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普通の高校生が、軽い気持ちで参加した実習だった。テーマは「独裁制」。生徒から指導者に選ばれた教師が提案したのは、指導者に「様」をつけるなどのいくつかのルールだけ。戸惑っていた生徒も自分の役割に夢中になる▼心地よい集団の一体感。暴走し始めた熱狂はやがて制御不能に陥る…。ドイツで昨年二百四十万人を集客、日本で公開中の映画「THE WAVE」は、一九六〇年代の米国の高校で実際にあった心理実験が基にある▼映画を見て、サリン量産プラントの建設にかかわった三十代のオウム真理教元幹部を思い出した。彼は同じ実験授業を題材にしたビデオを通じて、マインドコントロールの意味を理解できたと語っていた▼オウム事件を知らない若い世代が増える中、事件を象徴する元幹部にきょう最高裁で判決が言い渡される。元「諜報(ちょうほう)省」トップの井上嘉浩被告(39)。十六歳で入信、「天才的修行者」と教祖に持ち上げられた若者だ▼彼のように死刑判決を受けた元幹部の多くは、「自分探し」の中で教団に出会い、汚い現世に生きる人たちを救いたいという究極の「善意」から殺人まで犯したように見える▼罪を悔い、極刑を覚悟する彼らを、私たちとは別世界の特別な人たちと言い切れるのか。「鬼畜米英」を叫ぶ国民が、日米開戦を熱烈に支持してから、まだ七十年もたっていないのだ。
東京新聞 2009年12月10日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2009121002000099.html
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集団は暴走する。
個人の心の中にあった、嫌悪感・差別感情・敵対心などが
同じ感情をもつ集団となったときに、得体の知れないバケモノとなって暴走することがある。
集団の暴走を止められるのか?
国家の暴走を止められるのか?
賢い市民の厳しい監視が求められる。