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http://www.tanakanews.com/090318pakistan.htm
国家崩壊に瀕するパキスタン
2008年3月18日 田中 宇
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3月16日、パキスタンの国家崩壊が、ぎりぎりのところで回避された。
パキスタンでは昨年8月、政治の安定を実現していたものの軍事独裁だったパルヴェーズ・ムシャラフ前大統領が辞任に追い込まれて以来、政局は混乱し、アフガニスタン国境沿いの地域ではタリバンなどイスラム主義の勢力が勃興して中央政府を無視する傾向が強まり、経済も世界不況の影響で財政破綻寸前の状態が続いてきた。米政府はすでに昨年10月の段階で、パキスタン政府は早ければ今年2月に財政破綻すると予測していた。(NIE Paints 'Very Bleak' Pakistan Picture)
昨年8月、辞めたムシャラフの後任の現大統領には、ムシャラフと対立した末に07年末に暗殺されたベナジール・ブット元首相の夫、アテフ・ザルダリが就任した。ザルダリは、ブットが殺された後の昨年2月に行われた総選挙で、ブットへの同情票を受けて勝ち、その後半年間の政争の末、ようやくムシャラフを追い出して大統領に就任した。しかし、ザルダリは軍を統制できず、自らの過去の腐敗歴(妻が首相だったときに私腹を肥やした)がゆえに、世論の支持も弱かった。(Pakistan: The War Party's New Frontier: Raimondo)
ザルダリは大統領就任後、インドとの関係改善を模索して外交で得点をあげようとしたが、昨年11月にムンバイで大規模テロがあり、インドではパキスタンの仕業と見る向きが強くなり、印パ関係は悪化した。(India-Pakistan relations and Kashmir)
加えて、ザルダリ(ブット家)の政党PPP(パキスタン人民党)と並ぶ有力政党であるPML(ムスリム連盟)のナワズ・シャリフが、ムシャラフ政権を倒した直後にはザルダリと連立政権を組むような動きだったのが、しだいに両者が対立するようになった。シャリフは比較的反米姿勢を持ち、イスラム主義勢力と仲がよかったので、米国はシャリフよりザルダリを好んだが、実際には米軍がザルダリ就任直後から「タリバン掃討」の名目でパキスタン領内を空爆して無実の村人を20人殺害し、パキスタン国民の反米感情を煽るなど、ザルダリに不利になることをやり続けた。(Bush's Big Gamble in Launching Overt Attacks on Pakistani Territory)
ザルダリのブット家は、パキスタン南部の大都市カラチを中心とするシンド州の勢力なのに対し、シャリフ家は中部の大都市ラホールを中心とするパンジャブ州の勢力だ。シンドとパンジャブ、カラチとラホールの地域的ライバル関係もあり、シャリフはザルダリの不人気に乗じて反政府運動を起こし、ザルダリ政権を転覆させて政権交代を画策するようになった。(Pakistan Political Prospects as Coalition Splits)
これに対し、ザルダリは今年2月、最高裁判所を動かして、シャリフが次の選挙に出ることを禁じる判決を出させた。シャリフの弟であるシャバズ・シャリフはパンジャブ州の知事をしていたが、ザルダリはパンジャブ州を中央政府の直轄州にする決定を強行し、シャバズ・シャリフ知事を辞めさせ、代わりにザルダリの部下を知事に任命した。(Fear of unrest in Pakistan as court rules against Sharifs)
シャリフ家は、反撃に出た。パキスタン政府の権力者が裁判所を私物化する傾向は、ムシャラフの時代から問題視され、07年には、ムシャラフ政権を批判する司法判断を出した最高裁のイフティカル・ムハンマド・チョードリー長官が解任される事件も起きている。この後、パキスタンの法曹界はチョードリーの復職を求めて反政府運動を展開したが、シャリフはこの運動に便乗し、ザルダリ政権の転覆に動き出した。(Why Pakistan Cares About Chief Justice Chaudhry)
