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アメリカの戦略は、日本に自主防衛させてはならないが、中国の軍備増強に反対しない。日本は、米中両国が共同して封じ込めておく
http://www.asyura2.com/09/wara8/msg/318.html
投稿者 TORA 日時 2009 年 4 月 18 日 14:32:48: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu190.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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アメリカの戦略は、日本に自主防衛させてはならないが、中国の軍備
増強に反対しない。日本は、米中両国が共同して封じ込めておく事だ。

2009年4月18日 土曜日

◆仮想敵国日本 4月12日 田中良紹
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2009/04/post_183.html#more

アメリカが日本を「仮想敵国」と見て作戦計画を立てた事が二度ある。一度目は戦前で、日本が日露戦争を始めた明治37年に「ウォー・プラン・オレンジ(オレンジ作戦計画)」が策定された。計画では米軍がサンフランシスコからオアフ、ミッドウェイ、グアム、フィリッピン、沖縄というルートで日本本土を攻撃する。

 ところがその翌年に日本海海戦で日本はロシアのバルチック艦隊を撃破した。世界も驚いたが、最も驚いたのはアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領である。太平洋が日本海軍に制覇される恐怖を感じた。ルーズベルトは議会の反対を押し切ってハワイの要塞化を進め、大西洋艦隊に太平洋巡航を命じた。日本攻撃の予行演習である。大統領は勿論日本に対しては味方のような顔をした。日本を対ロシアの防波堤にする必要があったからである。そのせいか日本は大西洋艦隊の演習をアメリカが日本との同盟を強調していると勘違いし、時事新報は日本に寄港した艦隊を「友好の印」と書いた。「仮想敵国」に味方と思わせることこそ外交の要諦である。後に太平洋戦争でアメリカは「オレンジ作戦」の通りに日本を攻撃した。

 二度目は戦後の経済戦争である。日本の高度経済成長は世界を驚かせた。そして自動車、家電製品などの集中豪雨的な輸出攻勢に海外の製造業は大打撃を受けた。「日本は倒産と失業を輸出している」と外国は非難したが、日本の輸出攻勢は止まらなかった。最も深刻な影響を受けたのはアメリカである。ベトナム戦争の出費もあり、双子の赤字に苦しむアメリカは反撃を開始した。

 第一撃は1971年の「ニクソン・ショック」である。アメリカのニクソン大統領が突然金とドルとの交換を停止、金に裏打ちされた固定相場制を変動相場制に変えた。1ドル360円時代は終わり、円高が始まって日本の輸出産業は打撃を受けた。しかしそれでも日本の輸出は止まらない。輸出で外国からドルが流れ込み、それを外国に貸してまた利息を得る。1985年、遂に日本が世界一の金貸し国、アメリカが世界一の借金国になった。

 アメリカは第二撃を繰り出す。「プラザ合意」である。1ドル200円台の円相場を100円台に誘導した。日本の輸出産業は再び打撃を受けたが、それでも外需依存は変わらない。それどころか日本の低金利政策はバブル景気を作り出し、国中が土地投機に走り、金融機関の弱みを握った暴力団が銀行の資金でアメリカの不動産を買い漁った。日本経済はアメリカにとってソ連以上の「脅威」となった。日本にもソ連と同様の「封じ込め戦略」が必要と認識された。

 アメリカは日本の経済構造を徹底的に分析し、政官財の癒着構造をあぶり出し、司令塔が官僚機構にあることを突き止めた。日本の弱点を知り尽くした上でアメリカは日本の牙を抜く作業に取りかかった。ところが冷戦崩壊とバブル崩壊が一緒に来て、アメリカの作業を待たずに日本経済は自滅した。

 高度成長のからくりは「官僚主導の計画経済」とそれを支える「国家総動員態勢」にある。官僚の作る「政策」が完全遂行されるように、政権交代を求めない野党と行政指導に逆らわない企業、そして国民の目をくらますメディアの協力で高度成長は成し遂げられた。その構造にひびが入り、日本は「失われた時代」を迎えた。

