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超左翼おじさんの挑戦
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田母神さんをめぐる対話・上
田母神本のなかでお勧めは、『WiLL』の臨時増刊号。「田母神俊雄 全一巻」と題し、永久保存版を自称している。
問題になった最初の論文もあるし、東大での講演も収録。自伝とか、グラビアとか、アイドルなみの扱いだ。「ジョーク傑作選」などは、ホントに爆笑もの。
本人だけでなく、著名人も多数登場する。小林よしのり、石原慎太郎、潮匡人、櫻井よしこ、渡部昇一、西村真悟、西尾幹二等々。いやいや、関係者勢揃いだ。
これで税込み980円なのだから、超お得。
冗談を言っているのではない。是非、読んでほしいものがあるのだ。最後に収録されている西尾幹二(評論家)と秦郁彦(現代史家)の対談だ。
戦争責任に多少でも関心のある人には、この二人を紹介する必要はないだろう。私もそれなりに読んできた。秦さんは、資料に綿密にあたる人で、西尾さんとはかなり違うが、それでも、どちらも左翼嫌いで有名である。けれども、田母神さんをめぐる論争では、西尾さんが擁護する側、秦さんが批判する側という構図にある。
数日前の記事で、田母神さんを支える学者がしっかりしていなくて、これではかわいそうだと書いた。そのときは、ちょっとしたジョークのつもりだったけど、西尾さんの発言を読んで、ホントにかわいそうになってきた。
秦さんは、確定した事実にもとづき、田母神さんの間違いを指摘するわけだ。日米開戦はコミンテルンの工作もからんだルーズベルトの陰謀だという説を中心に。
それに対して、西尾さんは、まあ、事実はどうでもいいという立場なのである。
「彼の論文には一種の文学的な説得力もある。細かいことはどうでもいいんですね」
「歴史は史実の枠だけでは説明できない」
「証拠なんかないですよ」
「大きな歴史の流れを解釈するとき、ここまではいえる≠ネどと制限を設けたら、ほとんど何もいえない」
じゃあ、証拠じゃなくて、何によって証明するのか。関係した人間の「心」なのだそうだ。
「関係した人間たちの心理的な背景、性格や志向性、人間性というものにも目が向けられなければならない。とくにルーズベルトの異常人格は少年期からあらわれております」
「(張作霖爆殺事件は、河本大佐が)ソ連と密かに手を組んで実行したというケースもありえるし、もともと河本大佐らがソ連のシンパサイザーだったかもしれない」
(「河本大佐が何者かは隅々までわかっている」との秦さんの指摘に対して……)
「彼の心の中まではわからないじゃないですか。共産主義への忠誠心は深く秘匿されていて……」
いやいや、田母神説というのは、歴史の事実で説明できないのだ。ルーズベルトが真珠湾攻撃に日本を引き込んだ証拠はないが、少年期からの人格で説明するということだ。河本大佐の心の中にソ連への忠誠心があったかもしれないから(そんな風聞さえないけど)、張作霖爆殺事件はソ連の仕業だともいえるということだ。
やれやれ、田母神さん、ほんとにこんな方々に囲まれていて、大丈夫ですか。田母神さんを慕っている自衛隊員に顔向けができないようには、なってほしくないな。(続)
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