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次期輸送機が初飛行、C-Xは、ボーイング767と略同じ程度の大きさの機体であり、戦後、日本が開発した航空機としては最大 http://www.asyura2.com/09/warb2/msg/637.html
株式日記と経済展望 2010年1月28日 木曜日 防衛省発表画像による航空自衛隊次期輸送機「XC-2」の試作1号機
防衛省の航空自衛隊次期輸送機(CX)開発計画で、メーカーの川崎重工業は26日午前、岐阜県各務原市の空自岐阜基地で試作機の初めての飛行試験を行った。 CXは老朽化する現在の主力輸送機C1の後継機で、有事対応や自衛隊の本来任務となった国際平和協力などの海外派遣も想定。全長、全幅ともC1の1・5倍の44メートルと国内開発の航空機としては最大級で、搭載量、航続距離も3〜4倍となる。試作機の型式は「XC2」。午前10時20分ごろに離陸。1時間余りの飛行を終え、防衛省は「試験結果は良好」と発表した。 CXの開発は2001年度に開始。強度不足などで初飛行は2年遅れた。同社は本年度中に試作機を納入し防衛省が飛行試験を重ねる見通し。 写真は新型軍用輸送機A400M
【ロンドン会川晴之】欧州諸国が共同開発し、アフガニスタンへの輸送に運用を予定する大型軍用輸送機A400Mの開発計画が存続の危機に陥っている。開発費が高騰したため、製造・開発を担当するエアバスが欧州諸国に今月末を期限に追加出資を求めている。だが、最大の発注国ドイツは追加負担に難色を示すなど、交渉は難航している。 A400Mは、欧州最大の軍用機開発計画。欧州航空機大手のエアバスの子会社エアバス・ミリタリーが設計・製造を担当、ドイツの60機を最高に、トルコを含む欧州7カ国とマレーシアが184機を発注している。当初は09年に完成予定だったが、度重なる設計変更により計画は大幅に遅延。昨年12月にようやく初飛行にこぎつけた。初号機の引き渡しは「12年末のフランス空軍向け」(エアバス)となる見通しだ。 当初は200億ユーロ(約2兆6000億円)と見積もっていた開発費も、遅延により高騰し、エアバスは今年に入り約50億ユーロの追加負担を発注元である英仏独など欧州7カ国に要請したが、ドイツは強い難色を示した。エアバスと7カ国は21〜22日のベルリンでの協議に続き、26日もベルリンで再協議に臨むなど断続的に交渉を続け、妥協の余地を探っている。 開発遅延に伴い、英国は米国製のC17輸送機5機を代替機として既に購入したほか、8機を発注していた南アフリカは昨年、キャンセルを通知するなど影響が出ており、交渉がまとまらない場合、開発計画が断念に追い込まれる可能性もある。 A400Mの製造・開発は、欧州各国で8000人〜1万人の雇用を生んでいることから、英仏スペインはエアバスの提案を受け入れる方向だ。 ◆意外に頑張っている日本の航空産業−CXプロジェクト 2006年10月29日 環球閑話時事の徒然 一番上の比較図を見れば判りますが、C-XとA400Mは略同じ大きさの機体です。C-Xがジェットエンジン、A400Mはターボプロップと言う違いはありますが、長距離、高速というコンセプトは良く似ています。とは言え、C-Xの売りは、民間定期航空と同一路線を同じ速度で飛べるという点で、高速性により力点が置かれています。 開発スケジュールを比較すると、プロジェクトが正式スタートしてから初飛行まででC-Xが6年半、A400Mは5年と、機体とエンジン両方を開発するにしては、A400Mの方が意欲的なスケジュールとなっています。 ただ、実際には、アエロスパシアル、ブリティッシュ・エアロスペース、ロッキード、MBBが、C-130とC-160の代替機の協同研究をスタートしたのが、1982年。その後、ロッキードがC-130Jを開発決定した為、脱退し、アエリタリアとCASAが参加する事で、欧州連合の協同開発プロジェクトとなりました。その後、1997年には、欧州各国がRFP(要求仕様)を出し開発の受け皿になるエアバス・ミリタリー社が設立されたのが、1999年。実際にプロジェクトが正式キックオフしたのが、2003年5月と協同研究がスタートしてから何と20年を要しているのです。この間、英国は、繋ぎの輸送機として高価なC-17を米国からリースする破目に陥りました。 何でここまで、プロジェクトスタートが遅れたかと言えば、機体の生産分担で揉めに揉めた事によるものです。結局、各国の購入機数を元に生産分担を決め、最終組み立てはスペインに新工場を作るのに落ち着くのに時間がかかったという訳です。 もともと、タイトなスケジュールだったのですが、やはりというべきか、引用した記事の様に2年程度の遅れが顕在化してきました。コスト的にも一機200億円を超える可能性が高くなってきました。当初は1億ユーロで始まりましたが、それが1.5億ユーロ近くまで跳ね上がっています。開発遅延になると更に価格が高騰する可能性があります。 これに較べれば、C-Xは、比較的順調にプロジェクトが進んでいます。あまり指摘される事がありませんが、C-Xは、ボーイング767と略同じ程度の大きさの機体であり、戦後、日本が開発した航空機としては最大のサイズという事になります。同時に進んでいるP-Xはボーイング737と略同じという訳で、ボーイング737と767を同時開発している様なものです。