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6月2日1時25分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090602-00000505-san-pol
自民党が年末の「防衛計画の大綱」改定に対して行う提言の最終案が1日、明らかになった。原案を修正し、平成15年度予算以来の防衛費・防衛力の縮減方針を撤回して防衛費と自衛官を維持・拡充すべきだとの政府への要求を新たに明記した。
核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮、空母建造など軍拡を進める中国、軍事力が復調傾向のロシアに囲まれた安全保障環境悪化への対処や、増える国際平和協力任務に「予算と人員が縮小を続ける自衛隊が応じきれない」(国防関係議員)ことが背景にある。
最終案は「提言・新防衛計画の大綱について」と題し、党国防部会の防衛政策検討小委員会(今津寛委員長)が5月26日の原案を修正した。政府の経済財政政策の指針である「骨太方針」の中の防衛費縮減の見直しも求めた。近く正式決定し政府へ提出する。
縮減方針の撤回要求は、政府に防衛力整備を軽視する姿勢からの転換を促すものだ。理由として提言の最終案は、「新しい安保環境から期待される防衛力に対して、縮減されつつある防衛力は、質・量とも不十分だ。陸海空自衛隊ともやりくりの限界を超えている」と指摘した。
さらに、「安全保障能力の整備は一般の公共事業と同列に扱われる(べき)ものではない。諸外国の防衛力整備状況も考慮して、必要な予算及び整備基盤の維持・拡充を行うべきだ」とした。日本を除くアジアのほとんどの国は防衛費を削減せず防衛力整備に努めていることが念頭にある。
具体的には、南西諸島周辺からグアム島方面にかけての領域で、中国軍に対する「航空・海上優勢の確保」などを明記した。
最終案は、内閣直轄の対外情報機関の創設▽安倍政権が推進し福田政権が見送った「国家安全保障会議」(日本版NSC)の創設▽「国境離島(防人の島)新法」制定と離島の領域警備体制充実も新たに加えた。
原案にあった敵基地攻撃能力の保有には党内に慎重論もあるため、最終案は「(同能力の保有は)より強固な日米協力体制を確立する」との記述を加え理解を求めた。
さらに、原案にあった敵基地攻撃能力としての海上発射型巡航ミサイル導入▽米国を狙う弾道ミサイルの迎撃などの集団的自衛権の行使容認▽他国との共同開発のための武器輸出三原則の見直しも盛り込んだ。