 日米安保体制は日本をアメリカの核の傘で守ると同時に日本を自立させない方法である。それは中国も北朝鮮も知っている。彼らは日米安保こそ日本を強力な国家にしない「ビンのふた」だと思っている。彼らはアメリカだけを向いていれば自国の安全を図る事が出来る。日米安保の存続は、アメリカ、中国、北朝鮮のいずれにも共通の利益である。

 そこでアメリカは考えた。戦前は日本の軍事的脅威、戦後は日本の経済的脅威にさらされた。冷戦後は二つの脅威を同時に封じ込める必要がある。冷戦崩壊後の世界をこれまでとは全く異なる視点で見ているアメリカが、アジアにだけは冷戦が残っているとの口実で日米安保を存続させ、それに経済を絡めた。

 アメリカにとって中国は最大の市場であり、朝鮮半島、ロシア、中央アジアをにらむ時のパートナーである。北朝鮮の存在は日本にアメリカの軍事力のありがたさを思い起こさせる。奇妙なことだが、中国と北朝鮮は日米安保があるから日本を脅威に感じず、日本は中国と北朝鮮の脅威があるから日米安保を必要とする。そして自力で自国の安全を守れない国はどのような経済的要求にも応えなければならない。

 日米安保はアメリカにとって見事なまでに「日本封じ込め」を可能にした。だから金融危機で苦境に立つアメリカが苦境を分け与える相手は日本である。日本にカネがある限り日本のカネを利用できる。これがアメリカの対日戦略である。何が起きても日本は「日米同盟強化」を言い続けなければならない。こうして「仮想敵国日本」はアメリカの前から消え失せた。 

◆バラク・フセイン・オバマ大統領(32) 3月9日 chinkoro中国の反日政策
http://poseidon.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/03/post_c783.html

(1)3回のパラダイム・シフトの項では、米政府は1942年から「日本に自主防衛させない」と決めていたと、Michael Sherry, “Preparing for the Next War”YaleUniversity Pressを引用して記述しているが、伊藤貫氏は「正論・1月号」にも「オバマ米新大統領の”チェンジ”が日本にもたらすもの」とする一文を載せている。それによると、1941年8月の時点で、アメリカ政府は既に「戦後の日本を、永久に武装解除すると決めていた」と、キッシンジャー元国務長官は記述している、と述べている。アメリカは「日本を戦争に追い込む」ことを計画し、そして叩き潰して「2度と自主防衛できない国にする」ことを、日米戦争が始る前に既に決めていたのである。

そして2008年の米民主党にも「アメリカは日本に自主防衛させてはならないが、中国の軍備増強に反対する必要はない。日本は、米中両国が共同して封じ込めておくべきだ」と考えている者が多い、と述べている。クリントン夫妻、ホルブルック特別代表(元国連大使)然り。1942年のF.ルーズベルト大統領の「米中による日本封じ込め」政策と同じ考えであり、米民主党の親中嫌日的な政策は、いつまでたっても変わらない。共和党でも同じであると言う。

ブッシュ(息子)は2003年ごろまでは親日的であったが、2004年以降、父親やキッシンジャーに説得されて、「米中両国で日本を封じ込めておく」と言うアジア戦略に賛同するようになる。そして「日本を押さえつけておく為に必要だ」と納得して、2008年米朝合意をしたのである。ジョージ・W・ブッシュは、決して親日ではないし、アメリカに依存する外交政策は間違いである。

米ソ冷戦の終わった後も、政治家や国際政治学者の著作や論文には、「日本は、アメリカの保護領に過ぎない」とか「実質的な属国である」と描写されていると言う。21世紀になった現在でも、「日本に、永久に自主防衛能力を持たせない。日本が2度と外交政策を実行できない国にする」と言うアメリカの日本に対する基本的考え方は継続されており、変わっていないと言う。

今後、オバマ政権が日本に対して表面的にはどんな甘い言葉を使おうが、日米関係のこの基本的な構造からは外れることはない、とこの筆者は結論付けいてる。そして、「オバマは計算高い民主党のポリティシャン(政治屋)であり、2012年の大統領再選に不利になるような言動はしないだろう」と言っている。