それでも、スケジュール面でも開発費用面でもオーバーするという話は聞こえてきません。同時開発する事のメリットはいくつもあるのですが、それでも同時にやる難しさはある訳で、両機の開発プライムである川崎重工のプロジェクト管理が余程しっかりしているのと、ボーイング機の協同開発で、日本のメーカーの間で、協同生産に関する基礎が出来ていたのがプロジェクト成功の要素として非常に大きいと思われます。 C-Xは既に、全機静強度試験用01号が防衛庁に納入され、飛行試験用1号機も写真の様に製作が進んできています。価格も120億円程度という予想が出ており、国際的にも競争力のある機体に仕上がってきています。勿論、日本は武器の輸出に制限があるのですが軍民で共用が可能な輸送機なのですから、輸出を可能としても良い様に思われます。川崎重工でも、C-Xの民間用を不定形物資輸送用に提案しています。折角開発したのですから、防衛庁用の40機で終わらせるのは、本当に勿体無いと感じる処です。 (私のコメント) 政治に比べれば経済は世界一流と以前は言っていましたが、バブル崩壊後の日本経済を見ると日本の経済人も、金融などに弱さが目立ちます。政治家や経済人のレベルの低さに比べると技術者のレベルは世界一のレベルであり、日本でしか出来ないものが沢山あります。 日本の製造業は世界一のレベルですが、軍需産業においては、様々な制約があって遅れてしまった。特に航空機産業は戦後の空白期が長かった為に、決定的に遅れてしまった。日本の産業構造もアジア諸国の台頭によって、レベルアップを図っていかなければなりませんが、家電や軽工業品などの生産は新興国に任せて日本は軍需兵器などの輸出にも乗り出すべきだろう。 航空機も日本が本気になって作れば、ボーイングやエアバスなども真っ青な航空機が作れるはずだ。しかし本格的なジェット戦闘機を作ろうとしてもアメリカが様々な圧力を加えてくるので作るに作れない。F2にしてもどこから見てもF16なのですが、アメリカが共同開発というかたちで干渉して来たからだ。 しかしアメリカはF22を日本に売らないと言う決定を下した事で、老朽化したF4の後継機が決まらない。日本のような工業大国が外国から兵器を買うこと事態がおかしな事ですが、航空宇宙産業は技術の積み重ねがなければ開発していく事が出来ない。特に航空機のような大型プロジェクトは5年から10年もかかるから、自主独立路線を決めても軌道に乗るのは5年から10年もかかる。 次期軍用輸送機も日本とEUとで開発が進んでいますが、日本とEUとの航空機産業の技術レベルがよく分かります。日本のXC2はアメリカ製のジェットエンジンを使い、EUのA400Mはエンジンも新開発で違いますが、A400Mが問題山積なのに比べて、XC2は2年程度の遅れで初飛行している。 XC2が二年遅れたのは一部のリベット(米国製輸入品)が、所要の強度を有していないためで遅れてしまった。トヨタの欠陥車もアメリカ製の部品の欠陥で販売停止まで追い込められてしまいましたが、アメリカの製造業の衰退は航空宇宙産業にまで及んできているようだ。リベットのような部品まで欠陥商品を作るようではトヨタのアメリカ製アクセルベダルも欠陥品でも仕方がないのだろう。 自動車などは約3万点の部品を使いますが、航空機は一桁多い部品を使います。その中の一つでも欠陥部品があれば重大事故の原因になるから、工業レベルが落ちた国の自動車や航空機は安くても売れなくなります。F15も日本でライセンス生産していますが、75%が日本製の部品を使っている。だから自衛隊のパイロットは日本製のF15に乗りたがる。 EUのA400Mの開発の難航は、参加各国に実質的な被害をもたらしていますが、エアバス社という大航空機メーカーでも次世代大型輸送機の開発は難しい。それに対して川崎重工が一度に二つの大型機の開発に取り掛かっているのだから、できるのかなと心配になりますが、初飛行までたどり着けたのだから驚きます。 アメリカにはC17という大型輸送機がありますが、イギリスやフランスまでもがA400Mの開発の遅れでリースで使うようです。しかし機体が大きいので高価で日本などでも使い勝手が悪そうだ。軍用輸送機ともなると滑走路も短距離の離着陸が求められるし、戦車などの大型のものも運べなければならない。 だからXC2の開発が成功したら、民間用に転用して世界に売りに出せばいいだろう。マレーシアなどもA400Mを184機も購入予定だから、開発が遅れればXC2を売ればいけるのではないかと思う。ボーイング767では大型の荷物を運ぶ事は出来ませんがXC2なら運ぶ事ができる。一番の売りは旅客機並みの高度と速度で飛ぶことが出来る事です。 ハイチ等の大災害があってもCX2なら旅客機並みのスピードで駆けつけることが出来るようになる。12トンの荷物を積んで8900キロ(空荷なら10000キロ)も飛べるのだから、アメリカの西海岸まで8000キロだからロスで給油すれば一気にハイチまで行ける。さまに戦略的多用途機でもあるのですが、テレビなどで大きく報道されないのはアメリカがうるさいからだろう。 以前にも22DDHの護衛艦を紹介しましたが、日本は着々と自主防衛体制を整えてきている。国際貢献もあちこちから求められるようになり、多目的空母やXC2のような多目的大型輸送機が求められている。そのような物をあっさりと日本は作ってしまうのだから大したものです。
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