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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu198.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日米同盟関係は、米国が一方的に決めたものを日本が従うだけの関係
である。自立した抑止力は持たせないのが、対日安全保障政策である。
2009年8月16日 日曜日
◆米国が日本を見捨てて中国と組むことはない――ジョセフ・S・ナイ ハーバード大学教授 8月14日 東洋経済
http://www.toyokeizai.net/business/international/detail/AC/55eb8d24b84f62bf08e5a4ca2f051726/
来年、日米安全保障条約は50周年を迎える。同条約は半世紀にわたって東アジアの安定を支える要であった。しかし今、日本の国内政治が不透明さを増し、北朝鮮の核実験とミサイル発射が日本人の不安感を高めている。
日本は長年維持してきた「核抑止能力を持たない」という政策を逆転させるのだろうか。日米同盟は終焉を迎えつつあるのだろうか。
1990年初頭、多くのアメリカ人は日本を経済的脅威と見なしていた。両国の一部の人たちは、安全保障同盟を冷戦の遺物として放棄すべきであるとさえ考えていた。
こうした傾向は、95年のクリントン政権による「東アジア戦略報告」によって逆転した。「クリントン橋本宣言」の中に「日米安全保障条約は冷戦後の東アジアの繁栄を促進する安定の基礎である」と述べられている。この政策はアメリカでは超党派で引き継がれ、日本でも広く受け入れられてきた。両国関係を詳細に見てきた専門家も、現在の日米同盟は15年前よりはるかに良好であるという点で意見が一致している。
それにもかかわらず、日米同盟は新しい国際環境の中で三つの大きな課題に直面している。
一つ目は北朝鮮である。北朝鮮は条約を相次いで破棄している。北朝鮮に対して最も強力な影響力を持つ中国でさえ、レジーム崩壊に伴う両国国境での混乱を恐れ、強い態度に出られない。
日本は公式には非核世界を実現する目標を支持しているが、同時にアメリカの核抑止力に依存しており、北朝鮮(あるいは中国)の核による脅しの対象となることは避けたいと願っている。日本人は、アメリカが中国と均衡するまで核兵器を減らすことにより、核抑止力の信頼性が低下することを恐れている。
だが、核抑止力が核兵器の保有数の均衡によって決まると考えるのは間違いだ。核抑止力は核兵器の性能と核兵器に対する信頼感によって決まる。冷戦中、アメリカがベルリンを守ることができたのは、NATO(北大西洋条約機構)がアメリカの約束を信頼し、ソビエトの攻撃に備えてアメリカ軍が欧州の最前線に駐留していたからである。
日本に対するアメリカの核抑止力の保証は、日本に駐留する約5万人の米軍の存在にある。信頼は大陸間ミサイル防衛の開発などの共同プロジェクトの実施で強化されている。
同様に重要なことは、アメリカが同盟国を重視していることを示し、アジア政策で日本を素通りするような政策をとらないと保証することだ。これが、クリントン国務長官が最初に日本を訪問した理由である。同じく、米中関係において、多角的な協力関係ではなく、2カ国だけのG2を推進することは誤りである。
ジャパンパッシングが杞憂である2つの理由
二つ目の課題は、中国経済の急速な台頭である。中国は重要な貿易相手国であるが、日本は中国のパワー増大に神経質になっている。90年代に日米安保条約の再交渉が行われたとき、日本の指導者たちは「米国は中国を優先して日本を捨てるのではないか」と個人的に質問してきた。
そのとき(現在でもそうだが)、私は「そうした懸念はない」と答えた。
その理由は二つある。まず、中国はアメリカにとって潜在的な脅威であるが、日本はそうではないこと。もう一つは、アメリカと日本は民主主義の価値観を共有しているが、中国は民主国家ではないことだ。
さらに、中国の国内情勢の行方は依然として不透明である。中国は歴史的に見ればはるかに自由になっているが、政治制度の改革は経済的進歩よりもはるかに遅れている。中国は国民の政治参加の問題をまだ解決していない。中国が国内問題を押さえ込むためにナショナリズムに訴える危険性はつねに存在している。
同時に中国の台頭が、中国の指導者が言うように、平和かつ調和的なものであれば、日米中の3カ国の利益にかなう。これが、中国を世界へ統合させる戦略をとるとともに、不確実性に対するヘッジを行うことが、日米両国にとって意味がある理由である。ここに日米中による協力や他の地域的協力に取り組む根拠が存在する。
第三に、日米同盟は疫病やテロ、破綻国家からの難民の流出といった、両国の利害にとって極めて重要な新しい課題にも取り組まなければならない。中でも特に重要なのは、地球温暖化による脅威である。この分野では日本が強みを発揮できる。
一部の日本人は日米同盟の安全保障の内容が不平等であると不満を漏らしているが、こうした新分野において日本は強力なパートナーである。アフリカからアフガニスタンに及ぶ地域への開発援助、世界の保健プロジェクトへの参加、国連支援、海賊掃討作戦への参加、エネルギーの効率化のための研究開発の取り組みで、日本は最前線に立っている。
現代のこうした課題を前提とすれば、世界全体に恩恵をもたらす国際的な公共財の提供において、日米は協力し、対等なパートナーシップを形成することができるだろう。それこそが、私が日米同盟の将来に関して楽観的な理由である。
Joseph S.Nye,Jr.
