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オバマ氏発言に被爆者は複雑 '09/11/14【中国新聞】
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200911140041.html
日米首脳会談を終えたオバマ米大統領が、被爆地訪問に触れながらも「短期的には予定がない」と述べたことや、核兵器廃絶は目指すものの「生きているうちには無理かもしれない」と発言したことに、広島の被爆者は複雑な心境を語った。
原爆資料館ピースボランティアの岡田恵美子さん(72)は「日米首脳が核軍縮について共同で会見すること自体が画期的。廃絶への明るい兆しを感じた」と評価する。
原爆投下の是非への質問に答えなかったことには「米国内には原爆を正当化する世論が根強く、大統領の立場では何もいえなかったのだろう」と推し量った。
「重要なのは『核なき世界』を目指すとしっかり言っている点」と強調するのは広島県被団協の坪井直理事長(84)。同時に「できるだけ早く、原爆慰霊碑の前で核兵器は二度と使わないと言ってもらいたい」と求める。
一方、もう一つの県被団協の金子一士理事長(84)は核抑止力の維持に触れた点を「どこまで本気で廃絶を考えているのか分からない」と懐疑的に受け止める。
「被爆地で、体全体で核兵器の残忍性を知らなければ分からない。
オバマ大統領に期待するのではなく、地道に廃絶への機運を盛り上げていくしかない」
元原爆資料館長の高橋昭博さん(78)も「核兵器廃絶に関する会談内容は薄かったようで残念」と話しながらも「時間的な制約もあるだろう。
大切なのは、この日連携を誓った日米が、今後どう行動をしていくかだ」と期待をつないでいる。