★阿修羅♪ > 戦争b1 > 323.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
「トンデモ本の世界W」の大沈没W(終わったね):第1部 藤田議員の本「トンデモ」規定について
●私(童子丸開)も共著者の一人に名を連ねさせていただいた、民主党参議院議員藤田幸久氏の著書『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか(クラブハウス、2009年3月)』を、UFOものやオカルトものと並べて「トンデモ本」に指定した、「と学会」の雑誌「トンデモ本の世界W(楽工社)」を日本の友人から送ってもらい、読んでみました。
結論から申しますと、「この雑誌はもう終わりだな」ということです。この雑誌(少なくとも「山本 弘」の名で書かれている藤田議員の本に関する記事)自体が、この著者の言う「トンデモさんは自分に当てはまる言葉で相手を批判する」に、そのまんま、当てはまっているからです。これが単なるお笑いの舞台だったら良かったのでしょうが、実際に出版された本についてのものですからね。中学校の「楽しい工作の時間」で作ったクラス新聞じゃありませんからね。
●そもそも「トンデモ本」とは何か、というと、きっと、
◎全く根拠の無いことを事実であるとする虚偽が数多く書かれ、読者を事実に基づかない虚構の世界に導く、詐欺的な内容が書かれた本、
ということなのでしょうね。
要は、
◎書かれている多くの事柄について「事実である」と証明することができず、
◎それらの「事実である」と証明できないようなことを根拠にして「真実はこうである」と断定し、
◎その断定によって、読んだ人々の社会的な出来事に対する判断を狂わせ、
◎そのことによって製作者が直接・間接に利益を得る、
◎社会的に許しがたい本、ということになるのでしょう。
早い話が「トンデモ本」とは、単なる嘘のばらまき、詐欺、ペテンを目的とした本、というわけですね。違いますかな?と学会さん。
●ところで、ある一つの本を「トンデモ本」と断定するからには、その記事を書く人とそれを掲載する雑誌が、責任を持って、
◎本に実際に書かれてある事柄についての事実関係を十分に調査し、
◎何が明らかに証明できる事実であり、
◎何が嘘であると明らかに証明できることなのか、を熟知し、
そのうえで、
◎その本に実際に書かれていることがらを一つ一つ点検して、
◎その本に実際に書かれている事項のどこどこが嘘の箇所であるのか、
◎それぞれの箇所が嘘であると判断する理由は何か、
◎したがって、その嘘によってどのような虚構を導いているというのか、
を明記する必要があるでしょう。
●もっと具体的に言うと次のようなことになるでしょう。
◎「この本の何ページの何行目から何行目に○○と書かれている」
◎「その場所に書かれている○○が事実ではないと判断するが、その理由は△△であり、それはカクカクシカジカの事実によって誰の目にも明らかに立証できる」
◎「著者は、この事実ではないことを根拠にして、この本の何ページの何行目から何行目で△△という結論を導き出しているが、その結論は誤りであり読者を虚構に導くものである」
といった筋の通った説明を、
◎「トンデモ」と断定できるあらゆる箇所について明記し、
◎そのうえで「この本はトンデモ本であり、嘘のばらまき、詐欺、ペテンであり、社会を惑わず許しがたい本である」と断言する、
ということですね。違いますかな?と学会さん。
もしそのような筋道の通った作業を行わずに、一つの本と著者を名指しで「トンデモ」つまり「嘘のばらまき、詐欺、ペテン」と断定した場合には、その断定自体が文字通りのトンデモ、つまり「嘘のばらまき、詐欺、ペテン」に他ならないことになります。《「この本に実際に『○○』と記述されている」という事実》に基づかない断定を行っているからです。そしてそれは、その本の著作者に対する現実的な誹謗中傷であり、出版社に対する現実的な営業妨害となり、その記事を公表したこと自体が重大な結果を招く可能性すら出てくるでしょう。
こういう他人の書いた本を「詐欺本」呼ばわりする雑誌を作って、値段を付けて一般書店で売るからには、この「と学会」という集団にしても「山本 弘」という記事著者にしても、十分にその点を認識し覚悟して、厳しい検証作業を行っているはずですね。
●私は、その点を大いに期待し、あの『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』の、どこに書かれている何を「嘘である」と証明つきで談じているのだろうか、と、興味津々で記事「民主党を汚染するトンデモ説」に目を通しました。
記事内容を具体的に見てみましょう。
●と学会著 「トンデモ本の世界W」より「民主党を汚染するトンデモ説(山本 弘)」
