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http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
=== RPE Journal===================================================
ロシア政治経済ジャーナル No.570
2009/2/26号
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★ソロス恐怖の大予言(アメリカはソ連になる?)
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
皆さまが健康で幸せで豊かでありますように!
さて、比較的最近のことですので、覚えておられる方も多いと思い
ますが。
オバマさんが大統領選で勝利した直後の08年11月7日、
「オバマはアメリカのゴルバチョフ?」
というメルマガを配信しました。
現在のアメリカと崩壊前のソ連、ゴルビーとオバマさんは、非常に
よく似ているという話。
<「アメリカはソ連のようになるのでしょうか?」
と質問されれば、私は
「回避する道はありますが、その可能性は日ごとに高くなっている」
と答えるでしょう。
(ここでいう「ソ連のようになる」というのは、合衆国がバラバラにな
るという意味ではなく、
・ドル体制崩壊
・ハイパーインフレ
・国家破産
などが起こるという意味です。) >
(【RPE】オバマはアメリカのゴルバチョフ?08年11月7日号)
「今のアメリカと末期のソ連、何が似ているんだ!?」という方は、
バックナンバーをご覧ください。↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20081107172511000.html?start=40
そしたら、あのジョージ・ソロスさんが、「現状はソ連が崩壊した
時に似ている」と爆弾発言しました。
↓
<世界の金融システムは実質的に崩壊=ソロス氏
2月23日9時18分配信 ロイター
[ニューヨーク 20日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロ
ス氏は20日、
世界の金融システムは実質的に崩壊した、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とし、危機が短期間で解決する可能性は見えていない、と述べ
た。
ソロス氏は米コロンビア大学で、
動揺は大恐慌時よりも大きい、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との見方を示し、現状を
ソビエト連邦の崩壊に例えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同氏は、2008年9月の米リーマン・ブラザーズの経営破たん
が市場システム機能の転換点だった、と述べた。
ソロス氏は「われわれは金融システムの崩壊を目撃した」とし、
「金融システムは生命維持装置につながれた。
今もまだ同じ状態にあり、景気の底入れが近いとの兆しはみえ
ていない」と述べた。>
同感です。
・世界の金融システムは実質的に崩壊した
・現状=ソビエト連邦の崩壊
かつて、「ソ連崩壊 = 共産主義の崩壊」意味していました。
その後世界は「グローバル化」の名のもとに、
「アメリカ中心の単一金融システム」
になった。
つまり、「アメリカ崩壊 = 世界金融システム崩壊」なのです。
(あるいは、世界金融システム崩壊 = アメリカ崩壊→世界も
地獄に道連れ)
それにしても、最近は著名人から爆弾発言がポンポン飛び出し
てきますね。
RPEでも「○○恐怖の大予言シリーズ」ができてしまいます。
例、
1、ロシア外交アカデミーのパナリン教授は、
「アメリカは6つに分裂する!」と予言。
詳細はこちら↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20090116165704000.html
2、天才投資家ジム・ロジャースさんは、
「ドルは90%安くなる!」(つまり1ドルは9円になる)と予言。
詳細はこちら↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20081221004921000.html?start=20
3、バイデンさんは、
「オバマ就任後6か月以内に、中東あるいはロシアで国際的危
機が起こる!」(戦争か?)と予言
詳細はこちら↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20081112083916000.html?start=40
そして、今回のソロス発言。
予言をしている人たちは、いずれも著名な人々。
でも・・・。
(RPE読者さま以外の)日本人、日本政府は、完全にノーリアク
ション。
「中国はまもなく崩壊する!」「ロシアはまもなく崩壊する!」とい
った予言には、「そうだそうだ!」と敏感に反応する。
ところが、「アメリカはソ連のごとくなる!」といわれると完全に
「無念無想」状態に突入してしまう。
これはなぜでしょうか?
