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【世界は変わる】ボリビアから追い出されるUSAID:《もう一つの911》を経て(Tele Surより)
USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)といえば、CIAとともに、第2次大戦後の米国が中南米諸国やアジア・アフリカ諸国の政権を転覆して傀儡政権を作り諸国民を米国のための奴隷に貶めた、直接の下手人であることは、つとに有名です。その国家直属機関の活発な活動は21世紀になって旧ソ連圏でも続いたようです。
中南米でのCIAとUSAIDの暗躍振りについては、次をご参照ください。
http://doujibar.ganriki.net/translations/1-06,rumouragainstiran.html
ラテンアメリカに敵対するアメリカ帝国とCIA(尊厳・主権・反戦平和の法廷:エクアドル)
そのUSAIDがついに中南米の一角ボリビアから追い出されようとしています。2009年9月20日付のベネズエラ国営放送Tele Surのニュース記事からです。下にその記事の対訳(試訳)を掲げておきますが、その中にある「パンドの虐殺」について、ご説明しておきます。
2008年9月11日に、ボリビア東部のパンド県で、モラレス同国大統領を支持する農民(インディオ)たちが、反モラレス派の暴徒に襲撃され多数の死傷者を出した悲惨な事件が起こりました。これについては次の日本語記事をご覧ください。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/09/post-99eb.html
ボリビア:凄惨な虐殺事件を経て遂に対話再開(080917改)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/12/post-979c.html
南米諸国連合、ボリビア、パンド県における農民虐殺を人道に対する罪と断罪
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/080919-223228.html
虐殺関与疑惑の県知事勾留―ボリビア
また、次にYouTubeに収められたビデオもあります。言葉はスペイン語なのでほとんどの方にはお分かりになれないでしょうが、虐殺の現場と並んでインディオの農民達による激しい告発と悲しみの声が収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=XitGSEpNENs
Masacre Campesína en Pando Bolivia 11 de Septiembre -1-
ただ、死者の本当の数はいまだに明らかではなく、Tele Sur記事では15名と書かれていますが、20名、あるいは30名という報道もあります。
9月11日といえば、ピノチェットによる1973年のチリの政権転覆、2001年のインチキ・テロによる日本人24名を含む3千名近い大虐殺が思い浮かべられますが、この「パンドの虐殺」もまた《もう一つの911》といって構わないでしょう。そして、過去に中南米でこういった事件が起こるときに、必ず影に陽に付き添っているのがCIAとUSAIDでした。もちろんこの事件を起こした主体は、天然ガスの豊富なコチャバンバ州を牛耳る伝統的なボスどもとその手先のヤクザどもでしょう。しかし、その中南米に伝統的なボス連中を手なずけて国民の大部分を奴隷状態に縛り付けてきたのがCIAやUSAIDなどの米国の公的機関です。
モラレスが、ボリビアでそのCIAとUSAIDの活動を代表していた米国大使フィリップ・ゴールドバーグの国外追放を発表したのが昨年9月10日、そしてその翌日に起こったのが「パンドの虐殺」です。その後、ボリビアの中では政権転覆の動きもあったようですが(もちろんそれは以前から続いていたが)、モラレス政府は着実にその沈静化に成功し続け、そして1年後、ついにUSAIDの活動停止がスタートしたようです。
これは、今までのUSAIDの位置を考えるなら、まさに世界史的に記念すべき変化でしょう。
もちろんこの変化には、経済的混迷を深め「開発協力」どころではなくなった米合衆国の台所事情、ウゴ・チャベスを中心にして「米国からの独立」を果そうとする中南米諸国全体の動きと、それを積極的に援助し「多極化世界」を作ろうとするロシアや中国の力があるでしょう。そしてここにもう一つの重大な要素があることを知っておかねばなりません。
スペインの国際石油企業レプソルは、この9月16日に、ボリビアの天然ガス開発に6億ドルを出資し、同国の天然ガス開発の主体を担うことを発表しました。ボリビア政府は元々同国に進出していたレプソルなどを接収し国営の石油会社YPFBを作ったのですが、もちろんレプソルに大損をさせるような馬鹿な真似をしたわけではありません。逆にこの欧州資本を効率よく受け入れる窓口にしたわけです。
http://www.telesurtv.net/noticias/secciones/nota/57825-NN/repsol-invertira-mil-600-millones-de-dolares-en-bolivia/
Repsol invertirá mil 600 millones de dólares en Bolivia
そしてその2日前の9月14日に、モラレスはマドリッドを訪問し、スペインを「共和国」と発言して物議をかもしたにも関わらず、国王の歓待を受けています。
http://www.elmundo.es/elmundo/2009/09/14/espana/1252932268.html
El Rey de la 'República de España' recibe a Evo Morales en La Zarzuela
もうアメリカに頼らなくても生きていけるように、多極化しつつある世界の中でバランスを取って自国資源を生かして生きていこうとするしたたかなボリビア人(インディオ)の姿があります。
さて、こんな変化の中で、我が祖国日本の「インディオ」たちは、今からどんな道をたどっていくのでしょうね。ハトヤマさん、がんばってね。コイズミさんみたいにならないでね。
以下に、2009年9月20日付のベネズエラ国営放送Tele Surのニュース記事とその対訳(試訳)を貼り付けておきます。
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【引用、対訳、開始】
http://www.telesurtv.net/noticias/secciones/nota/57990-NN/gobierno-de-bolivia-pide-cierre-de-programas-de-usaid-en-su-pais/
Gobierno de Bolivia pide cierre de programas de Usaid en su país
ボリビア政府、USAIDの国内での活動計画停止を要求
La organización Usaid había sido acusada por el gobierno de Morales de apoyar economicamente las campañas de los opositores Manfred Reyes y Leopoldo Fernández. Este último cumplió un año de detención el jueves en el penal de San Pedro de La Paz, tras ser acusado de ser partícipe en la ''masacre de Pando'' donde murieron unas 15 personas y hubo decenas de heridos.