まず、最初の1ページの全面が使われ、鳩山由紀夫首相の夫人の話が記事の冒頭を飾ります。ところで、『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』の、何ページのどこに、鳩山婦人のことが書かれてあったのでしょうか? まあでも、これは導入部として、読者の興味を引き付ける手段でしょうから、これ以上は突っ込まないことにしますが、それにしてもやたらと長い導入部ですね。何か別の目的でもあったのでしょうか。
著者は次のページからようやくのことで本論に踏み込みます。とはいっても…。
まさに唖然呆然とすることなのですが、『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』からの引用、そしてそれを「この部分は嘘である」と証明している箇所が、どこにも…、本当にどこをしげしげと見回しても…、1箇所たりとも見当たらないのです。
つまり、この記事の初めから最後まで通して、『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』がトンデモ本であるとする判断の根拠が、何一つ書かれていないのです。何なのですか?この記事は? 小学生の読書感想文でも、もっとましに書けるでしょう。虚偽、つまり《「この本に実際に『○○』と記述されている」という事実》に基づかない断定ばかりが、初めから最後まで貫かれているわけです。
山本氏がこの本を読まずに記事を書いたわけではないでしょう。氏は、東京工大の和田教授について書かれている本書153〜156ページの内容を要約し一部を引用していますが、それは彼が「この記述は虚偽である」と言っているものではありません。そしてデイヴィッド・レイ・グリフィン博士の文章(抄訳)から1段落を引用しています。しかしこれもまた、その箇所をとって「ここは虚偽である」とするようなものではなく、その言葉の言い回しを利用して自分の理屈を展開しているだけです。
唯一、藤田議員自身の書いた文の引用があったのは次の箇所です。
「実際、民主党の中には具体的な疑問を抱いていた議員が想像以上に存在し、独自の調査を始めたり9・11のDVDなどを後援者やマスコミ関係者に上映する議員も出てきた。」
ここでも、この藤田議員の記述内容が虚偽であるとは書かれていません。当然です。これは確かめればすぐにでも証明できる事実だからです。では山本氏はいったいこの本に書かれてあることのどこが、具体的に、虚偽だと言いたいのでしょうか。この本を「トンデモ本」と断定する具体的な根拠を、この本の中のどこに具体的に見出しているのでしょうか。
そして、いかにも本からの引用に見えるように、鍵括弧でくくって次のように書いています。
「イギリスのBBCは、WTC第7ビルが実際に崩壊する二五分も前に『崩壊した』と報道した。BBCもこの謀略にからんでおり、第7ビルが崩壊することは事前に伝えられていたに違いない。」
もちろん山本氏はこれをこの本からの引用であるとは断っていません。読者がそのように受け取ったとしたら、それは読者の勝手である、とでも言いたいのでしょう。典型的な誤誘導の手口なのですが、それでは、わざわざ鍵括弧でくくって書いたのは、いったいどの本からの引用なのでしょうか。それとも山本氏が勝手に作って、読者がうかつに読むと本からの引用にも見えるような形で書いたというわけでしょうか。何も注釈が無いため分かりませんが、藤田議員の本からの引用でないことだけは確かです。
結局、この藤田議員の本に実際に書かれている事柄に何一つ突っ込むことなく、記事の最後まで、9.11事件に対する山本氏の知識の披露ばかりが延々と続き、最後から2段落目に「ツッコミどころはまだまだあるのだが、これくらいにしておこう」ときた。ぜんぜん突っ込んでない!ちゅうに!
●本論部分の多くは、この藤田議員の本には書かれていない、おそらく「と学会」と山本氏の「9.11陰謀論とはこのようなものである」とする認識に基づいた記述、そしてそれに対する「反論」に費やされています。それにしても、いったい何に対して「反論」「批判」しているんやろ? この本に実際に書かれていないことを自分の頭の中からひねり出して、それに対して反撃してみせる、まさに自家中毒のような気持ちの悪い文章といえるでしょう。
また藤田議員について、ジュセリーノとかいう自称預言者に会ったというブログからの引用をしています。もちろんですが、この議員の著書『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』には1行たりとも書かれていないことです。そして、そのブログにはどこにも「ジュセリーノを信用した」などと書かれていないのですが、山本氏はわざわざ太文字で強調して「つまり、藤田氏はごく初歩的な調査もせずにオカルト話を鵜呑みにしてしまうような性格だったのである」と書いています。その話題の自称預言者と会ったことは、ご本人が書いているし写真まで載っていますから事実でしょうが、藤田議員が「オカルト話を鵜呑みにした」こと自体が事実であると、山本氏は公開の場でどのように証明できますかな?
