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パキスタン司令部襲撃の人質解放…核管理に不安【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091012-OYT1T00444.htm
【イスラマバード=新居益】
パキスタン・イスラマバード近郊ラワルピンディの国軍総司令部を武装集団が襲撃した事件は、11日早朝、軍特殊部隊が武装集団の立てこもる警備要員用事務所を急襲、人質の兵士ら39人を解放して約20時間ぶりに収束した。
ただ、1時間にわたる銃撃戦で人質3人、特殊部隊2人と武装集団の4人が死亡した。
10日の武装集団突入時にも兵士6人、武装集団4人が死亡している。
犯行声明を出した「パキスタン・タリバン運動(TTP)」はパキスタン西部の南ワジリスタン地区が本拠で、襲撃は、同地区で軍が近く始める武装勢力掃討作戦に警告を発したとみられている。
マリク内相は事件発生後、「攻撃開始以外の選択肢はない」と述べ、掃討作戦に変更はないと強調した。
1947年の建国以来、国の屋台骨を自任する軍の中枢が襲撃されたのは初めてで、国内には大きな衝撃が走っている。
核兵器を管理する軍の本拠地が襲撃されたことで、核管理能力を疑問視する声が国際社会で再燃するのも避けられそうにない。
このため、「軍は威信回復のためにも作戦成功に満を持しているはず」(地元紙記者)との見方が強まっている。
一方、地元テレビによると、軍当局は、人質解放作戦で拘束されたウスマンと名乗る実行犯の男について、カシミール地方でインドへの攻撃を行う武装勢力「ジェイシュ・ムハンマド」と関係があるとみており、TTP以外の組織が関与していた可能性も浮上している。
パキスタンでは、「対テロで米国に協力する政府への反発でつながる様々な組織が水面下で手を結んでいる可能性」(外交筋)が指摘される。
また、タリバンとつながる軍の一部が関与しているとの見方も根強くささやかれる。
(2009年10月12日15時35分 読売新聞)
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