USAIDは、反政府派であるマンフレッド・レイエスとレオポルド・フェルナンデスを経済的に援助しているとして、モラレス政権によって非難を受けていた。後者(フェルナンデス)は、15名の死者と数十名の負傷者を出した「パンドの虐殺」に加わったという容疑で逮捕されラパスのサンペドロに留置されて、先週木曜日に1年目を迎えたところである。
El ministro de Planificación del Desarrollo de Bolivia, Noel Aguirre, anunció a través de un comunicado el cierre de dos programas financiados por la Agencia estadounidense de Cooperación Internacional (Usaid), acusada de respaldar a la oposición de este país.
Aguirre afirmó a la prensa local que remitió la carta a Usaid a principios del pasado mes de agosto con el propósito de encarar un "proceso de reordenamiento que tenemos con respecto a toda la cooperación de Estados Unidos".
ボリビア開発計画大臣ノエル・アギレは、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)による二つの財政援助計画の停止に関する声明を発表した。USAIDは同国の反政府派を支援していることで非難を受けている。アギレは同国の新聞に対し、この8月初旬にUSAIDに「アメリカ合衆国の全面的援助によって引き起こされる無秩序状態の進行」と対決する目的の書簡を送ったことを明らかにした。
Los proyectos que cesarán su actividad son los de justicia y fortalecimiento de la democracia operados por Usaid que en conjunto manejan unos 14 millones de dólares, según declaraciones que el diario la Razón adjudica al canciller boliviano David Choquehuanca.
ボリビア政府が活動を停止させようとしている計画は、ボリビアの議員ダビッド・チョケフアンカが新聞ラ・ラソンに語ったところによると、約1400万ドルを提供するUSAIDによる法改革と民主主義強化の作戦である。
Por su parte el matutino La Prensa afirmó tener acceso a cuatro fuentes relaciones con la Usaid, quienes habrían confirmado que los proyectos de Centros Integrados de Justicia (CIJ) y Fortalecimiento de Instituciones Democráticas (Fidem) "preparan los balances de cierre de operaciones" hasta noviembre próximo.
一方で朝刊紙ラ・プレンサはUSAIDがこの計画に関連する4つの方法を持っていると主張した。しかしUSAIDはすでに、総合法律センター(CIJ)の計画と民主主義組織強化(FIDEM)がこの11月まで続く「計画の終了に向けての準備」を明らかにしている。
Según las fuentes consultadas por los medios del país andino, otros once programas de carácter social se mantienen inalterables.
だが同国のメディアの情報によれば、社会的な性格を持つ他の11の計画がまだ変更されずに残っているのだ。
Estados Unidos (EE.UU.) y Bolivia mantienen tensas relaciones desde el 2008 cuando el gobierno de La Paz expulsó el embajador, Philip Goldberg, y a la Agencia Antidrogas (DEA), tras las acusaciones de conspirar contra el proceso de cambio de este país.
アメリカとボリビアの間には、2008年にラパス政府が米国大使フィリップ・ゴールドバーグと麻薬取締局を同国の政権転覆を画策したとして追放して以来、緊張した関係が続いている。
Los vínculos con el norteño país se vieron también deteriorados desde que en noviembre último, Washington decidió anular una norma de preferencias arancelarias para las manufacturas y textiles bolivianos.
アメリカとの関係は、昨年11月にワシントンがボリビアの工業製品と繊維製品に対する特恵関税措置を打ち切る決定をして以来、再び悪化を見せている。
El presidente Evo Morales, el pasado miércoles criticó las declaraciones emitidas por el gobierno de EE.UU. donde acusaban a Bolivia de tener una mal trabajo en la lucha antidrogas. Morales aseguró que "no tienen ninguna autoridad moral" para cuestionarlos.
El mandatario reprochó que "Estados Unidos no nos permitió comprar equipos provistos con radares para la lucha contra el narcotráfico, Estados Unidos ya no aporta plata como antes y, por tanto, no tiene ninguna autoridad ni moral para cuestionar la lucha contra el narcotráfico".
大統領エボ・モラレスは先週の水曜日に、麻薬撲滅の作業を怠っているとしてボリビアを非難したアメリカ政府の発表を批判した。モラレス大統領は「彼らに道義を語る資格は無い」と断じ、次のようにアメリカを非難した。「アメリカは我々が麻薬撲滅のために必要なレーダーを備えた装置の購入を許可しなかった。アメリカはすでに以前のように銀貨をもたらすことがないがゆえに、彼らは麻薬密輸との戦いに疑問を出す資格も義理も持っていないのだ。」
Morales denunció además que Usaid respalda la campaña electoral de sus adversarios, el ex prefecto de Cochabamba, Manfred Reyes Villa y a su candidato a la vicepresidencia, el ex prefecto de Pando, Leopoldo Fernández, este último recluido por ser el responsable de una masacre de campesinos en septiembre de 2008.
加えてモラレスは、元コチャバンバ州知事マンフレッド・レイエス・ビジャや元大統領候補で元パンド県知事レオポルド・フェルナンデスなどの反モラレス派の選挙での戦いを援助しているとして、USAIDを非難した。このフェルナンデスは2008年9月に起こった農民虐殺事件の責任者として留置されている。
【引用、対訳、終り】
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