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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu205.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ノーベル賞委員会は授賞で米国を変えようとしたのだろうが、逆に米国
の正当化に利用された。演説は時々ブッシュ発言のように聞こえた。
2009年12月14日 月曜日
アメリカの行うアフガン戦争はテロと戦う「正しい戦争」
◆ノーベル平和賞:「戦争容認」オバマ米大統領受賞演説 共和党は絶賛、欧州に失望感 12月12日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/world/news/20091212ddm007030003000c.html
◇「ブッシュ前大統領の発言のように聞こえた」
オバマ米大統領が10日に行ったノーベル平和賞受賞演説が波紋を広げている。平和のための戦争を容認する演説に、アフガニスタン・イラク戦争を開始した政敵・米共和党の関係者から支持が寄せられる一方、大統領の「平和路線」に期待した欧州から失望の声が出るなど「ねじれ」が見られる。また演説は部分的にブッシュ前米大統領の「戦争観」を連想させる場面もあるなど異例のものだった。【オスロ笠原敏彦、ニューデリー栗田慎一、北米総局】
米軍の最高司令官として「戦争と平和」を語った演説は、和平や非暴力、人権など高い理想をテーマにすることが多い過去の受賞演説に比べ「現実重視」の異例の内容だった。
大統領は今月1日に米軍3万人増派を決定したばかりのアフガンでの戦争の「正当性」を主張する文脈の中で「誤解してはいけない。世界に悪は存在する」と強調。また「国家指導者として、自国防衛に必要なら単独で行動する権利を温存する」とも発言した。
「悪」や「単独で」という単語は、ブッシュ前大統領が北朝鮮とイラン、イラクを「悪の枢軸」と非難したことや、前政権の単独行動主義を連想させかねず、聴衆にも違和感を残したようだ。
授賞式を取材したノルウェーの経済紙ダーゲンス・ナーリングスリーブのシェーティル・ビースワン記者は「演説は時々ブッシュ発言のように聞こえた。戦争や暴力を否定する過去の受賞演説とはかなり異なる演説だった」と指摘する。演説は平和志向の政治家と、米軍の最高司令官という相反する立場の中で、司令官としての「責任」をより強く打ち出したように見える。
米国内では、共和党副大統領候補だったサラ・ペイリン前アラスカ州知事が米紙に「彼が話したことは気に入った」と語った。また、共和党のギングリッチ元下院議長はラジオ番組で「彼は受賞を、世界に悪があるという大事なことを思い起こさせる機会として使った。歴史的な演説だ」と絶賛した。
一方、ドイツの有力誌シュピーゲル(電子版)は「誤った時期の誤った賞」と批判。保守系紙ウェルトも「素朴な平和主義へのノーだ」と分析した。
◇アフガンやパキスタン、嫌悪感
アフガンや米軍の無人機によるミサイル攻撃が増えているパキスタンでは、演説に嫌悪感が高まっている。
アフガン人の治安専門家ホロミルン氏は「平和を盾に武力行使を正当化した論理は、ヒトラーら20世紀の戦争指導者と同じ。その事実から世界の目をそらすのがうまいだけ」と指摘した。
アフガン内務省高官は「ノーベル賞委員会は授賞で米国を変えようとしたのだろうが、逆に米国の正当化に利用された」と失望感を隠さなかった。
一方、パキスタンでは11日、各地で学生らによるオバマ氏の演説に対する抗議デモが多発。地元テレビによると、学生らは「オバマはブッシュと同じ」「戦争という暴力が世界にテロを拡散している」と訴えた。
◆さらばアメリカ−オバマの矛盾 12月12日 FPのひとりごと
http://samidare.jp/tnw/note?p=log&lid=163131
オバマのノーベル賞受賞演説が波紋を呼んでいる
アフガンでの戦闘を“正しい戦争”と表明したことにだ
“核兵器なき世界”を目標に掲げての国際外交が評価されて受賞したのに
戦争の最終手段は指弾しておいて“核兵器なき戦争”を肯定するとは
フルコンタクトは空手に非ずして “寸止め”や“防具付”のみを
正当な空手として認める的な?本末転倒の自己防衛の理屈と変わらない
(かなりマニアックな比喩で申し訳ない・・)
そういうふうにとられても仕方のないようなことを言っている
熱烈な支持者であったマイケル・ムーア監督が落胆するのもしかたない
核兵器を開発し大量保有し 唯一使用した加害国アメリカ
その国の代表が核兵器なき世界を標榜したのは画期的なことであった
世界中の平和を希求する人々に大きな夢と希望を与えてくれた
あの時点での平和賞受賞決定は 妥当であったと思う 私は
でも いかんせんあれは『先付け小切手』であった
要するに あの時点では紙切れで 将来の履行を見越して発行された小切手
先付け小切手に商取引上の金銭的価値がないように
あの発言で 彼の受賞はまったく意味を失ってしまった
彼は“正しい戦争”と言ったが
戦争に“正しい”も“正しくない”もないのは歴史が証明している
戦争は どんな理屈をつけても大量殺人行為だ
世界の平和と最も離反し それを否定する行為であることは言うまでもない
アフガンは傀儡政府が不安定でタリバンが勢力を拡大しアルカイダも暗躍
政情が混沌としていて不安定そのものなのはまちがいない
