昨年十二月二十七日に始まったイスラエルのガザ侵攻は、千三百人以上の死者、五千人以上の負傷者を出し、長期にわたって不法に封鎖されたガザを廃墟と化した。これは一方的なイスラエルの戦争犯罪である。二月下旬に開催された第四インターナショナル国際委員会は中東地域の同志も参加してこの問題に関する討論を行い、満場一致でここに掲載する決議をあげた。戦争を終わらせるためには占領を終わらせること、難民の帰還の権利、ユダヤ人入植地の撤去、パレスチナ民衆への平等な権利保障が不可欠である。決議はそのためにイスラエルへの「ボイコット・投資撤収・制裁」運動を国際的に展開するよう呼びかけている。(編集部) 猛烈な爆撃の バランスシート イスラエル軍によって実行されたガザへの最近の攻撃は、パレスチナの抵抗運動を破壊するシオニストの継続的政策の中に組み込まれている。三週間にわたる猛烈な爆撃のバランスシート(1300人以上の死者と5000人以上の負傷者)は、破滅的兵器を使用し、数多くの戦争犯罪をおかしたイスラエル軍の暴力性を示すものである。 かなり以前から計画されてきたこの攻撃は、ハマスによる「ロケット発射を阻止」したり、「停戦を尊重するよう強制」しようとするものではなかった。ハマスのロケット発射による死者は、この十年で二十人以下であるのに対し、二〇〇八年六月にイスラエルとハマスの間で調印された停戦合意をイスラエルが尊重することは決してなかった。イスラエルはガザへの封鎖を続け、さる十一月にはハマスの戦士を殺害したのである。こうした条件の中で、パレスチナ人たちは武装勢力をも含めて、自らを防衛し、占領に抵抗する権利を持っている。 攻撃の目的と 帝国主義諸国 イスラエルの目的とは、またもやパレスチナの住民と抵抗運動に対して、イスラエルがこのゲームの唯一の主人であることを見せつけることにある。すなわち、唯一可能な「和平」とは、シオニスト国家が定めた条件で押し付けられるものであり、そのことはパレスチナの民族的権利の否定を意味している。そしてこの論理に反対しようとする者は誰でもイスラエル軍による無制限の弾圧に従わされることになるのだ。 最近の出来事はそれを確認するものである。シオニスト国家は、パレスチナの人びとが民族的権利を放棄し、パレスチナの孤立した地域や国外の難民キャンプに住むことを受け入れないかぎり、パレスチナ人を寛容に扱うことはないだろう。イスラエルは、パレスチナの代表がシオニスト国家の目的と利益に矛盾しない「和平」条件に降服する用意を示した時にのみ交渉を望むのである。 帝国主義諸国、まず第一に欧州連合は、公然とかつ無条件にイスラエルを支持した。ブッシュからオバマへの二つの政権の移行期にある米国は、イスラエル軍に攻撃をやめさせるどのような圧力もかけなかった。分裂しており、そのほとんどが帝国主義に従属的であるアラブ連盟諸国家は、エジプトが再びイスラエルと帝国主義諸国のパートナーとしての役割を果たす中で、共通の立場を採択することができなかった。 しかし、イスラエルを非難しパレスチナ民衆を支援する多くの行動が行われた。全世界で、デモには数万人あるいは数十万人が集まった。ベネズエラやボリビアなど一部の諸国は、イスラエル大使を国外追放した。どこでも、国連総会の場においても、イスラエルに対する制裁とボイコットの訴えが前面に押し出された。 緊急行動と 五つの要求 第四インターナショナルは、パレスチナ民衆と、その権利のための闘争への無条件の支持を再確認する。その権利とは、外部からの妨害を受けない自決権であり、難民の帰還と、それを求める人への補償の権利であり、一九四八年に難民となったパレスチナ人への平等の権利である。さらにわれわれは、アラブ諸国民の解放、帝国主義に奉仕したレイシスト的・植民地主義的構想を代表するシオニスト国家の解体の必要性、パレスチナのすべての民衆(パレスチナ人とイスラエルのユダヤ人)が完全に平等の権利を持って共に生きることができる政治的解決への支持を再確認する。 こうした目的を達成するために、われわれはパレスチナ民族運動内の人びともすべて合意する五つの中心的かつ統一的な要求に集中して、パレスチナ民衆との連帯運動を緊急に強化しなければならない。五つの要求とは、東エルサレムをふくむ一九六七年占領地からのイスラエル軍の無条件・即時の完全撤退、一九六七年以後に建設されたすべての入植地の解体、分離壁の破壊、イスラエルに拘束されている一万一千人の政治囚の釈放、ガザ封鎖の即時・無条件解除である。 またわれわれは、とりわけ一九四八年以来難民となったパレスチナ人の要求に重大な関心を払うべきである。彼らは完全に平等な権利と土地と水への自由なアクセスを求めている。最近のイスラエルの選挙、そしてリーバーマン(極右「わが家イスラエル」の党首)が得た高得票、一九四八年以来のパレスチナ人追放への公然たる擁護、こうしたことはこの難民たちにとって大きな危険であり、連帯運動は彼らに応える義務を持っている。またわれわれは、占領、戦争、そしてシオニスト政策全般に反対しているイスラエルの人びとを支持する。 最後に、二〇〇三年に百七十以上のNGO、アソシエーション、パレスチナ人政党によって始められたボイコット・投資撤収・制裁(BDS)キャンペーンを高めていくことがわれわれにとって不可欠であるように思われる。BDSの要求は、政府や大資本家グループの共謀を非難する目的を持った連帯運動を発展させる機会を提供している。BDSキャンペーンの最近の、そして将来の成功は、シオニスト国家を弱める役割を果たし、パレスチナの人びとと反帝国主義陣営を強化する諸条件を作りだす。この闘争の中で同時に、すべてのレイシスト的、反ユダヤ主義的、イスラム嫌悪・排斥の傾向と闘うことが必要である。(2009年2月23日)
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