彼は信念タイプの政治家ではなく、政治を一種のゲームに勝つように立ち回る「ゲームズマン・タイプ」の政治家とみなしている。そのためオバマは、自分の政治キャリアに不利になるような言動を徹底的に避ける。そのため、「変革」は掛け声だけであろうと予測している。そしてこの対日戦略の枠組みからは決して外れることはないし、中国と真正面から対抗してまで、日本や台湾を守ろうとはしないであろう、と予測している。

たった1回の戦争に負けただけで、「自分の国は自分で守る」と言う当たり前の義務を果たすことをやめてしまった日本は、今後、「偉大な中華帝国」の属領となるだろう。そして、日本が中国勢力に併合されても、世界中、どこの国も日本に同情しないだろう。

日本と言う国は、北朝鮮が核武装し、日本の女性や子供を拉致しても、自国の国民を自分で守ろうとすらしない国である。そんな卑怯な国に同情する国など、世界中に存在するわけが無い。このように結論付けている。しかし、そこから脱却する為の方策も述べている。

それは先に述べたように、

・自主的な核抑止力を含む自主防衛能力を構築すること。

・同盟関係を多角化すること。

これらのことは先に述べた提案と同じであるが、三つ目はまともなものであり是非とも実現させたいものである。

・兵器の確保や軍事技術の開発について、アメリカだけに依存せずに、ヨーロッパ、インド、ロシア、イスラエルとも、共同して進める必要がある、と提案している。

「米中両国に弄(もてあそ)ばれる」日本外交から脱却する為には、多極化したバランス・オブ・パワー外交が必要なのである。日本の同盟関係と軍事・外交・技術の協力関係を多角化し、多極的なバランス・オブ・パワー外交を推し進めることが、日本の生き延びる道である。さし当たっては、F−22なんぞの採用にこだわらず、ブラックボックスを設けないとしている「ユーロファイター」を採用することである。


(私のコメント)
アメリカの見えない国家戦略は、アメリカの外交をよく分析しないと見えてこない。アメリカの大統領の言っている事とやっている事が矛盾しており、同盟国の日本を叩き潜在敵国の中国と戦略的パートなシップを謳う外交は、日本人には理解に苦しむ事だ。北朝鮮のミサイル発射を巡る安保理決議も日本はアメリカに裏切られて議長声明で終わってしまった。

ソ連崩壊以降のアメリカの外交の基本は、ナンバー2である日本を徹底的に抑え込む事であり、戦略的パートナーである中国と組んで日本を弱体化させることだ。日本を弱体化させることで超大国となる中国から守ってやると言う姿勢で在日米軍を半永久的に置いて日本から金を出させるのがアメリカの国益になる。

今週もパキスタン支援国会合が東京で開かれますが、アフガニスタン支援国会合もイラク支援国会合も日本は参加して大金を支援していますが、日本は金をばら撒くばかりでそれを外交に生かしているとは言えない。アメリカは金が必要な時だけ日本にすり寄ってきて金を出させる。EUは全体でも6億ドル程度なのに日本は10億ドルも出す。

経済援助は外交政策として必要ですが、自主的なものでなければならない。イラクにしてもアフガニスタンにしてもパキスタンにしてもアメリカがさんざんボコボコにしてきた国であり、ボコボコにしてから助けてあげると言った自分勝手なアメリカの行動に日本がお付き合いをしてあげる理由は無い。

日本はむしろアメリカの自分勝手な行動を諌めるべき立場なのですが、むしろ日本の首相は従属的な態度を振舞うのが通例になっている。アメリカは世界の警察官と言うよりもマフィアの親分と言うべき国であり、敵であるマフィアには友好的な態度で接して、部下に対しては血の粛清でマフィアの秩序を守ろうとする。

グルジアもアメリカにとってはかわいい子分のはずですが、ロシアのとの武力衝突を避けてグルジアを裏切ってしまった。韓国も台湾も中国との対立を避けるためには切り捨ててしまうかもしれない。イラクやアフガニスタンには戦争を仕掛けておきながら、極東では戦略的な撤退が続いている。北朝鮮が核を開発したりミサイル実験をしても制裁するつもりは無いようだ。