▼クーデターは回避されるも政権は弱体化
3月10日、ザルダリがイランを訪問するために出国している間に、チョードリー最高裁長官の復職を要求する全国的な政治集会が催され、野党勢力はザルダリのお膝元カラチでも反政府集会を開き、首都イスラマバードに向けて反政府運動の「長征」を開始した。軍内でもザルダリに反旗を翻す動きが出たという情報も流れ、情勢は一気に不安定となった。(Clashes as Long March Begins in Karachi)
ザルダリは2週間の集会禁止令を出してデモ行進を弾圧したが、与党内では情報相が辞任したりしてザルダリのやり方に反対する動きが出た。軍の上層部は、ザルダリのデモ鎮圧命令を無視した。首都の警察では、政府の命令を聞かない寝返り組が出てきて、事態は内乱の様相を示し始めた。野党の首都突入に備え、首都に入るすべての主要道路に検問が設けられた。(Army mulling Zardari's ouster)
だが「長征」がイスラマバードに入る直前の3月16日、ザルダリは軍や英米からの圧力を受け、野党が要求するチョードリーの最高裁判事への復職を受け入れた。米国はパキスタン軍の首脳に「ザルダリがチョードリーの復職を拒むなら、クーデターでザルダリ政権を倒してもよい」というお墨付きを与え、軍はザルダリに最後通牒をつきつけた。ザルダリは、腐敗摘発を好むチョードリーを復職させると自分の政治生命が危ないと考えてきたが、軍と米国の圧力に屈した。(Report: Military Ultimatum Forced Resolution to Pakistan Crisis)
3月17日には野党勢力が首都で大規模な反政府集会を開く予定だったが、ザルダリの譲歩により、大集会が内乱に発展なる事態は避けられた。しかし判事の復職は、ザルダリが野党の要求に譲歩せざるを得ないほど政治的に弱くなっていることを示している。シャリフは強気になり、パキスタンの政治混乱は今後も続く可能性が高い。
パキスタンは独立以来の60年間の大半が軍事独裁で、混乱は今に始まったことではない。これは第2次大戦後、英国がインド植民地の独立を容認する際、宗教ごとの政党制を誘導し、イスラム教徒とヒンドゥ教徒が対立してインドとパキスタンに分裂するように仕向け、インド(今のインドとパキスタン)が統一された強い国にならないようにした結果である。(パキスタンの裏側)
同様に英国は、パキスタンとアフガニスタンの国境線も、民族的な境界線から意図的にずらした場所に引き、アフガニスタンの主力民族であるパシュトン人がアフガンとパキスタンにまたがって住む不安定な状態を作り出した。パキスタンは地縁血縁ごとに分裂しており、全体を統合できるイデオロギーといえばイスラム主義しかない。混乱するほどイスラム主義が台頭するのは当然だった。(Opening the Gates of Hell in Pakistan)
▼失敗する米国の寝返り誘発作戦
パキスタンの混乱は、もともとは英国(のちに米英)の世界支配を有利にするために誘発されたものだった。だがそれは今や、米国の覇権を衰退させる重大な悪影響を与えている。米国を中心とするNATO軍は、アフガニスタンの占領に必要な物資の7割を、パキスタンのカイバル峠経由で搬入しており、パキスタンの国家破綻は、アフガン占領を失敗させる。国連は最近「今年はタリバンが新たな攻勢をかけてきそうなので、アフガン情勢は悪化する」との予測を発表した。(UN Says Security in Afghanistan May Worsen in 2009)
NATOは23カ国で構成されるが、このうち戦闘可能な状態でアフガンに派兵しているのは米英カナダ・オランダ・デンマークの5カ国だけだ。他の国々は国内法や野党の反対を理由に「派兵するが戦闘はできない」「危険がない北部のみ進駐可」などの条件をつけている。NATO諸国は、日本のような不戦を明記した憲法を持っていないが、それでも閣議決定などを根拠に、派兵について日本と似た姿勢を採っている。(北朝鮮の人工衛星を迎撃する権利があると言っている日本の方が好戦的だ)(NATO does have future, but only if it succeeds in Afghanistan)