幕末、日本国民のほとんどが「幕府は天地のごとく盤石だ」と思
っていたように、「アメリカ幕府は、天地のごとし」と考えている。
いや、考えているというか、深く深く洗脳されているのでしょう。
もちろん、日本と世界を変革する力である、RPE読者の皆さまは
別ですが。。。
▼実現しなかった「大政奉還」
昔からの読者さまはご存じですが、RPEは「アメリカの衰退は
不可避だが、没落の仕方は二つある」と前々から書いてきました。
一つは、長州征伐型。
つまり、ドル体制に反逆しているイランやロシアを力で屈伏させる。
二つ目は、大政奉還型。
今まで、世界の経済システムは
・世界が作り → アメリカが買う
でなりたってきた。
ところが、アメリカはボロボロなので
・世界が作っても → アメリカは買えない
となり、世界恐慌になる。
ですからこれを、世界が協調し
・世界が作り → 中国・インドが買う
に徐々に転換していこうというのが、「大政奉還型」。
これについて、「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」に書き
ましたが、元になっているのは06年に連載していた「ぶった斬り
国際情勢」です。
その最終章に何が書いてあったか?
【引用ここから↓】
<「イラン→ロシア→中国撃破、そして覇権維持」とは、正反対の
可能性を考えてみましょう。
つまり、アメリカのトップが「もうダメだ!覇権はあきらめよう」と
なった場合。
これまで書いてきたように、ロシアと中国は、アメリカを没落さ
せることのできるカードを握っています。
ロシアは石油をルーブルやユーロで売ること。
中国は、世界一の外貨準備と2位の米国債を売り浴びせること。
ただ、ロシアも中国も、アメリカが没落すると困ることがあるの
です。
ドルが暴落するとアメリカの輸入品価格が高騰し、ハイパーイン
フレが起こります。
当然、輸入が激減するでしょう。
世界はどうなるのでしょうか?
これは世界の構造を見ればわかります。
現在の世界経済はアメリカの消費によって支えられているのです。
そして同国は、ドル基軸通貨体制の恩恵で、異常な貿易赤字を
25年以上つづけてきました。
ドルが暴落し、貿易収支が均衡するまで下がったと仮定しましょ
う。
すると、アメリカの貿易赤字約80兆円(05年度)分の消費が消えて
なくなります。
この時、他の国はどうなるのでしょうか?
1、物余り。生産能力は以前のまま。しかし、アメリカが買ってくれ
なくなるので、物が余ります。
2、物価下落。供給が圧倒的に需要を上回っている状況ですから、
企業は値段を下げ、アメリカ以外の国や国内で売りさばこうとする
でしょう。
3、生産縮小。作っても売れないのですから、需要にあわせて生
産を縮小しなければなりません。
4、大量リストラ。生産を縮小すると、人が余ります。生産規模に
合わせて人員を削減する必要が出てきます。
5、失業者の大量発生。リストラが行われ、大量の失業者が発
生します。
6、国民所得の減少。失業者には、国からの手当て以外に収入
源がない。国民の所得は激減します。
7、消費の減少。失業者には金がない。金がないと買い物がで
きない。消費は激減するでしょう。
これで一回り。
消費が減少すると、1、物があまる →2、物があまるから価格
が下がる →3、企業は生産を縮小する →4、そのため大量リス
トラを断行 →5、リストラすると失業者が増える →6、収入源の
ない人が増え国民所得が減少する →7、失業者には金がない。
だから消費が減少する →8、消費が減少すると物があまる(ふ
たたび1へ)。
このように1〜7が起こり、7が原因となって、また1〜7のプロセ
スが繰り返される。
これをなんというか?
デフレスパイラル。
いや、アメリカ没落時に起こることはそんな甘いものではあり
ません。
ハイパーデフレスパイラル。
これが、アメリカ没落時に起こるであろうことです。
貿易立国中国に関しては、前記のパターンがそのまま当てはま
ります。
ロシアに関していえば、アメリカ没落で世界経済が縮小し、石油
・ガスの消費が激減。
石油価格は大暴落、輸出量も激減し、やはり大打撃を受けるこ
とになります。
どうすれば、世界経済をクラッシュさせずにすむのでしょうか?