日本の外交は吉田ドクトリンに変更はないようですが、米ソの冷戦構造では有効な戦略でも、冷戦が崩壊して米中によるG2体制を目指しているアメリカに対しては吉田ドクトリンは時代錯誤である事に政治家も国際政治学者も気が付いていない。むしろアメリカは中国と連携して日本封じ込め戦略をとっているものと見られる。それは90年代のクリントン外交を見れば明らかだ。

アメリカは冷戦崩壊以降の敵の姿が見えなくなって疑心暗鬼となり、誰が敵で誰が味方であるかを見失ってしまった。9・11テロ事件における常軌を失ったアメリカの態度は世界を震え上がらせましたが、結局はイラクとアフガニスタンを血祭りに上げて鬱憤を晴らした。だからその矛先がいつ日本に向けられるかもしれない注意が必要だ。

アメリカの唯一の弱点は経済力が衰退して来た事であり、ドルの基軸通貨体制に軋みが生じてきている事だ。アメリカはIT革命だとか金融革命だとか言う幻想を作り上げては世界から金を集めて金融帝国を作って世界支配を目指そうとした。しかしIT革命も金融革命もガセである事がばれてバブル崩壊が起きている。

もしかしたらオバマ大統領はアメリカのゴルバチョフなのでしょうか? ソ連の崩壊も経済の行き詰まりからおきましたが、アメリカも経済が行き詰ってアメリカ軍もイラクやアフガンで勝利なき戦いを続けている。このような状況にもかかわらず日本は能天気にアメリカ従属姿勢を続けているのですが、90年代の日本叩きに懲りてアメリカに対して何も言えない。

アメリカ政府は80年代から何度も日本政府に対して戦略的対話を呼びかけましたが、日本からはなんらの戦略構想も打ち出す事が出来なかった。それがアメリカの疑心暗鬼をよんで日本叩きに繋がったのだろう。しかし叩いたところで日本はアメリカへの従属しか打ち出せなかったから呆れ返ってしまった。集団的自衛権すら放棄しているのだから同盟国ですらないと言う事になる。

しかし集団的自衛権を認めればアメリカがイラクと戦争をすれば日本もイラクと戦争する事になり、アフガニスタンにも軍隊を派遣する事になる。小泉内閣の時にも自衛隊の出動が求められましたが復興支援という名目で自衛隊が出た。インド洋への補給活動も、ソマリア沖での海賊対策でも自衛隊が出動していますが、何らかの戦略に基づいた行動なのだろうか?

アメリカの日本弱体化政策と集団的自衛権は矛盾した政策に見えますが、日本をアメリカの完全なコントロール下に置くという見方からすれば矛盾しない。自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入り植民地軍としての忠誠を求められている。中国がこのまま軍事大国化して台湾や朝鮮半島に戦争を仕掛けてきたら、アメリカ軍の指揮下で自衛隊が中国と戦う事になるのだ。

田中良紹氏のブログでも日本を自立させない事がアメリカの戦略であり、明治維新以来米英にとっては日本は番犬であり、清朝や帝政ロシアと戦争させられてきた。それと同じような状況に日本はあるのですが、集団的自衛権を認めれば再び日本はアメリカの番犬になってしまう。

このような複雑な状況では日本独自の戦略を言えと言っても無理なのであり、日本はアメリカの番犬になるまいと無言の抵抗を続けているのですが、アメリカの方も米中によるG2体制と言うフェイントを出してきた。地政学的に言えば大陸国家である中国とアメリカとは同盟国とはなり得ない。中国が大国化すればするほどアメリカとの利害の衝突が起きる。その点から言えばブレジンスキーのG2体制発言は気が狂ったとしか思えない。

日本は日米安保条約によって国内にアメリカ軍の基地で固められてしまっている。こんな状態で外交や軍事を考えろと言うのは無理な話で、どうしたら日本は真の独立を勝ち得るしか当面の目標は無い。アメリカが衰退して行って自発的に日本から出て行ってくれる事を願うしかないのであり、在日米軍が日本に駐留している限り日本が独立国であるというのは幻想に過ぎない。


 

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