でも3万人の兵力増強で解決できるとでも思っているのだろうか
仮に増派による戦闘でタリバンとアルカイダを殲滅できたとしても
反米感情の蓄積と連鎖は また新たな“テロ組織”を生み出す
どこかで手を引かなければ 憎悪の連鎖は止まらない 絶対
“テロとの戦い”と言えば聞こえはいいが
相手は“テロ的な”戦い方しか手段をもたない武力組織
お互いに自分達の正義の下に戦っている
別に“テロ組織”を擁護するつもりはないが
すくなくともアメリカにだけ正義があるわけではない 公平に見て
オバマがこのままアフガンにのめっていけば
ベトナム戦争の再来が危惧される
あの時 アメリカは大きな代償とともに学んだのではないのか
戦争の 空しさ あほらしさ 無意味さ 罪深さ
そして 正義などどこにもなかったことを・・
オバマよ あなたに希望を託した世界中の平和を愛する人々に
深い失望を与えないでくれ
まだ少し残っている希望の火を消さないでくれ お願いだから
(私のコメント)
昨日も紹介したオバマ大統領の漫画はその印象を端的に表している。今日の漫画にもそのイメージを表したものですが、オバマ大統領の立場の弱さを現している。まるでブッシュ大統領の魂がオバマ大統領に乗り移ったかのような演説でしたが、欧米の新聞各紙はオバマ大統領の演説を絶賛している。日本も欧米もマスコミの記事は世論操作の道具でしかないのですが、日本や欧米の大衆も新聞記事を正しいと受け止めるだろう。
しかし、アメリカが行なっている戦争は「正しい戦争」だと言わんばかりの演説はノーベル平和賞委員会へのアメリカの挑戦状だろう。オバマ大統領は確かに演説の名手ですが、ノーベル平和賞の受賞演説には聴衆はブーイングをすべきだった。ノルウェーの国民は大抵英語が分かるから言っている意味は分かったのでしょうが、卵を投げつけられる事はなかった。
アメリカの世論調査でも66%が受賞に批判的であり欧米の新聞記事の論調は明らかにおかしい。戦争に「正しい戦争」と「悪い戦争」とにはっきりと分けられるものではない。要するに勝った国にとっては「正しい戦争」であり負けた国は「悪い戦争」だったから負けたのだ。ノーベル賞委員会はアメリカの大統領に次々とノーベル平和賞を与えているがどういうつもりなのだろう。
アメリカは戦争に勝ち続けてきたから神に祝福されるべき国家と驕り高ぶっているのでしょうが、いつかは辺境の小さな戦争に敗れる事でアメリカ帝国は滅び去るだろう。ベトナム戦争はアメリカの国力の限界を示した戦争でしたが、アフガン戦争もアレキサンダー大王が攻め込んだ所でもありますが、超大国の墓場だ。
国土のほとんどが険しい山岳地帯であり、ヨーロッパのスイスが中立国家でいられるのも険しい山岳地帯だからだ。ナチスドイツにしても南部の山岳地帯で抵抗すれば連合軍でも攻めあぐねただろう。原爆を投下しても山岳地帯では効果は限定される。戦車は入り込めないし山岳歩兵しか入り込めない。タリバンたちも山岳地帯の穴倉に閉じこもっていますが、超大型爆弾も効果が無い。
◆超大型爆弾 米が開発中 地下60メートルも破壊、威力10倍に 10月22日 東京新聞
http://blog.livedoor.jp/emi_sugawara/archives/51685440.html
米国防総省が、重量約十五トンの地下貫通型大型爆弾(MOP)の開発を急いでいる。
米軍が持つ通常兵器(非核兵器)の中では最大となり、従来型の約十倍の破壊力を持つとされる。
モレル国防総省報道官は今月七日の記者会見で「数カ月で配備可能」との見通しを強調。
米軍は、二〇〇三年のイラク戦争直前にも新型爆弾の実験を実施しており、米メディアで、
MOP開発とイランの核施設に対する攻撃計画との関連が取りざたされるなど、波紋を広げている。 (ワシントン・嶋田昭浩)
◆予算を優遇
米ABCテレビは六日、国防総省が、MOP開発を急ぐため他の事業から予算を振り向けるよう議会に了承を要請し、承認されたと報道した。
地下約六十メートルの施設への攻撃を想定して設計されたMOPについて、北朝鮮を担当する米太平洋軍と、イランを受け持つ中央軍が、
緊急配備の必要性を主張しているという。同テレビは特に、イランの核施設に対する攻撃に適した兵器だと指摘した。(後略)
(私のコメント)
この超大型爆弾は地下60メートルの施設も破壊できるのだそうですが、B52でも運べないほどの大型爆弾です。まさに気が狂ったとしか思えないような爆弾開発ですが、山岳地域に横穴を掘れば数百メートルの地下壕になるから効果が無い。トライバルエリアにバンカーバスターを投下しても効果が無くビンラディンは逃げてしまった。
圧倒的な破壊力を持つアメリカ軍に対しては硫黄島の戦いのように穴倉戦術しかないのですが、山岳地域に穴倉を掘られたら超大型爆弾も効果が無い。イスラエル軍がヒズボラに大損害を受けたのも穴倉戦術でイスラエル空軍の爆撃を無力化したからですが、アフガニスタンはソ連時代からの穴倉が縦横無尽に作られていてオマルもそこに逃げ込んでしまった。
アメリカはイラクやアフガンの戦争の負けを認めるわけにはいかないのであり、オバマ大統領といえどもノーベル平和賞授賞式でアフガン戦争を「正しい戦争」と言わざるを得なかった。しかし山岳地域の地下要塞は歩兵しか寄せ付けないしヘリコプターでさえRPGで打ち落とされる。オバマ大統領が3万の兵を増強しても逃げられてしまえば意味がない。そこで勝ったと称して撤退するつもりだろう。しかし抵抗してきたらどうするのだろうか?