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2009/4/6 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/72950
北朝鮮の朝鮮労働党関係筋が「人工衛星を4日に打ち上げる」と明言していることが分かった。雲が多く発射に適さないとの見方もあったが、それを打ち消した格好。麻生首相は「発射強行なら国連安保理決議違反」と息巻いている。こんなバカ騒ぎの裏で、防衛利権に群がる連中は、ぺろりと舌を出しているのだ。
「人の国の真上に向かってロケット実験しているのは北朝鮮だけ」「国民に危機が及ぶことは全力で阻止する」――麻生首相が勇ましい発言を繰り返している。
むろん、ワケの分からない物体が頭上を飛ぶなんて不気味だし、国民の安全は絶対に守ってもらいたい。しかし、今回の騒ぎはどうもおかしい。
ミサイルか人工衛星か知らないが、麻生首相は危機をあおり、非公開が前提のミサイル破壊措置命令の発令も公開した。秋田と岩手に実戦配備される地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊の車両30台が高速道路を北上する姿まで報道陣にさらしている。それでいて政府は「日本に飛来する恐れは認められない」としているのだから、国民は混乱してしまう。
「『憂国』と『腐敗』 日米防衛利権の構造」の著者でジャーナリストの野田峯雄氏が言う。
「政府は自ら実戦化した舞台をつくり、戦闘への備えを進めています。これが本気なら、PAC3配備という隠して当然の軍事行動について、なぜマスコミを集めて見せびらかすのか。原子力発電所の燃料運び込みですら、ダミーの車両を走らせるなど細心の注意を払っています。それなのに軍事機密は、だだ漏れで偽装工作もしない。常識では考えられないことをやっているのです」
●やれもしないのに実戦配備の大宣伝
これだけ備えても迎撃は不可能だ。北朝鮮の銀河2号は、日本の頭上を通過する10分後には上空300キロを飛行する。一方、海上自衛隊のイージス艦から発射される迎撃用ミサイルSM―3の上昇限度は250キロ程度。撃ち落とそうにも届かない。
PAC3なんて射程は半径20キロ。せいぜい落ちてきた物体を破壊する能力しかないが、それこそ鴻池官房副長官が言うように、「鉄砲の弾を鉄砲の弾で撃ち落とすようなもの」でムリ。現実には手も足も出ないのだ。
それでも大騒ぎしているのは、ミサイル防衛(MD=ミサイル・ディフェンス)計画が利権になっているからだ。
「計画を推進する米国に両手を引っ張られ、日本は小泉政権の04年度からMDに予算を付けてきました。その総額は、09年度概算要求額を含めると8076億円に上ります。これに群がっているのが、日米の軍需企業群と政治家たち。とかく政治家は安全保障とか憂国の情とかきれい事を並べますが、本当の動機は不純。北朝鮮危機は防衛利権で甘い汁を吸う連中に利用されているわけです」(野田峯雄氏=前出)
そんなことは百も承知のはずのNHKは連日、北朝鮮の問題をトップの扱いで報じている。戦争をビジネスにしている連中のために、大宣伝してやっているのだ。この国は、やはりおかしい。
(日刊ゲンダイ2009年4月3日掲載)
2009/4/6 10:00 更新