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「トンデモ本の世界W」の大沈没W(終わったね):第2部 そのB スーパー・テルミット、委員会報告書
これは次の拙稿の続きです。
http://www.asyura2.com/09/warb1/msg/323.html
「トンデモ本の世界W」の大沈没W(終わったね):第1部 藤田議員の本「トンデモ」規定について
http://www.asyura2.com/09/warb1/msg/334.html
「トンデモ本の世界W」の大沈没W(終ったね):第2部 その@ 真偽基準、93便、ペンタゴン
http://www.asyura2.com/09/warb1/msg/336.html
「トンデモ本の世界W」の大沈没W(終わったね):第2部 そのA WTCツインタワー、第7ビル
●「真偽」判断の大原則
【A-1】もしある説明が一つの事実と矛盾する場合、その説明は矛盾がなくなるまで修正されなければならない。その修正が為されたら、少なくとも「偽ではない」と判断できる。
【A-2】もし科学的な原則に照らして修正が不可能な場合、その説明は「真とはなりえない」として放棄され、あるいは少なくとも「凍結」されなければならない。
【A-3】もしある説明が、それと矛盾する事実を意図的に無視して、あるいは事実を捏造して「真である」と主張されるなら、その説明は「虚構である」と判断され、否定され放棄されなければならない。
「何が事実なのか」の判定について、
●映像資料で
【B-1@】一つの画像で捕らえられているある現象が、別の場所からの別のカメラによる映像でも明らかに確認できること、
【B-1A】それらの映像に記録される現象に矛盾が無く(ただし光の具合などによる色調の違いやカメラの性能による違いなどを除く)明らかに同一のもの、あるいは同種のもの、あるいは連続したものであると確認できること、
【B-1B】被写体が通常の手段で輸送や移動が可能であり、被写体捏造の可能性をゼロと断言できない場合、その実物が存在するか、あるいは映像と附合した正確な分析記録が存在すること。
●他のデータを含めて、
【B-2】事件とは無関係に作られた、建築や飛行機に関する資料やデータは、上記の映像資料と一致する、少なくとも矛盾しない範囲でのみ、「事実である」と判断する。
【B-3】アメリカの公的・私的機関がまとめた報告書、公表されたデータや文書資料、目撃者の証言に関しては、事実と判定できる映像資料と一致する、少なくとも矛盾しない範囲でのみ、「虚偽ではない」と判断する。
【B-4】映像資料、文書資料、証言、音声その他によるデータが、真偽の議論が進行して以後に公開された場合、それはすべて「疑わしいもの」とみなし、確実な事実とみなされる資料との比較・対照によって真偽を判断しなければならない。
【WTCの塵埃中に発見されたスーパー・サーマイト(テルミット)について】
●2009年4月に、インターネット科学論文誌The Open Chemical Physics Journalに、論文「Active Thermitic Material Discovered in Dust from the 9/11 World Trade Center Catastrophe(9.11世界貿易センター惨劇の粉塵から発見された活性度の高いテルミット剤:仮訳)」が掲載されたことはご存知のとおりです。ここには、アメリカで軍事用に開発された爆発物スーパー・テルミットがWTCの塵埃中に発見されたことが書かれてありますが、山本氏はこのスーパー・テルミットなるものについて「誰も見たことがない」とおっしゃっているようです。たしかに私も見たことがありません。また私は専門家なんかじゃありませんから、論文の内容自体についての当否をうんぬんできません。しかし、その論文を取り巻く状況や動きについては、私にも口を挟むことが可能でしょう。
この物質については、次の各資料によりますと、1990年代から、ロスアラモスやローレンス・リヴァーモアーなどの国立研究所で研究と開発が盛んに行われていたようです。(特に2番目の資料の後半に、関係機関から公表された数多くの資料とデータのリンクがあります。)
http://911research.wtc7.net/wtc/analysis/theories/thermitetech.html
http://www.journalof911studies.com/volume/2008/Ryan_NIST_and_Nano-1.pdf
「誰も見たことがない」から「存在しない」と断定したいのなら、上の文書からリンクされる資料自体がすべて嘘であることを証明していただかねばなりません。お断りしておきますが、これらの資料の多くは、明らかに「見た人(というか、研究し開発した人)」によって書かれているのです。そしてそれは現在、米軍の兵器として厳重に管理されているわけで、「誰も見たことがない」のは当たり前でしょう。それとも山本さんは、そんな物質が開発されたとすれば誰にでも公開されているはずだ、などとお考えなのですかな?