フランスの国防相は最近「NATO軍のアフガン駐留は期限を切って行うべきだ」と発言し、早くアフガンから撤兵したい姿勢を示唆した。だがフランスは「反戦」の立場ではない。中東における米英の勢力減退につけ込む形で、フランス軍は、ペルシャ湾の入り口にあるアブダビ(アラブ首長国連邦。パキスタンの対岸)に基地を今年5月に開設する。ペルシャ湾周辺は伝統的に英国の縄張りで、仏軍のアブダビ進出は近現代史を塗り替える画期的なことだ。このようにフランスは、軍事的な野心そのものは旺盛だ。仏がアフガンから早く撤退したいのは、勝てる見込みがほとんどないからである。(France to open first Persian Gulf base in May)
アフガンで勝てる見込みが低いことは、米国も認めている。オバマ大統領は最近「イラクのスンニ派を味方につけたように、タリバン内の穏健派を寝返らせて味方につけるのがよい」と言っている。タリバンの反米ゲリラ戦に参加する人の7割は、イスラム主義の宗教イデオロギーから参加するのではなく、タリバンが地盤とするパシュトン人の地縁血縁の中で参加を決めている。彼らに一人当たり300ドルを贈賄して米側に引きつけ、タリバン中枢の宗教イデオロギー派と対立させるのが米国の新戦略だという。(Perils Seen in Obama's Afghan Strategy)
この新戦略は、米国コロンビア大学の教授と、アフガン取材で有名なジャーナリストが考案して昨年末の「フォーリンアフェアーズ」に論文を書き、その後オバマ政権のアフガン・パキスタン担当の全権大使となったリチャード・ホルブルックが2人を顧問として雇い入れ、オバマ政権の公式な戦略となった。
しかし、欧米やパキスタンのアフガン専門家の多くは、この手法は成功しないと考えている。アフガニスタンでは、タリバンが優勢になり、NATOや米傀儡のカルザイ政権が不利になる傾向が続いている。穏健派タリバンの人々が米国から300ドルの賄賂をもらうには、強くなるタリバンを捨てて、弱くなるNATOやカルザイを支持せねばならない。
今後いずれ、カルザイ政権が倒れてNATOが敗退する可能性が高いが、そうなるとタリバンを捨てて寝返った人々は、後ろ盾を失ったままアフガンに残され、タリバンが政権を奪回した後、裏切り者として殺さる。300ドルぽっちで、こんな危険な取引に乗る人はいない。しかもタリバン参加者の多くは、イスラム原理主義は信奉していないものの、親戚や友人を米軍に殺された経験を持ち、米軍を憎んでいる。(Chinks exposed in Obama's Taliban plan)
▼米国がアフガンで譲歩するほどパキスタンが混乱
アフガンでしだいに弱い立場になる米国が、優勢なタリバンを懐柔しようと譲歩することは、譲歩が失敗するだけでなく、タリバンの優勢を加速してしまい、タリバンを中心とするイスラム主義勢力が、アフガンだけでなくパキスタンでも台頭することに拍車がかかる。すでにカラチなどの大都市でもタリバン系の勢力が拡大している。パキスタン政界ではザルダリとシャリフの対立が激化して分裂し、タリバンに対抗するどころではない。アフガンでの米国の譲歩は、パキスタンの混乱を助長している。
米国がアフガンで不利になり、パキスタンの混乱も止められないことは、国際政治の覇権構造の多極化をも誘発している。アフガン駐留欧米軍にとって最大の補給路だったカイバル峠が失われていく中で、欧米はロシア経由の補給路を確保せねばならず、NATOはロシアを敵視できなくなっている。パキスタンは911後、米国に頼れなくなるほど、北方の国境を接している中国に経済的に頼る度合いを強めており、中露が結束する上海協力機構がパキスタンとアフガンの問題解決に協力する傾向が強まっている。(Withdrawal from Afghanistan need not mean defeat LESLIE H. GELB)
中露はBRICとしてインドと協調関係にあるので、いずれ印パ対立も中露の仲裁で解決されていく可能性すらある。すでに見たように、印パ対立は英国の世界支配戦略の一環であり、英国を黒幕とする米国の覇権体制下では、印パ対立の解消は望めなかったが、米英の崩壊で覇権が多極化することによって、今まで不可能とされてきた印パ対立が解消されるという、意外な展開があり得る。多極化は世界を安定させうる。