方法は、世界の大国(例えばG8プラス中国・インド・ブラジル)
が合意し、世界経済に大きな影響が出ない程度に、ゆっくりドル
を下げていく。
そして、その期間に、アメリカに代わる13億人の巨大市場・中
国を育てていく。
つまり、現在の世界経済構造、「世界が作りアメリカが買う」を、
「世界が作り中国が買う」に転換していくということです。
これができれば理想ですが、簡単ではありません。
まず第1に、アメリカが「ゆるやかに覇権を中国に譲ること」に
同意する必要がある。
つまりアメリカは、ソ連のゴルバチョフのように「負けを認める」と
いうこと。
これができれば、「世界史上の大政奉還」でしょう。
第2に、1日数百兆円という投機資金の流れを規制する必要が
出てきます。
投機筋は自分の利益最優先ですから、一斉にドルを売り、アメ
リカがソ連のような状態になる可能性もあります。
アメリカの覇権は天地のように磐石だと考える日本人の大部
分は、今書いたこと「そんなアホな!」と考えるでしょう。
しかし、こういった話は私だけがしているわけではありません。
例えば、国際通貨基金(IMF)のラト専務理事は06年3月末、カ
ンボジアで以下のような発言をしています。
「アメリカ人の異常な支出が、貿易・財政赤字を生み出してい
る。
ロシア・サウジアラビア・日本・中国は貿易黒字だが、アメリカだ
けは膨大な赤字国である。
この不均衡は、遅かれ早かれ調整されるが、それが急激に起
これば世界経済は危機に直面する。
不均衡の責任はアメリカにある。
アメリカは、徐々に支出を減らし節約をするべきだ。
不均衡を調整するために、アメリカ経済の成長を鈍化させるべきで
ある。」
【引用ここまで▲】
↑
どうですか、これ?
IMFの専務理事は、06年3月時点で「世界経済が危機に直面する」
ことを知っていたのです。
知っていたのに止めなかった、いや止めれなかった。
これは、再三警告しながら、実際になにもできなかったグリーンス
パンさんも同じです。
06年末の文章ですが、ここに書かれているプロセスはすでにはじま
っています。
アメリカ発の危機が起こり、中国の輸出が減少。(日本も超激減)
原油価格が下がり、ロシアもきつくなっている。
そして、なによりも「大政奉還型」という平和で痛みのすくないモデ
ルは実現されませんでした。
プロセスがはじまってしまった今となっては、もっと痛みの多い道に
いくしかなさそうです。
▼後半へ
▼ソ連崩壊型とは?
さて、もう一度ソロスさんの発言を振り返ってみましょう。
↓
<世界の金融システムは実質的に崩壊=ソロス氏
2月23日9時18分配信 ロイター
[ニューヨーク 20日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロ
ス氏は20日、
世界の金融システムは実質的に崩壊した、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とし、危機が短期間で解決する可能性は見えていない、と述べ
た。
ソロス氏は米コロンビア大学で、
動揺は大恐慌時よりも大きい、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との見方を示し、現状を
ソビエト連邦の崩壊に例えた。 >
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人類歴史は、すなわち国家盛衰の歴史です。
そして、国が滅びる、体制が大変化する理由は多くありません。
1、戦争でやられる
2、革命で体制が変わる
3、財政が破たんする
そして、革命が起こる前に、だいたい国家財政は破たんしている
ことが多い。
ではなぜ国家財政が破たんするのか?
これは、政府の上層部が腐敗しているからです。
石油業界や軍産複合体の利益のために動いたブッシュ政権。
中国に買収されまくっている民主党議員などなどを見ると、アメ
リカ上層部も「終わってる」と思わざるを得ません。
「アメリカがソ連のようになる」あるいは、「オバマはアメリカのゴ
ルバチョフ」になるというのは、要するに「アメリカが国家破産する」
ということです。
<米財政赤字最悪の43兆円、10〜12月で前年度超す
1月14日12時25分配信 読売新聞
【ワシントン=矢田俊彦】米財務省は13日、2009会計年度(08年
10月〜09年9月)の10〜12月の当初3か月の財政赤字が4851億
9800万ドル(約43兆円)となったと発表した。
金融安定化法に基づく金融機関への資本注入などで歳出が膨らみ、
年間で過去最大の赤字となった08会計年度(約4550億ドル)を早く
も超えた。>
↑
どうですか?