1937年生まれ。64年、ハーバード大学大学院博士課程修了。政治学博士。カーター政権国務次官代理、クリントン政権国防次官補を歴任。ハーバード大学ケネディ行政大学院学長などを経て、現在同大学特別功労教授。『ソフト・パワー』など著書多数。
◆日米同盟の正体を明かした外務省OB 3月22日メルマガ第0113号要旨 天木直人
http://www.asyura2.com/09/senkyo60/msg/1044.html
1.日米安保条約は、2005年10月29日の日米外務・国防大臣間の合意(日米同盟:未来のための変革と再編)によってとって代わられた。しかし政府・外務省は、国民には、何も変わらない、といい続けてきた。
2.日米同盟関係というが、実態は、守屋元防衛次官が認めているように、米国が一方的に決めたものを日本が従うだけの関係である。そもそも自主、自立した安全保障政策を持たない日本なのだから、「共通の戦略」などあろうはずはない。米国の戦略に従うほかはない。
3.日本に国際貢献を求める米国の狙いは、政治的に受け入れやすいものからはじめて、最後は軍事協力に行かざるをえない状況にもっていくことである。PKOや人道支援、文民協力を言い出し始めたのはその戦略のあらわれだ。
4.日本人は安全保障問題を軍事的、戦略的に考える事ができないので、経済を絡ませて説得すればいい、と米国は考えている。石油に依存する日本は中東問題に貢献しなければならない、などというのがその好例である。
5.危険の分担は求める。しかし自立した抑止力は決して持たせない。これが米国の一貫した対日安全保障政策である。
6.米国の重要な外交は謀略でつくりだされてきた。南北戦争も真珠湾攻撃も9・11も、それをきっかけに国民を戦争に駆り立てる謀略だった。米国は北方領土問題でみずからの立場をわざと曖昧にし、日本とロシアを永久に争わせる、それが米国の戦略だった。
7.日米同盟を唱える者たちは、米国の戦略が正しいと思ってそう言っているのではない。損得勘定で得だと考えたからだ。「議論で勝って(正しい政策を主張して)、人事で飛ばされる」、それが組織で生き残る知恵だ。なんと寂しいセリフだろう。
8.いまの米国の安全保障政策の要は中東政策である。その米国と軍事的一体化を進める日米同盟強化が、国益なのか。日本国民のためなのか。
9.日本ではいま、ミサイル防衛が国防の柱になりつつある。しかしそれは有効ではない。ミサイルが真に怖いのは核弾頭を搭載した場合である。 そしてそのミサイル攻撃に最も脆弱なのは日本なのだ。日本はミサイル戦争をしてはならない国である。
(私のコメント)
ジョセフ・ナイ氏の記事を読むと、日本側が考えているに日米同盟とアメリカ側が考えている日米同盟とにズレがあるようだ。オバマ政権は米中によるG2体制を打ち出しているが、それは日本を米中で封じ込める事を意味しているのではないかという懸念があるが、ナイ氏は中国を潜在的脅威であり中国は民主国家ではないと打ち消しているが、米中会談では一切このような議題は出なかった。
米中戦略対話では、アメリカ側から人権問題やチベットやウイグルの問題は一切議題に持ち出さないという事は、アメリカはこのような事を黙認したということを意味するのではないか? もし持ち出せば中国は反発して対抗手段を打って来るだろう。そのような事は中国にとっても利益にならないが、面子を潰されれば中国は外交的利害に囚われずに対抗するだけのプライドがある。
そもそもアメリカにとって中国の台頭は潜在的脅威を増すだけなのに、アメリカの経済界金融業界は中国に対して集中的投資を行なって来た。その結果中国は毎年10%を越す高度成長で日本を追い越すまでに至っている。アメリカが日本を棄てて中国と手を組むというのは既成事実であり、毎年二回行われる米中戦略対話でもそれを裏付けている。
90年代における「日本たたき」が行なわれて日本経済が長期的低迷に陥ったのは、ナイ氏が認めているように日本が経済的脅威になったからですが、中国に対してチャイナバッシングが行なわれる気配はない。人民元の為替問題にしても米中会談で問題にもされないのは、間接的に日本に対する経済的締め上げ行為になるのですが、異常なほどの元安はアメリカに赤字をもたらし中国に外貨準備高を増大させている。
