【1月30日 AFP】ロシアの航空機メーカー、スホイ(Sukhoi)は29日、ロシア東部のコムソモリスク・ナ・アムーレ(Komsomolsk-na-Amur)で、開発中の第5世代ジェット戦闘機「スホイPAK FA(Sukhoi PAK FA)」初の試験飛行を行った。 スホイは、47分間の飛行で機体の全システムをテストし、試験飛行は成功したと発表した。この航空機が公開されたのは初めて。これまではロシア国営テレビも想像図しか伝えていなかった。 試験飛行を終えたパイロットのセルゲイ・ボグダン(Sergei Bogdan)氏は、飛行の全過程で同機は良好な性能を示し、操縦も容易で快適だったと語った。 ■第5世代戦闘機 インタファクス通信(Interfax)によると、スホイPAK FAは長時間の超音速飛行が可能で、同時に複数の目標を攻撃でき、短い滑走路で離着陸できる。敵のレーダーに捉えられにくい上、衛星と僚機からの情報を総合して活用するという現代戦に必須の能力も備えている。 開発にはロシアと軍事面で関係が深いインドも参加している。インドはロシアと知的財産権について取り決めを結んだ上で、複座型のスホイPAK FAを開発する予定だ。 第5世代ジェット戦闘機は米国がF35ライトニングII(Lightning II)開発中で中国も開発に取り組んでいるが、現在のところ実用化しているのは米国のF22ラプター(Raptor)だけだ。 ■軍装備の刷新に前進か ロシア軍は旧ソ連時代の装備が多く、老朽化した航空機などの事故も多発している。スホイPAK FAの初飛行の成功は、装備の刷新を進めているロシア軍にとって大きな前進だ。 ウラジーミル・プーチン( Vladimir Putin)首相は同機の初飛行を称賛し、2013年に配備を始め、2015年から量産すると述べた。 元ロシア空軍司令官のアナトリー・コルヌコフ(Anatoly Kornukov)氏は「この航空機が必要なことは確かだ。わが国のSu27やMiG29は優秀な戦闘機だが、就役から20年以上が過ぎており、そろそろ後継機種があってもよい頃だ」と語る。また「私はF22に乗ったこともあるが、新型機がF22に劣ることはないだろう」という。 一方、リベラルな論調で知られるロシア紙独立新聞(Nezavisimaya Gazeta)は、試作機は従来からあるエンジンを積んだ試作機にすぎず、今後どのような武器を積むのかも分からないとして慎重な見方を示した。(c)AFP/Stuart Williams
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