もちろんですが、この「粉塵中のスーパー・テルミットは先ほどの【B-4】に該当します。無条件に受け入れられるとは、私も思いません。そして、ツインタワーや第7ビルの、実際の崩壊の様子と付き合わせる作業は今からのものでしょう。これが、先ほど私がこのスーパー・テルミットを「特徴(12)」として加えなかった理由です。しかし、この発見が崩壊の特徴の(1)〜(11)と矛盾せず、符合する事実が非常に多いことは事実です。いずれは「特徴(12)」として加えることができると思います。
●ところで、この論文が発表されてから、予想されたとおり、ほとんどの研究者による無視のほかに、さまざまな「批判」も巻き起こっているようです。しかし、いちおうは査読まで受けて正式に「科学論文」として発表されたものを批判するというのなら、批判者自らがその「粉塵のサンプル」を手に入れて分析し、正式な科学論文の形で発表して否定すべきでしょうね。そうでない以上は、正式な批判とはみなされませんね。
実際にそのサンプルを管理している「9.11の真実と正義を求める学者たち(The Scholars for 9/11 Truth & Justice)」では、申し込んでくれればいつでも誰にでもサンプルを分けるので追試してもらいたいと呼びかけているのです。ただし、私は、いままでに誰かによってその追試が開始されたというニュースは聞きません。どなたかご存知ならお教えください。
その手続きを踏まないような「批判」は単なる難癖付けに過ぎないと思えるのですが、その中の代表的ないくつかをご紹介しましょう。
まず「粉塵サンプルの管理が信用できない」というものがあります。つまり、「粉塵の管理に問題があったからスーパー・テルミットと思われる物質が混じり込みそれが検知された可能性がある」と言いたいのでしょう。この研究結果を見て「管理が信用できない」ということなら、それ以外にはありえませんね。ところがこのスーパー・テルミットという爆発物は、1990年代以降にアメリカの国立研究所で開発されて以来、その製品がアメリカ軍によって厳しく管理されているはずです。このような「批判」をする人は、この論文を作成した学者たちが、警戒厳重なアメリカ軍の武器管理庫に忍び込んで、スーパー・テルミットをこっそり盗み出したとでも言いたいのでしょうかね。
次に「スーパー・テルミットとされた物体はさび止め塗料の破片に過ぎない」と言う人々もいます。この論文ではそれがさび止め塗料ではないことを最初に断っているのですが、そのようなことを言う人々にとって、電子顕微鏡で見られる微細構造や、テルミット反応が途中で止まったと思われる微小な鉄の球体を付けたチップなど、まったく目に入らないものらしいですね。さび止め塗料が、同様の微細構造を持ち鉄の球体を作ることを明らかにした人は、いまだかつて現れていないと思うのですが。
さらには、論文自体ではなく、その論文を査読し公表したThe Open Chemical Physics Journalが大きな機関ではなく権威が無いという人もいるようです。そのような人々は、この論文誌で発表された論文の中から、「研究内容に偽りがあった」という具体例を出して「信用できない」ことを証明しなければなりません。またこの論文発表後に同誌の編集長Marie-Paule Pileniが「論文掲載を聞かされていなかった」として辞任しましたが、彼女は、査読の作業や論文内容については一言も発言していません。まあこれは、さまざまな外圧からの上手な身のかわし方と受け取るべきでしょう。
●また、以前からよくある声で、山本氏も記事中で語っていることですが、「そんなに大量の爆薬がどのように仕掛けられたのか」という疑問があります。当然の疑問ですね。しかし、それを言うよりも先に、前回の拙稿で取り上げた、ツインタワー崩壊の特徴(1)〜(11)が、ありとあらゆる「崩壊理論」では決して説明できないことを、確認すべきでしょう。そして、今のところは、残念ながら事実と矛盾しない有効な仮説として「爆破解体説」以外に残っていないことを認めたうえで、疑問を発するべきでしょうね。