3か月で、過去最大の赤字だった08年1年分を早くも突破している。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
< 米議会予算局(CBO)は、09年度の財政赤字は1兆1860億ド
ルに達するとの見通しを発表している。>
1年間でなんと106兆円の赤字(!)。
しかし、これはもっとも控え目な数字。
<しかし、この推計には、オバマ次期政権が検討中の景気対策の支
出は含まれておらず、赤字額が大きく膨らむのは必至だ。>(同上)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実際はどうなるのでしょうか?
約200兆円(!)くらいの赤字になるだろうというのが、大方の見方です。
もちろん、天領日本政府は、日本国民の血税を相談なく・おしみなく・
遠慮なく投入し、米国債を買い支えるでしょう。
それでも「焼け石に水」で、アメリカが国家破産する可能性は日ごとに
強まっているのです。
アメリカが国家破産する。
これを「ソ連崩壊型」といいます。
▼世界恐慌→戦争型(旧 長州征伐型)
もう一つのケースを考えてみましょう。
天領日本と中国が米国債を買い支えることで、なんとかアメリカは延
命した。
オバマさんは、日本と中国からもらった金で「ニューニューディール政
策」(要は公共事業)をせっせとやる。
ところが、1929年の危機の時、これで景気は十分回復しなかった。
結局、アメリカ経済が復活したのは、第2次大戦がはじまってから。
アメリカが復活したのは、要するにヒトラーのドイツと同じで、「大軍拡
政策」(大公共事業)をしたからなのです。
ルーズベルトは、「アメリカは参戦しない」を公約にしていた。
それで、日本をジリジリと追い詰め、先制攻撃させる環境をととのえて
いきました。
今回も、アメリカは「自国経済を回復させるための戦争」を画策する可
能性がある。
(例、第2次大戦・湾岸戦争・ITバブル後のアフガン・イラク戦争等)
そして、バイデン副大統領は、「中東かロシアから国際的危機が起こ
る可能性が高い」としています。
具体的には、
・中東(イラン・シリア・レバノン・パレスチナ 対 イスラエルがきっか
け)
・ロシア(対 グルジア・ひょっとするとウクライナ)
・パキスタン
・朝鮮半島
などが、有力候補。
アメリカ上層部の本音は、「プーチンに第2次大戦中のヒトラーの役
割をしてほしい」ということでしょう。
プーチンは、ユダヤの新興財閥を粛清していますし、グルジアとも戦
争している。
役者としてはもってこいです。
しかし、問題はKGBがアメリカの作戦を見きっていること。
▼結局どうなるの?
歴史が煮詰まってくると、人間の判断が大きく左右することになり
ます。
たとえば、「徳川慶喜は絶対大政奉還する!」と、その数年前に予
想した人がいたでしょうか?
同じように、現状は予測が難しいのです。
今まで、著名人4人の「恐怖の大予言」を紹介しました。
彼らの発言から、彼ら自身がどう考えているのか、だいたい想像す
ることができます。
1、パナリン教授 = ソ連崩壊型
「アメリカは6つに分裂する」
これは「アメリカ=ソ連のようになる」と考えているのでしょう。
2、ジム・ロジャース = ソ連崩壊型
「ドルは90%下落する」
国家破産時以外に、こんなことがありえるでしょうか?
彼も、直接はいいませんが、アメリカはソ連のようになると考えてい
るのでしょう。
3、ソロス = ソ連崩壊型
これは、もろにいっていますね。
4、バイデン = 世界恐慌→戦争型
これは、「戦争をして、アメリカ経済を復活させたい」という希望もある
のでしょう。
こうみると、「アメリカはソ連のようになる」という意見が優勢なようで
す。
オバマはアメリカのゴルバチョフになる?!
(おわり)