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イスラエル:今年中にイラン攻撃の可能性
東欧へのミサイル防衛システム配備計画中止を発表するオバマ大統領
◆9月19日
アメリカが突然、東欧に配備を計画していたミサイル防衛システムの配備中止を発表した。これを受けてロシアとEUがその決定を歓迎するという声明が発表された。
この突然のアメリカの発表は何か大きな動きがアメリカの中で進んでいるからと見ていいのではないか。とにかくロシアに対するスタンスが相当変わったということははっきりしている。またロシアもそのアメリカの変化を歓迎し、かつ以下の記事にあるように今までのドルに変わる新しい準備通貨に関する話にしても、ドルそのものへの攻撃的スタンスを取り下げる意見を発表した。これはアメリカに対するロシアからの友好的姿勢を示すサインであろう。さらには対抗措置としてあったカリーニングラードへの短距離ミサイル配備を凍結したという。
以前このブログで、ロシアとアメリカが一緒になれば、イスラエルのイラン攻撃を阻止できるかもしれないが、それは現在アメリカにはオバマ大統領、ロシアにはプーチン首相がいるので可能である、と指摘したことがある(9月3日号その他)。今そのアメリカとロシアとの関係が改善してきていることで、この形ができる方向性が強まった。
イスラエルがイランへの攻撃の意思を固めつつあることは既に示した(9月11日号)。今回のロイターの伝えるエフライム・スニー氏の記事内容もそれを確認する内容となっている。
イランが核計画を中止する意図がないことは以下の記事にあるようにはっきりしている。従ってこのまま進めば、イスラエルのイラン攻撃(核攻撃かもしれない)が実現する可能性が一段と高まってきていることになる。
アメリカが恐れていることは、イランの核でも核ミサイルでもなく、イスラエルのイラン攻撃である。これが悪くすると中東全体を巻き込む大戦争に発展する可能性、ひいてはロシアとアメリカなども巻き込む世界大戦に発展することを恐れている。そうでなくとも、ペルシャ湾に展開するアメリカ艦隊などへのイランからの攻撃があれば、甚大な被害が出る。
ことこの段階に来てオバマ・アメリカ大統領はロシアとの関係の大きな改善を意味する、上記のようにミサイル防衛システム配備計画の中止を発表したことは、いよいよイスラエルのイラン攻撃が現実的になってきたことを察知して大いなる決断をしたことを意味するのではないか。
これを通して米露関係は実質的には、対イスラエルで手を結んだことになり、イスラエルはこの米露を相手として、それでもイラン攻撃を実施するのか、という厳しい判断を迫られる状況に追い込まれた、と言える。
何度も指摘することになるが、ロシアはイランの原子力発電所の建設に携わってきていて、その稼動・メンテナンスなどでもイランと協力している。ロシア人の技術者が現在も原子力発電所で勤務している。従ってイスラエルがその原子力発電所などを攻撃することは、ロシアに対する攻撃だから、必ず報復すると発言している。
従ってイスラエルがイランを攻撃すれば、ロシアがイランと一緒になってイスラエルに報復する可能性が大であり、その際アメリカがそのロシアになんらかの軍事的制裁などをする可能性は、今回のことから推察しても限りなく小さくなった。それを知ってイランもアメリカからの攻撃などがなければペルシャ湾などのアメリカ軍を攻撃することは無いかも知れない。
そうするとロシア・イランによる報復攻撃でイスラエルは壊滅的な打撃を受ける公算が以前にもまして大きくなったことになるだろう。
果たしてそれでもイスラエルはイランを攻撃できるのだろうか。
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●イスラエル:今年中にイラン攻撃の可能性
【9月16日 ロイター】
イスラエルはもし欧米勢力がイランに対する制裁で今年中に合意できなければ、イランの核施設に対する攻撃は避けがたいと16日、前イスラエル国防次官のエフライム・スニー氏が語った。
スニー氏は現イスラエル政権ではなんらのポストも持っていないが、個人の資格でロイターに対し、アメリカとEUは銀行と石油に対する制限を含む強い制裁措置を今年中に採る決意があるかどうかはっきりしていない、と語った。