私は、藤田議員がジュセリーノと会ったことについて何の関心もありませんし、それをとやかという筋合いでもありませんが、国会議員という立場の人に関して、山本氏が藤田議員について自分で勝手に空想したことを自分で勝手にけなして中傷し、それを世間に広めたとなると、ちょっとこの人ヤバイんじゃないのかな、と思ってしまいます。
さらに、記事著者の山本氏は、国家の指導者が自国民を殺すわけがないと、国家(アメリカ国家?)に対する忠誠心を遺憾なく発揮しておられるのですが、それでは戦争はどうなんですか? イラク戦争の前には、米国ブッシュ政権があからさまなでっち上げの大嘘をつき、英国ブレアー政権は少なくとも8ヶ月間ほど参戦決定を自国民と国際社会に隠してたぶらかし、大量殺人を開始しました。ヒトラーもでっち上げで戦争を始めたようですね。戦争は、他国民と同時に自国民を大量の死に追いやる政治決定です。実際に、もうすでに9.11事件での死亡者よりもずっと多くの米国民が死亡しています。しかもペテンと隠蔽を使って死に追いやったのですから、これは意図的な殺人でしょう。戦争開始のペテンと隠蔽が明らかである以上、「直接に殺したのは敵である」などという詭弁は成り立ちません。(ライオンの檻に放り込んでおいて「殺したのはライオンだ」とはいえませんよね。)国家の指導者が自国民を殺すわけがないなど、トンデモない大嘘であり、国家の指導者は、古今東西、「必要」に応じて自国民を殺すものです。違いますかな?
●「トンデモ本」というのなら、アメリカ政府と議会がその権威をかけて作成したにもかかわらず、原稿を書いた人自身から「アメリカ政府は我々に嘘ばかり言った」と告発されてしまった「9.11委員会報告書」なんて、その候補の筆頭じゃないかという気がするのですが、いっぺんお調べになってみてください。ねえ、と学会の山本さん。あの報告書の多くの部分がアメリカの政府機関とその関係者の証言や記録に基づいて書かれたものですね。その証言や記録の大半が嘘だったと、書いた人自身が言っているわけです。
どうやら報告書の原稿を作ったジョン・ファーマー氏は自著で、アメリカ政府と政府機関は委員会に対して嘘をついたが委員会報告自体は正しかった、というような珍妙な論理を、委員会がいかに政府機関の嘘と闘ったかという武勇談を盛大に披露しながら、展開しているようですね。それもNORADなどによる「後出し証拠」を無条件・無前提に真としてそれ以前を偽とする(どっちか一方が嘘か、あるいはどちらも嘘かのいずれかであり、いずれにせよ米国国家機関の嘘つきは明白ですが)という、いかにも「信念の人」を髣髴とさせる告発を行っているようです。
でもまあ、ファーマー氏は(氏だけではなく911委員会の委員たち、特に委員長と副委員長までが口をそろえて)、アメリカ政府がいかに嘘つきであるのかという格好の実例を、我々に提供してくれているわけです。ありがたいことです。その意味でこの報告書自体は、ファーマー氏の本とつき合わせながら読むと、実に重要で価値があるものでしょう。ひょっとすると「トンデモ」とするにはもったいないのかもしれませんけどね。
それにしても、そのアメリカ政府の嘘つきどもが、事件直後に何の具体的な根拠も挙げずに言ったのが「ビンラディン」「アルカイダ」「19人のテロリスト」ですね。これが嘘でない保証が、いったいどこにあるんでしょうかね? わかりませんが、911委員会のメンバーは、これだけは嘘ではないと無条件・無前提に信じているようです。まさに「信念の人」の集団だったようですね。まあファーマー氏も、あの委員会を取り仕切った責任者の一人として、そこまで疑ってしまうと立つ瀬がなくなる事情は分からないでもありませんけどね。その意味で、いまのところファーマー氏を批判したり非難したりはしないでおきましょう。
●それにしても山本さん、あなたの記事で、あの本のいったいどこを「批判」しておられるのですかな? あの本からあなたが「ここは批判すべきだ」という箇所を、せめて5箇所か6箇所くらい具体的に引用して、それに対して反撃しそれが嘘であることを明快な事実を持って証明したうえで「トンデモ本」と断ずるのなら話は分かるのですが、これでは単なる誹謗中傷記事以外のなにものでもないですねえ。
きっと、「トンデモさんは自分に当てはまる言葉で相手を批判する」とは、「と学会と山本氏はトンデモさんである」という事実についておっしゃっているのでしょう。
●今回は、この「トンデモ本の世界W」から「民主党を汚染するトンデモ説(山本 弘)」という記事について、この記事と雑誌が、藤田幸久議員を主著者とする『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』を、何の具体的な根拠も示すことなく「トンデモ」と決め付けて、主要な著者である藤田幸久議員を侮辱し中傷した事実を取り上げました。
しかし、藤田議員はどうか知りませんが、この本の共著者の一人となった私としては、これだけで済ませておくわけにはいきません。近日中に『「トンデモ本の世界W」の沈没!(終ったな、この雑誌も):第2部』を、阿修羅誌面をお借りして発表しましょう。話が長くなって、2〜3回分になるかもしれません。
そこでは私もこの本自体から離れて、この記事の中で藤田議員の本とは無関係に勝手に展開されている9.11事件に関する認識を、9.11事件の事実に基づいて、ごく軽く検証してみたいと思います。