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イスラエル、軍幹部名の報道禁じる 戦争犯罪の訴追恐れ
2009年1月27日6時15分
【エルサレム=村上伸一】イスラエル軍が、多数の市民を巻き添えにしたガザ攻撃で、軍幹部たちが外国で戦争犯罪などに問われる事態に神経をとがらせている。軍はガザ攻撃にかかわった部隊司令官の名前などがわかる報道を禁止したほか、政府は25日、幹部や兵士が訴追された場合には全面的な支援を保証する方針を閣議決定した。
人口密集地で市民の犠牲が多数予想されるにもかかわらず、攻撃に踏み切ったことなどが、戦争犯罪にあたる可能性があると指摘されている。
イスラエルの報道によると、軍報道官室は各メディアに対し、ガザから戻った部隊司令官たちをインタビューする場合は顔をぼかしたり、身元がわかる情報を削除したりする命令を出した。敵対するイスラム諸国などに情報が流れることを防ぐため、メディアは軍の検閲制度に従うことを義務づけられている。
また、同国有力紙ハアレツによると、軍は幹部たちに外国で訴追される恐れがあるとして、海外旅行を自粛するよう注意喚起したという。
先月27日から23日間続いたガザ攻撃では、ガザで1300人以上が死亡。半数近くが市民と見られている。
イスラエルでは、これまでも軍幹部が外国で訴追対象になってきた。02年にガザでイスラム過激派ハマスの軍事部門司令官を殺害するため、住宅密集地にある自宅を空爆して家族や近隣住民ら10人以上を死なせた時には、ヤアロン元参謀総長に対し、06年11月にニュージーランドで逮捕状が出た。
05年9月には、ガザの家屋破壊を指揮した退役少将に英国の裁判所が逮捕状を出し、航空機で英国に着いたばかりの同少将が逮捕を免れるため、そのままイスラエルに引き返したことがあった。
イスラエルのオルメルト暫定首相は閣議で「ガザに派遣された司令官と兵士は、あらゆる訴追を免れることができると思っていい」と述べたが、外国で実際に訴追された場合にどう対応するかには言及しなかった。
http://www.asahi.com/international/update/0126/TKY200901260250.html