爆弾の仕掛け方は「技術的な問題点」であり、物理・化学の「原理的な問題点」ではありません。まず、事実に照らし合わせて「原理的な問題点」を多く抱えるものを選択肢から削っていくことが先決でしょう。違いますかな? と学会さん。
●スーパー・テルミットに関してあれこれと言いたいならば、少なくとも以上の観点を踏まえたうえで発言することでしょうね。少なくとも、あの記事の中で著者の山本氏が以上のような点を認識したうえで、この物質について発言しているとは、とうてい考えられませんね。あまりにも不勉強で無責任な発言を料金まで取って公表するのは、公序良俗を乱す行為と言われても文句は言えませんよ。
※ 「信じなければならない」「信じないやつは○○だ」などという宗教論議は、この際すべてお断りします。
【911委員会報告書】
●例の「911委員会報告書」は文学作品ですね。決して「事件で何が起こったのか」を客観的に書きとどめた『報告書』の類ではありません。この委員会報告書は一つの原則に貫かれています。《唯「筋書き」主義》という原則です。
「初めに筋書きありき」ということです。
筋書きに沿わない事実はすべて無視されました。筋書きに沿わない証言はすべて無視されました。報告書にとって、そのような事実や証言は存在しないのです。そこでの「真偽判断」の原則は、唯一、「筋書きに沿っているのかどうか」のみです。
その筋書きは、9.11事件直後に、例のアメリカ嘘つき政府と国家機関によって、即座に、何の具体的根拠も抜きで、公表されました。
「ビンラディン、アルカイダ、19人のテロリスト」…。
ライスのお友達、ゼリコウはともかくも、委員長のトーマス・ケイン、副委員長のリー・ハミルトン、上級スタッフのジョン・ファーマーを初めとするこの委員会報告書をまとめ承認した者たちにとって、「事実」は《筋書きを補強するために必要な部分だけを取って貼り付ける素材》に過ぎなかったのです。
報告書の中に、写真資料に記録されたペンシルバニア州シャンクスビルの草原の事実の具体的描写は存在しません。ツインタワーの崩壊の様子をわずかにでも具体的に描き説明した一文すら存在しません。第7ビルにいたっては単語すら書かれていません。数々の爆発目撃証言はことごとく無視され、証言自体が存在しないことになってしまいました。なぜか?
ただただ、「筋書きに合わない」からです。それ以上の理由はありません。
●我々が一つの物事について何かの判断を下す場合、二つの態度があるでしょう。一つは、客観的な立場から事実を元にして判断する、もう一つが、最初から筋書きを立てその筋書きに沿ってすべての話を再構成する。後者は最初から判断を下しているわけで、これを英語ではprejudiceと呼びます。日本語では「予断、偏見」と訳されます。
また、文章作者が、最初に立てた筋書きに沿ってその著述を推し進めていくなら、それは「報告report」ではなく、文学と呼ぶべきでしょう。私は文学的な審美眼を持ちませんので、「911委員会報告書」が名作であるのかどうかは知りませんが、歴史小説が歴史ではなく、戦争文学が戦争自体ではないのと同様に、この文学作品である「911委員会報告書」は911事件の記録でも何でもありません。
ファーマーがNORADなどの「後出し証拠」「後出し資料」を、無条件・無前提に「正確なもの」としているのは当然です。それが「筋書きに合っているから」です。それ以上の理由は無いでしょう。委員会がアメリカ政府と国家機関の連発する大嘘と戦い続けたことを誇らしげに語ることもまた当然です。そうすることによって、より「筋書き」に近い作品となるからです。それ以上の理由はありません。
彼らが選択的に無視し投げ捨てた事実は、彼らの文学の世界では永久に「非存在」とされてしまう。そしてこの予断と偏見に満ちた文学作品を、事実判断の根拠に使う大勢の愚か者たちの集団が、世界中に満ちている…。
まあ、例のと学会なんてのも、その類の一つなのでしょう。