「核兵器を持つイランの影の下で生きるわけにはいかない」とイギリスへの訪問の際のインタビューでスニー氏は語った。「年末までにイランに対する厳しい制裁が合意されなければ我々には他の選択肢はない」「これは本当に最後の手段だ。しかし皮肉にも我々から他の選択肢を奪いこうせざるを得ない事情に追い込んでいるのは我々のベストの友人たちだ」「欧米諸国が充分早い時期で決断し厳しい制裁を行うつもりがあるのかどうか疑っている」
スニー氏は、旅団長を退役し、国会防衛・諜報委員会の前委員である。前国防次官としてイランに対する責任を持っていた。
◆無血戦略
スニー氏の訪問は、ザ・イスラエル・プロジェクトという個人的なメディア組織で、イスラエルの安全保障視点を説明することを目指していて、海外のイスラエル高官らを支援する記者会見を設定してきた。
米・独・仏・英はイランに対して、もしウラン濃縮を継続すれば、また核兵器製造に対する懸念払拭を拒否すれば4回目の国連制裁を行うとして脅威を与えた。イランは民間の発電計画だと言っている。
イスラエルは核武装したイランはイスラエルの存続に対する脅威であり、イランのアハメディネジャド大統領がイスラエルを地図上から抹殺すると言っている、ということを指摘している。
それがイスラエルの警戒を呼び起こし、イランの核施設への軍事攻撃を引き起こしそうになっている。
スニー氏は制裁措置は、欧米諸国による完全なイランの銀行封鎖、精製された石油の輸出禁止、エネルギー産業に必要なパーツ販売の禁止、イラン高官らの欧米諸国への旅行禁止などが含まれるべきだと言っている。
スニー氏は制裁はアメリカとヨーロッパ諸国によって課せられるべきだ、と言う。これはロシアと中国が欧米諸国と同じ措置を取ることはないと判断できるからで、彼らが制裁に参加することは神話である、と語った。「欧米による制裁が課せられれば、その戦略は充分に厳しいものになるだろう」と語った。
「これは無血戦略であり、海上封鎖の欠点を終わらせるものだ」と言う。
ネタニヤフ首相は、そのコメントでイランの核に対する野望をやめさせるための国際社会の外交努力をイスラエルは見捨てたわけではないとしながら14日、イランに対する厳しい制裁を課す時が来たと述べた。
スニー氏は、イランが核兵器を持つことを阻止する理由には複数あり、その例として以下を挙げた。
1.イスラエルへの移民が停止してしまうから
2.若く有能な人々がより安全な地域に出てしまうから
3.イスラエルに対する投資が減少するから
4.内閣の決断がイランの核による報復の恐れのためできなくなる。政府の決断を下す工程は実際的にはゆがめられる。
5.中東の急進主義者らが勢いづく
6.イランは中東の穏健派に圧力を加え、例えばエルサレムやゴラン高原問題でイスラエルとの接触や交渉で立場を強化するようになる。
7.サウジやエジプトも核兵器を所有することを目指すようになるかもしれない。そうすることで中東全体が“完全に核兵器で武装された地域”となってしまう
●米大統領、東欧MD配備中止の声明発表
【9月18日 産経新聞】
オバマ米大統領は17日、ホワイトハウスで声明を発表し、米国が東欧地域で進めていたミサイル防衛(MD)システムの配備計画を事実上中止する方針を明らかにした。MD配備に関するゲーツ国防長官らの勧告を踏まえた決断で、東欧への地上配備に代わり、洋上迎撃システムなどの活用で「弾道ミサイルの脅威に対し、より大規模な防衛」を構築するとしている。
MD配備の中止はロシアとの緊張緩和を進め、年内に期限切れを迎える第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約交渉を後押しすることになる。
米国の方針転換は、「イランの長距離弾道ミサイル開発」が遅延し、欧州地域への脅威が低減したとの情報評価が前提となっている。同時に、水上艦から発射される迎撃ミサイル(SM3)の精度向上など、迎撃技術の向上が転換の理由に挙げられた。
ブッシュ前米政権は、イランの弾道ミサイルによる脅威から欧州の同盟国を防衛するとの理由でMDの東欧配備に乗り出し、チェコにレーダー施設を、ポーランドに迎撃ミサイルを配備するとしていた。
これに対しロシアは、MD配備計画が自国への脅威になると反発。核軍縮に重点を置き、米露関係の仕切り直しを掲げるオバマ政権は、前政権の戦略修正を軸に検討を進めてきた。
17日の声明で、大統領は弾道ミサイルの脅威から米国と同盟国を防衛するため、MDの開発と配備は継続する方針を確認した。
●米の東欧MD中止 露「前向きに評価できる」
【9月18日 産経新聞】
オバマ米政権がミサイル防衛(MD)配備計画の中止を決めたことを受け、ロシア外務省のネステレンコ情報局長は17日、「事実とすれば、前向きに評価できる兆候だ」と述べ、評価する姿勢を示した。
