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7月31日9時55分配信 琉球新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090731-00000004-ryu-oki
【東京】中学校の歴史教科書の沖縄戦の記述に関し、1997年版では多くの教科書が掲載していた「集団自決(強制集団死)」に関する記述について、現行の2006年版の大半の教科書では出版社側によって検定前の申請時点で削除するなど、沖縄戦の記述や表現が後退していたことが30日分かった。中学校教科書の06年版の検定実施は04年度。06年度に高校教科書検定で「集団自決」の軍強制の記述が削除される前から、出版社が自主規制で軍の強制によって「集団自決」が行われた事実をあいまいにする動きがあったことが明らかになった。
「子どもと教科書全国ネット21」(俵義文事務局長)など5団体が30日、東京都の文京区民センターで行った会見で発表した。俵氏は「97年版の教科書は事実に基づいた記述が行われていた。『新しい歴史教科書をつくる会』が戦争を美化した教科書を執筆するなど沖縄戦の事実を改ざんしようという流れがある中で出版社の自主規制で記述が変えられた」と指摘した。
中学の歴史教科書は新しい学習指導要領のもとで来年4月から新たな教科書検定が始まるため、現在は原稿の執筆段階に入っている。このため5団体は7月上旬、中学、高校の教科書で「日本軍の強制」の記述復活など沖縄戦記述の改善、充実を各出版社と執筆者に文書で求めた。現時点で返答はないという。5団体は各社の対応を確認した上で今後の運動を検討するという。
教科書出版社5社6冊の中学教科書中、97年版にはすべて掲載されていた「集団自決」の記述が06年版では2冊で削除され、3冊は「集団自決」の記述自体は残ったものの、誰が「集団自決」を迫ったかという部分があいまいにされていた。1冊は97、06年版ともに「強制されて集団自決した」と同じ記述になっている。
日本出版労働組合連合会が24日、文部科学省に対し、高校日本史教科書の検定意見の撤回を求め要請した。連合会によると、文科省の担当者は「検定意見は学術、専門的な観点で適切に行われた」とする見解を繰り返し、検定意見の撤回は否定したという。