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政治的思惑、技術トラブル、悪天候…発射見送りに憶測飛ぶ【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00766.htm
北朝鮮情勢
【ソウル=浅野好春】
北朝鮮は4日、「人工衛星打ち上げ」名目の長距離弾道ミサイル発射について「準備が完了し、間もなく打ち上げる」とまで発表しながら、結局、発射には踏み切らなかった。
この理由について、国際社会の関心を一層強く引きつける北朝鮮の政治的思惑を指摘する声をはじめ、天候悪化や何らかの技術トラブルがあったとする見方など、様々な憶測が飛び交っている。
◆政治的狙い◆
北朝鮮にとって今回のミサイル発射は、9日開催予定の最高人民会議(国会)で金正日(キムジョンイル)総書記を「国家の最高ポスト」である国防委員長に推戴(すいたい)する重要行事に向けた「祝砲」となるうえ、対米交渉用に「核・ミサイル」カードの価値を高める狙いなどもあり、徹底的に政治目的を達成するために準備してきたものだ。
従って、初日の発射見送りにも政治目的が隠されているとの見方が強い。
韓国政府筋は4日、「間もなく発射する、と国際社会の関心を集中させておきながら、それを長引かせて関心をさらに高めようとする北朝鮮の常套(じょうとう)手段だ」と語った。
韓国国防研究院の白承周(ペクスンジュ)安保戦略研究センター長は「日本の自衛隊が迎撃体制をとったことが、初日の発射見送り決定に影響した可能性がある」とし、「すぐにでも発射すると思わせておきながら、実際には意図的に1日以上遅らせることで、迎撃態勢に揺さぶりをかけようとしたとも考えられる」と指摘する。偶発的な結果とはいえ、日本政府が誤って発射情報を流す事態につながり、北朝鮮に思わぬ“収穫”をもたらした形となった。
◆強風で断念?◆
だが、気象条件の悪化で見送った可能性もある。
朝鮮中央放送が4日伝えた咸鏡北道・舞水端里(ムスダンリ)付近の気象情報は「晴れで8〜12メートルの西の風が吹く」とされ、発射に問題はないように見えた。
だが、韓国メディアによれば、地上で天気がよく、風が弱い場合でも、上空では突風が吹くことがよくあるという。3日付の韓国紙、朝鮮日報によると、北朝鮮の弾道ミサイルは液体燃料を使っているため、固体燃料に比べて爆発力が弱く、発射時の速度が遅い。このため、発射の瞬間に風速15メートル以上の強風が吹くと、ミサイル本体が発射台にぶつかる恐れがあり、それが懸念される場合には通常、発射しないという。
韓国気象庁によると、舞水端里付近の天候は、5日が4〜6メートル、6日は3〜4メートルの風が吹き、天気も良好と予測されている。北朝鮮当局が、より気象条件の良い5日以降を選択したとしても、不思議ではない。
◆技術トラブル◆
このほか、発射直前に部品の故障など何らかの技術トラブルが発生したことも十分考えられる。日本のH2Aロケットや米国のスペースシャトル打ち上げの際にも、たびたび起こる現象だ。
韓国のニュース専門テレビYTNが4日、韓国軍関係者の話として伝えたところによると、北朝鮮が間もなく発射すると発表した後も、「遅くとも発射の30分から1時間前には感知されるはずの追跡レーダー波が、全く感知されなかった」という。追跡レーダーの稼働は、韓国が発射の動きを探知する上で極めて重要なデータとなるものだ。これが感知されなかったとすれば、レーダーに故障が起きた可能性が高い。
仮に、レーダーの故障だけであれば、修理して5日以降の発射に備えられるとみられる。
ただ、ブースター(補助ロケット)部分に亀裂が生じて液体燃料が漏れるなどの重大なトラブルが起きたとなると、場合によっては、国際機関に事前通報した8日までの発射を断念しなければならない。逆に、8日まで発射がなければ、技術的に深刻な問題が発生したと見ることも出来よう。
(2009年4月4日19時46分 読売新聞)