●話は変わりますが、ついでですので、あまりにバカバカしいから無視しようかと思ったのですが、せっかく山本氏が熱意を込めて書いてくれた部分ですので、これに触れておきましょう。爆発音の証言は実は人間が落ちてきて地面に激突した音だった、というすばらしいお話です。
それは「ニューヨークで消防士の取材をしていたドキュメンタリー番組のクルー」の話を元にしているのですが、それで思い出すのは、ポピュラーメカニックスで盛大取り上げられたフランスのジャーナリストの「証言」です。この雑誌のウエッブ版から、9/11: Debunking The Mythsの4ページには次のように書かれています。
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エレベーター・シャフトの中を燃えながら落ちていったジェット燃料は、エレベーターのシステムをぶち壊して一階ロビーに物凄い損害を与えたのだろう。NISTは、「いくつかのエレベーターが1階に落下して潰れた」という直接の証言を聞いた。メリーランド大学の工学教授でNISTの顧問であるジェイムズ・クィンティヤーは「1階ロビーでドアが壊れて開き、炎が噴出して人々は死んだ」と語った。ジュールとギデオン・ナウドによるフランス語のドキュメンタリー「9/11」で同様の観察がなされた。ジュール・ナウドが最初の飛行機激突の後にロビーに入ったとき、彼は火の中にいる犠牲者の姿を見たが、そのシーンはあまりに恐ろしく撮影ができないほどだった。
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私はこの最後の一文を読んだときに、思わず声を上げて笑ってしまいました。要するに《何の証拠も無い》ということです。(なお、タワーのエレベーター・シャフトの大多数は、途中で2段階にわたって途切れ、さらに上から下に通じているシャフトも閉鎖空間で酸素の量が限られており、灯油が燃えながらシャフトを落ちてコア支柱を弱めたなどという都市伝説は一笑に付されるものです。)
まあ、このジュールとギデオン・ナウドによるフランス語のドキュメンタリー「9/11」のクルーが、山本氏の言う「ニューヨークで消防士の取材をしていたドキュメンタリー番組のクルー」と一致するのかどうか、私は知りません。ただ、この「クルー」とやらの話の信憑性がどのように確証されるのか、山本氏は一言も書いていませんね。ただ、その「クルー」が言ったからそうに決まっている、という山本氏の信念を述べているだけでしょう。
また、崩落が開始した際に「上から下に向けて続けさまにボン、ボン、ボン、ボンを爆発音が続いた」という消防士の証言が、やっぱり次々と人が落ちてくる音だったのか、飛行機激突の以前にツインタワーの地下で爆発音を聞いたウイリアム・ロドリゲスの証言が、やっぱり地下室に人が落ちてきた音だったのか、私は知りません。それにしても、人が落ちてきたときにはずいぶん大きな音がするものですねえ、山本さん。
●アメリカ政府と国家機関の人達でさえ、あの国家と議会の威信をかけて作られた委員会で大嘘をつく世の中なのです。うかつに人の言うことを信用するのは、と学会と山本氏にとって、あんまり良い結果をもたらさないことだと思うのですが。
まあ、あの予断と偏見に基づいて書かれた文学作品「911委員会報告書」なんかにかぶれてしまうと、嘘も本当も、まるで見分けがつかなくなるのでしょう。哀れなことです。もう一度、物事の判断の基本に戻って、事実確認から再出発なさってはいかがでしょうか。
ずいぶん長い投稿になってしまいました。いまのところ、ここまでにしておきましょう。と学会さん、山本さん。あなた方はどうやら、ご自分の雑誌の権威を下げ社会的信用を失わせるような内容の記事掲載と公表を、自らおやりになったようですね。根拠がないばかりか、あらゆる掲載事項が一つ一つ虚構であることを、自らの手で明らかにしてしまいました。その結果は、いずれ形となって出てくるでしょう。
以上です。