アフガン関連では、もう一つ目立たないが決定的な新たな展開が始まっている。米国の敵だったはずのイランが、アフガンに国境を接しているがゆえに、米国のアフガン占領を助け、NATO軍のアフガンからの円滑な撤退に協力するという新たな動きである。ヘラート市を中心とするアフガン西部は、民族的・歴史的にみるとイラン(ペルシャ)の一部であり、ヘラート周辺を支配する豪族(戦国大名、知事)は、伝統的にイラン政府と仲がよい。
まだ政治的にイスラエルの影響下にある米国は、米軍の物資をイラン経由でアフガンに搬入することを是認していない。だが米国は、自国以外のNATO諸国が、軍事物資をイラン経由でアフガンに運び込むことを、すでに了承している。米国はイランと国交を断絶しているが、欧州諸国の多くは、イランとの外交関係を維持している。米国が了承した以上、欧州諸国がイラン経由でアフガンに物資を運び込む日は近い。これは、EUとイランとの関係改善を意味しうる。(For War Supply Routes, US Looks Even in Iran)
イランは欧米諸国が4月に開くアフガン関係諸国会議に出席することになったし、6月のイタリアでのG8サミットでもアフガン問題が話し合われるので、イランが招待されている。核開発疑惑では、いまだに「イランは核兵器を開発している」という濡れ衣が騒々しくまかり通っているが、アフガン問題では、もっと現実的な流れが静かに展開している。(Iran ready to aid Afghanistan)
▼イランの国際政治野心はペルシャ帝国の伝統
イランは、国際的な野心を持っている。かつてペルシャ帝国がインドから中央アジアまで支配していた名残で、イラン系の民族は、アフガニスタンから中央アジア(キルギスタンなど)にかけて広く住んでいる。イランは、これらの地域を一つの経済圏として統合していく構想を持ち、その事務局(まとめ役)になりたいと名乗りを上げている。(ユーラシアの逆転)
今回の記事の前の方で、パキスタンのザルダリ大統領は3月10日からイランを訪問している間に、本国で政権転覆をおこされかけたと書いたが、ザルダリはまさに、イランが事務局をつとめる地域経済統合のための国際会議(ECOサミット)に出席するためにテヘランを訪問していた。このサミットには、アフガニスタンのカルザイ大統領も出席し、イランとの経済協力の話し合いや、アフガン関係諸国会議にイランを招待する話を、欧米から頼まれてイラン側に提案した。(Karzai Trip May Help Iran Join US-Led Afghan Talks)
イランに事務局を置くECO(経済協力機構)はもともと1960年代に、イラン・トルコ・パキスタンが米国からの援助を受けてソ連に対抗するための冷戦同盟(RCD)として作られた。これは、ASEANの西アジア版だった(当時のイランは親米の王政だった)。その後1979年のイスラム革命でイランが反米に転じ、同盟は雲散霧消したが、その後再結成され、1989年のソ連崩壊後、中央アジア5カ国とアゼルパイジャン、アフガニスタンの加盟を受けて拡大し、今に至っている。イランはECOの加盟諸国を2015年までに経済統合し、EUのような統合された市場にするという、非常に野心的な構想を持っている。(Economic Cooperation Organization From Wikipedia)
イランはこの40年近く、米英イスラエルから敵視され、国際社会でならず者扱いされてきたが、それはイランが独自の国際戦略、外交手腕、地域統合やイスラム復興の政治アイデアを持つ、潜在力のある国だからでもある。イランの洗練された国際政治の能力は、おそらくかつてイランが大ペルシャ帝国だった歴史に起因している(英国の植民地になる前の歴代のインドの政府のいくつかはイラン系だ)。イランは昔の国際社会であるシルクロードの真ん中に位置し、東西の国家運営技能を吸収できる機会も豊富だった。イランは手ごわいので、米英イスラエルはイランを傀儡化するか、もしくは悪者扱いしてきた。
