント)
本日は「地政学を英国で学ぶ」のブログからカプチャンとアイケンベリーの意見記事を紹介します。アメリカの外交戦略もいろいろな意見があり、アメリカ政府自身の外交も猫の目のように変わる。しかし日本からではNYタイムズを読む人も少ないし、アメリカ政府要人とのコネもある人も少ない。日米同盟といいながら人間関係で見るとこれほど関係の薄い二国間関係はあるだろうか?

オバマ大統領の演説にも日本が出てくることは希になり、東京で演説した内容は中国向けの演説だった。クリントン国務長官の外交論文にも日本はほとんど出てこず、中国重視の外交論文だった。しかし日本の米軍基地の存在がなければアメリカの世界戦略や対中国外交はなり立たないと「株式日記」では書いてきた。

だから、鳩山政権の沖縄普天間基地見直しでアメリカを揺さぶるのは日本にとって適切なアメリカへの警告になった。普天間基地問題で日本の国民世論が日本に米軍基地は要らないと言う流れになれば、日本にある100ヶ所前後の米軍基地がなくなる。東京周辺にある横田、厚木、相模原、横須賀などの米軍基地が無くなるだけでも、アメリカから受ける外交的圧力はかなり無くなるだろう。

日本に米軍基地があったところで、北方領土問題や竹島問題で役に立っているでしょうか? 日本の領土が侵されているのに在日米軍は何もしていない。つまり在日米軍基地は日本を守る為にあるのではなく、日本を占領し続ける為に存在している。フィリピンに出来た事がどうして日本は出来ないのだろうか?

日本政府といいながら、実態はアメリカの代理統治機関でしかない。それが直ぐには見えないようにカモフラージュされているのですが、自衛隊にしても田母神航空幕僚長罷免に見るように、日本には国軍と言うものが無く、アメリカ軍の下部組織としての軍隊があるだけだ。兵器体系にしてもアメリカからの情報が無ければ動かない軍艦や飛行機ばかりだ。

アメリカがいつまでも日本に対して友好的でない事はG2戦略を中国に呼びかけたことからも明らかだ。潜在的敵国である中国をアメリカは90年代から支援して来た。90年代においては日本経済がアメリカにとって脅威だったから米中同盟で日本を封じ込めに来た。その政策が今でも続いている。軍事の世界とは別に経済の世界ではマネーが実弾となって飛びかっている世界だ。

日本の円は、円高で輸出しても手取りは減る一方だ。輸入ならそれだけ安く買えると言う事ですが、日本人が直接買い物に行く事はめったに無い。だからアメリカにしても中国にしても自国の通貨を安くする事で輸出で景気を回復させようとしている。米中の通貨が安くなり円が高くなっているのは、米中経済同盟に封じ込まれているからだ。

カプチャンとアイケンベリーの意見記事はアメリカ政府の意見ではない。アメリカは日本に対してもっと冷静になろうよと言っているように見える。オバマにしてもクリントンにしても日本を軽視する事で中国に媚びてきた。しかし中国はアメリカの言う通りにはならない。さらにアメリカがジャパンバッシングを続ければ日本は中国に吹き寄せられて行くだろう。

昨日書いたように、アメリカは例によってトヨタバッシングを続けていますが、もはや90年代とは異なり日本はアメリカに従順ではなくなってきている。日本は、17世紀はオランダと関係を結び、19世紀はイギリスと同盟し、20世紀はアメリカと同盟を結んだ。つまり日本と同盟した国が世界の覇権国となってきたのですが、日米同盟が失われた時にアメリカは覇権国ではなくなるだろう。日本無しには太平洋を支配することが出来ないからだ。

 

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