アメリカの中国に対するか偉大な態度と日本に対する要求を絶えず突きつけてくる態度は180度異なる。中国はロシアと上海協力機構を作りアメリカと対決する姿勢を見せつつ、アメリカに妥協を引き出しているが、日本はアメリカに対決する事は考えられないからアメリカは遠慮会釈も無く日本の要求を突きつけてくる。
アメリカの不可解な外交は北朝鮮にも現れており、北朝鮮のアメリカに対する敵対に対してアメリカは驚くほど寛容だ。イラクには大量破壊兵器が隠されていると言う事で戦争まで仕掛けたのに、北朝鮮が核実験をしてもミサイル実験をしてもテロ支援国家を解除するほどの寛容さだ。裏には何かあるのでしょうが、日本をアメリカの核の傘においておく為の謀略なのかもしれない。
クリントン元大統領は北朝鮮に行ってアメリカ人記者を取り返してきましたが、これはアメリカと北朝鮮に見えないパイプがある事を意味しており裏取引があるのだろう。日本はアメリカの外交政策に一方的に協力させられるばかりで、絶えず要求を突きつけられている。日本には日本の主張があるのでしょうが、日本の政治家はアメリカの高官の前に出ると何も言えなくなってしまう。
ナイ氏は「アジア政策で日本を素通りするような政策をとらないと保証する」と述べているが、「2カ国だけのG2を推進することは誤りである」とも述べている。しかし現実にはガイトナー財務長官は日本を素通りして中国に行ったし、ワシントンでは米中戦略対話が行なわれて、オバマ大統領は中国が「世界のどの2国間関係より重要だ」と述べたように矛盾している。
ナイ氏は別にアメリカ政府の高官ではないし、一大学教授に過ぎない。ナイ氏のように日本重視を言うアメリカ人は少なくなり、アメリカにとって日本は軽く見られるようになった。サミットでも麻生首相はオバマ大統領との正式会談も応じてもらえなかったし、アメリカにとって日本は数多くの同盟国の一つに過ぎなくなってきている。
ドイツやフランスはアメリカとは一線を画した外交をするようになり、ロシアとの関係を深めている。そのためにアメリカは孤立して中国と組まなければならなくなりG2を言い出したのでしょうが、これは日本を孤立させてアメリカ不信感を増大させる中国の戦略でもあるのかもしれない。米中が親密になればなるほど日本は米中の圧迫から逃れられなくなる。
日本よりも米中のG2体制に危機を感じているのは台湾や韓国であるのですが、アメリカ軍は韓国からも撤退しつつあり核を持った北朝鮮は韓国を伺っている。中東で手一杯のアメリカ軍は朝鮮半島や台湾海峡で戦争が起きても回せる陸軍はない。イラクに州兵を借り出しているくらいであり、中東と極東で戦争できるような状況にはない。にもかかわらず日本の防衛体制はアメリカに丸投げであり、その点で日米に意識のズレが生じている。
アメリカの戦略は日本に危険の分担は求めるが、自立した防衛体制は取らせないと言うのが戦略だ。アメリカの北朝鮮に対する腰の引けた対応は日本を不安にさせるものですが、金ばかりかかるMDを日本に押し付けてきた。それくらいなら日本が核武装した方が手っ取り早いと思えるのですが、アメリカは日本に対して金だけ出させて核武装はさせない。
在日米軍対する評価も微妙なズレがあり、5万の在日米軍が抑止力になっているというが、中国が中距離ミサイルを大量に持つようになって在日米軍は沖縄の海兵隊などをグアムに移転させようとしている。つまり在日米軍はもぬけの殻になり日米安保は空洞化している。数百発のミサイルが中国や北朝鮮から飛んできたら防ぎようが無い。それにもかかわらず自民党政府はアメリカに防衛を任せきっている。
民主党政権が日本に出来ればアメリカとの密約が明らかになり、摩擦が大きくなるかもしれない。非核三原則もアメリカとの密約で日本に持ち込まれているようですが、知らないのは日本政府だけなのだろう。安保条約にもいろいろ密約があるようですが政府は国民に知らせないままにしている。せめて民主党政権では日米地位協定や在日米軍基地の見直しなどに取りかかってほしいものだ。そうでなければ政権交代した意味がない。