今、米英のアフガン支配が崩壊し、イランの協力が不可欠になってきている中で、イランが伝統的に保持してきた、国際影響力への野望が頭をもたげている。3月10日からのECO会議には、イラクの代表も呼ばれており、米軍撤退後のイランとイラクが「大メソポタミア」として経済統合していく構想がかいま見える。
テヘランでのECOサミットには、GCC(サウジアラビア中心のペルシャ湾アラブ諸国の組織)からカタールの君主も招待されていた。その意味するところは、アラブ(スンニ派)とイラン(シーア派)との経済協力関係の強化が模索されているということだ。これで欧米がイランとの敵対を解消すれば、イランは中東から中央アジアにかけての国際社会で、かなりの影響力を持つようになる。(ECO and its rhetorical ambitions)
▼イスラエルのハルマゲドン的横やり
しかし、欧米とイランとの和解は、このまま進展するとは限らない。イスラエルが「イランの核施設を先制攻撃する」という横やりを入れる可能性があるからだ。イスラエルでは、右派のネタニヤフが首相になり、極右のリーバーマンが外相になる見通しで、パレスチナ国家の建設を拒否する政府ができそうだ。イスラエルは欧州との関係を悪化させ、米国も嫌々ながらイスラエルに牛耳られているという状況を演出・顕在化させていく可能性が高い。
イスラエルは従来、米国から巨額の経済援助を受けており、その多くは非公式の見えないものだったが、昨今の金融危機によって、それが打ち切られているようだ。新首相となるネタニヤフは最近「イスラエルは建国以来の最悪な財政難に陥っている」と認めた。ガザ戦争の「人権侵害」「虐殺」も国際的に非難されている。追い詰められたイスラエルは、何をしでかすかわからない危険な状態になっている。
そして、米国のシオニスト右派勢力は、イスラエルの暴発を煽るように「イランが核兵器を作る前に空爆が必要だ」「イスラエルは、戦闘機でのイラン空爆ができなくても、弾道ミサイルをイランに撃ち込める」といった言説をまき散らしている。米軍幹部も「イスラエル軍は、いつでもイランを攻撃できる態勢をとっている」と指摘している。
イスラエルは、近いうちにイランを空爆するかもしれない。だが、あらかじめ言っておくと、これはイスラエル自身が望んでいることではなく、シオニスト右派という、親イスラエルのふりをしたイスラエル潰しのための勢力が、何年も前から画策してきたことである。イスラエルもまた、犠牲者であるのだが、イスラエルがイランを空爆すれば、中東全体が大混乱に陥ると指摘されている。(Mullen: US Attack on Iran Would Focus on Navy, Air Force)
その混乱の中で、ハルマゲドン的なイスラエルの終焉があり得る。この事態は、米国の金融崩壊と同期するかのように起きている。以前から、イランとイスラエルが戦争しそうだという騒ぎは、米国の金融崩壊の進展と同期していた。これは、単なる偶然の一致ではないと、私には感じられる。ネオコンなどのシオニスト右派が、隠れ多極主義の一派ではないかと私が思う由縁である。(中東大戦争とドル崩壊の同期)
[新世紀人コメント]
田中氏のコメントの最後の部分は示唆に富むと考える。
「以前から、イランとイスラエルが戦争しそうだという騒ぎは、米国の金融崩壊の進展と同期していた。これは、単なる偶然の一致ではないと、私には感じられる。」
これは私流の表現で言い換えれば、「密かな体制転換への画策・実行」である。しかも「スマートな隠れた画策・実行」である。
いままでにさんざんにやってきた事業?が限界に来て頭打ちとなりこれ以上は続けられない事になった。つまり世界支配能力の欠如が表面化するに至ったのである。
ここにおいて密かにスマートに逃亡する事が図られたと考えられるのである。
そうしなければ、収奪された国民や被害にあった他国からの責任追及が為されるからである。そうならないうちに自分達自身で体制を壊して「後は適当にお任せします」と言う事だろう。
オバマは「残務整理として雇われた人」である筈でヒーローでもなんでもなく、彼の手に負えなければ誰か他の人手(例えばヒラリー)を用意するだけの事であろう。
しかし、この残務整理はなかなか手間取りそうである。
簡単には済ます事は出来ない筈だ。
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