★阿修羅♪ > 戦争a9 > 623.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
米軍のタリバン掃討作戦、鍵を握るアヘンの存在【ロイター】
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-38864220090704?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
2009年 07月 4日 16:41 JST
[カブール 3日 ロイター]
米軍はアフガニスタンで開始したイスラム武装勢力タリバンの掃討作戦で、世界最大のケシ(アヘンの原料)栽培地であるヘルマンド川下流地域をほぼ制圧した。
アフガンの麻薬栽培やアヘン貿易をコントロールすることは、対タリバン戦の鍵を握る要素となっている。
◎ケシの栽培面積とアヘン生産量
国連の統計によると、世界で生産されるアヘンのうち、アフガニスタン産は93%を占める。2008年のアフガニスタンのケシ栽培面積は15万7000へクタールと、2007年の19万3000ヘクタールから19%減少。しかし、収穫自体は高水準だったため、アヘン生産量は前年比6%減にとどまった。
国連薬物犯罪事務所(UNDOC)の調査によると、2008年のアフガンから他国へのアヘン輸出額は34億ドル。アヘン価格の下落もあり、2007年の40億ドルから減少した。
◎アヘンとタリバンの関係
タリバンは資金面を主にアヘン貿易に依存している。ケシ栽培量やアヘン生産量が減少し、取引価格も下落したが、UNDOCはタリバンなどの「反政府勢力」が、依然として「麻薬取引から莫大な資金」を得ていると指摘する。
UNDOCのアントニオ・マリア・コスタ事務局長はさらに、タリバンが抱えているアヘンの在庫にも注意すべきだと指摘。2008年の報告書で同事務局長は「過去何年もアフガンのアヘン生産量は世界の需要量を上回ってきた」とした上で、供給過剰でもアヘン価格が大崩れしなかったのは、タリバンが在庫を積み上げているからにほかならないとの見方を示している。
◎タリバン掃討作戦への影響
アフガン駐留米軍のスタンレー・マクリスタル司令官が率いるタリバン掃討作戦にとって、アヘン問題の解決が重要課題であることは間違いない。マクリスタル司令官を含む米軍幹部は、アフガニスタンでの新たな作戦は、現地で普通に生活する市民の信頼や支持を得ることが大事だと話す。
一方、現地の農家がケシ栽培によって手にできる収入は頭の痛い問題。ケシ栽培を禁止するなどして農家の生活の糧を奪えば、タリバン掃討に向けて彼らの協力を得るのは非常に難しいものになるだろう。
アフガン農家の総収入に占めるケシ栽培からの収入の比率は、2007年には10対1だったが、2008年には干ばつの影響もあって3対1まで高まっている。
◎ケシ撲滅の見直し
オバマ政権でアフガニスタン・パキスタンを担当するリチャード・ホルブルック特別代表は先の主要8カ国(G8)外相会合で、ケシ栽培の撲滅方針を見直すと表明。「ケシの収穫に対する西側のやり方は間違いだった。タリバンに何も打撃を与えられなかった一方、農家の仕事を奪ってしまった」と述べた。
ケシ栽培撲滅はコストがかかるだけでなく、危険も伴う。UNODCによれば、2008年にはケシ撲滅に関わった人のうち、警察官を中心に少なくとも78人が殺害された。
ケシ撲滅を支持する人たちも、このことが幅広い麻薬対策のほんの一部に過ぎず、農家がケシ以外の代替作物を栽培できる場合にのみ実行できると認める。
ホルブルック特別代表は、今後は原料側を抑えるのではなく、麻薬や薬物の追跡や押収に集中するとしている。