ロシアはオバマ政権発足以来、アフガニスタンにおける米軍の軍事物資輸送に際し、自国領の通過を容認するなど、米露協調を演出してきた。
ただ、昨年夏のグルジア紛争を経て、ロシアが南オセチア、アブハジア両地域の独立を承認したことについては、米国は譲歩しない可能性が高いとみられる。
さらに、ロシアは米国の大きな政策変更を「外交上の勝利」と位置づけ、国内外にアピールしていく公算が大きい。さまざまな問題で米国に注文をつけ、最大限の譲歩を引き出す狙いも垣間見える。
今後、全面的な米露和解につながるかはまだ不透明だ。
●<ロシア>外交的勝利収める 米MD計画見直しで
【9月18日 毎日新聞】
オバマ米政権が東欧MD計画見直しを決めたことで、計画に反対してきたロシアは外交的勝利を収めた形だ。メドベージェフ大統領は17日の歓迎声明で、今後もイランの核問題などに米国と対等の立場で取り組む姿勢を強調。プーチン首相も18日、「(米国の決定は)期待を抱かせる」と、米国の一層の譲歩に期待感を表明した。
一方、米側が見返りとして期待する対イラン制裁強化への同調などについて、露側には慎重な見方が目立つ。18日付の有力紙「コメルサント」によると、シャラビン政治軍事研究所長は「ロシアは既にアフガニスタン駐留米軍向け軍事物資の自国領通過を認めるなど相応の措置をとっている」と指摘、ロシア側の新たな「譲歩」は不要との見方を伝えた。
第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新たな核軍縮条約についても、最大の障害だったMD問題が決着したものの、「戦略核の運搬手段を巡る見解の対立などが残っている」(国際安全保障問題の専門家アルバトフ氏)と楽観を戒める声も強い。
●米MDへの対抗措置、露が凍結
【9月18日 読売新聞】
米国のオバマ大統領がミサイル防衛(MD)システムの東欧配備を中止すると表明したことを受け、ロシアは18日、短距離ミサイル配備などMDへの軍事的な対抗措置を凍結することを決めた。
インターファクス通信が消息筋の話として伝えた。
ロシアは、ポーランドとリトアニアにはさまれた飛び地カリーニングラード州に短距離地対地ミサイル「イスカンデール」などを配備すると警告していた。
コメルサント紙によると、米国はロシアに対し、MD配備中止と引き換えに防空システムS300のイランへの供与を中止し、国連安保理で厳しいイラン制裁決議を支持するよう求めているという。
●核開発計画は決して放棄しない=イラン大統領
【9月18日 ロイター】
イランのアハマディネジャド大統領は17日、西側諸国からの批判を沈静化するために核開発計画を放棄することは「決してない」との見解を示した。
NBCテレビとのインタビューで明らかにした。
また、イランが核兵器開発に向かう条件は何かあるかとの問いに対しては、直接的な回答を避けた。
大統領は通訳を介し「イランは核兵器を必要としていない」と言明。「世界の状況もわれわれの考えを支持する方向へと動いている」と述べた。
イランはこれまで、西側諸国による核兵器製造疑惑の焦点となっているウラン濃縮に関して、発電だけが目的だと繰り返し主張している。ただ、イランに低濃縮ウランを使った原子力発電所は現在のところ存在しない。
イランは10月1日、同国の核問題をめぐり、国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国と協議を行う予定。
●ロシア:準備通貨としてのドルは支持する
【9月18日 AFP】
ドルの投売りは“不合理”だ、とロシアはドルを支援する発言
ロシア政府はドルを新しい準備通貨で置き換えることを目指している、という指摘を17日否定した。米ドルもいくつかの準備通貨の一つであることを示した。
「我々は準備通貨の進化について話をしているが、米ドルを他の準備通貨と置き換えることを進めているわけではない」と、メドベージェフ大統領の経済顧問である。アルカディ・ドゥボルコビッチ氏は語った。・・・以下略
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2009/09/19 (Sat) 国際政治
[新世紀人コメント]
世界の現況を ”動乱前の奇妙な静けさ” に思うのは私の嗅覚だけだろうか?
そんな事はないと思うのだが。
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