「日米合意」破るのはアメリカGoogleCache 2009年12月11日10時00分 / 提供:ゲンダイネット ゲンダイネット ●鳩山内閣は深刻になる必要などない 米軍・普天間基地の移設問題は、鳩山政権のモタつきだけがクローズアップされているが、実は米政府と米軍も誤算が生じて大揺れだ。 4日、ルース駐日大使が岡田外相と北沢防衛相に対し、顔を真っ赤にして「本国が怒っている」と鳩山内閣の“迷走”に激怒したと日本の大新聞は報じた。だが、迷走しているのはアメリカも同じなのだ。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏がこう言う。 「この1年くらいで、沖縄の在日米軍の事情は大きく変わってきています。日米合意では、沖縄の海兵隊8000人が5年後にグアムに移転することになっている。ところが実際に移転の青写真を検討してみると、グアムでは狭すぎ、絶対必要な射撃演習場を建設できないことが分かったのです。その点、沖縄はスペースが十分、生活環境も申し分ない。それで海兵隊は沖縄から離れたくなくなった。米議会上院が、海兵隊の移転費用6割以上を削った予算しか承認しなかったのも、そんな背景があるのです。鳩山政権がモタついているから米国がヘソを曲げたという日本の新聞の見方は間違いで、むしろ、米国は鳩山政権の混乱に乗じて海兵隊移転まで白紙に戻し、本音は沖縄に居座りたいのです」 そういえば、岡田外相に激怒したルース駐日大使は「このままだと普天間は固定する」と吠えていた。日本側が混乱して米軍基地再編問題が進まない方がプラスと考えているのかもしれない。 日本の大新聞は連日、「米国が怒っている」「日米合意を破ったら大変なことになる」と鳩山内閣を追い詰めているが、破ったところで、おあいこ。そのうち米国側も日米合意をチャラにしてくる可能性が大なのだ。 (日刊ゲンダイ2009年12月8日掲載) |