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イラン核問題:ウラン国外濃縮、査察受け入れ 米欧、行動見極め【毎日JP】
http://mainichi.jp/select/world/news/20091003ddm002030046000c.html
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 国際>
◇猶予年末まで、「硬軟両にらみ」継続
【ワシントン草野和彦】
国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランは1日、ジュネーブで協議し、イランで生産された低濃縮ウランの国外濃縮や、先に発覚した二つ目のウラン濃縮施設への早期査察などで合意した。
協議は継続されることになり、米欧とイランの「衝突」はひとまず回避された。
だが、米国は「(イランの)具体的な行動と肯定的な結果を見たい」(クリントン国務長官)として、慎重姿勢を崩さない。
対話の「猶予期限」を年末に定め、関与と圧力の「ダブル・トラック(並行)」戦略を推し進める方針だ。
「我々は集中的な国際交渉の段階に入った」。
オバマ大統領は1日、ホワイトハウスで協議結果に関する声明文を読み上げた。
イランとの直接対話を実現させた大統領だが、同国を核交渉に戻したという安堵(あんど)感は見せず、「困難な仕事が控えている」と強調した。
ブッシュ前政権がイランのウラン濃縮停止を直接対話の前提条件としたのに対し、オバマ政権はこれを取り下げて交渉にこぎ着けた。
このため、米欧が求めてきた「濃縮停止」の命題はぼやけてしまったのが実情だ。
協議では、イランが保有する低濃縮ウランのロシアでの濃縮、フランスでの燃料化で合意。
核燃料はイランに戻され、実験炉で使用される。
イランの濃縮活動に縛りをかける狙いがあり、18日に関係国の協議が行われる。
イランは、中部コム近郊の二つ目のウラン濃縮施設への国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れにも合意。
オバマ大統領は「2週間以内」と期限を区切った。
オバマ政権は、協議の場で具体的な行動と期限を明示することで、イランへの追加制裁に踏み切る場合の正当性を主張できるようにした。
「(協議で)進展はあったと思うが、イランが義務に応じない場合の(制裁)計画も継続する」。
ギブス大統領報道官は1日、硬軟両にらみの構えを改めて示した。
◇濃縮即時停止は焦点にならず、イラン側には「前進」
【テヘラン春日孝之】イラン核開発について、米欧など6カ国は1日のジュネーブ協議で、「『平和利用』が担保されるなら容認」との方向に一歩踏み出した印象があり、イラン側は「前進」と受け止めている可能性がある。
米高官によると、6カ国は「イランの権利」を認める一方、「権利には責任が伴う」として、核開発の透明性の確保など具体的な措置を求めた。
しかし、米欧などがこれまで突き付けていた「ウラン濃縮活動の即時停止」は論議の焦点にならなかった模様だ。
イランは医療用アイソトープ製造に使用する低濃縮ウランについて、イラン国内で生産した低濃縮ウランを第三国で加工する計画に同意した。
核兵器に転用可能な高濃縮ウランを製造しないなら、米欧は、イラン国内でのウラン濃縮活動の継続を事実上容認する布石とみることもできる。
イランの核交渉の責任者ジャリリ最高安全保障委員会事務局長は1日、協議後の会見で「核エネルギーの平和利用はすべての国の権利であり、放棄しない」と述べる一方、「いかなる国も核兵器を持つべきでない」と改めて主張した。
米欧が「核兵器製造が目的だったのでは」と疑う、中部コム近郊の新たなウラン濃縮地下施設について、イランは「(既存の中部)ナタンツの濃縮施設のバックアップ用」と説明している。
近く実施される国際原子力機関(IAEA)査察が当面の焦点になりそうだ。
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毎日新聞 2009年10月3日 東京朝刊