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【ガザのアウシュヴィッツ】 ガザ:イスラエル軍が「拘置所」…住民多数を拘束
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http://mainichi.jp/select/world/news/20090126k0000e030053000c.html
ガザ:イスラエル軍が「拘置所」…住民多数を拘束
(毎日新聞 2009年1月26日 15時00分)
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イスラエル軍が建設した野ざらしの「拘置所」跡を指すサミールさん=ガザ北部アタトラで2009年1月22日、前田英司撮影
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イスラエル軍が建設した「拘置所」の見取り図
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【アタトラ(パレスチナ自治区ガザ北部)前田英司】イスラエル軍の侵攻で多数の死傷者を出したパレスチナ自治区ガザ地区北部に、陸上競技場のような遺物がある。イスラエル軍が土盛りの壁で建設した臨時の「拘置所」跡だ。軍はここで、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスのメンバーを見つけるため、住民を2日間にわたり野ざらしの状態で拘束していた。複数の住民が証言した。
拘置所があったのはアタトラの一角。高さ約2メートルの土盛りの壁で、長さ約50メートル、幅約20メートルの楕円(だえん)形状の土地が囲まれていた。アタトラは、パレスチナ武装組織によるイスラエルへのロケット弾攻撃の発射拠点とされる。
拘束された住民の話を総合すると、壁の内外に戦車、壁の上には狙撃手が配置されていた。拘置所内の地面には複数の小さな穴が掘られ、そこで兵士が仮眠していたという。
近くに住む裁縫業のアリさん(39)によると、今月7日昼ごろ、拘束された。アリさん方のドアは兵士にハンマーで壊され、家の外で、爆発物を身に着けていないか確認するためズボンを脱がされた。その後、プラスチック製のひもで後ろ手にされ拘置所へ連行された。
拘置所にはアリさんのほか、男性15人が連れてこられた。周りには鉄条網が張り巡らされていた。アリさんは目隠しされ、毛布も無いまま冬の寒さに震えて横になった。2日間の拘束後、軍車両でイスラエル国内の治安施設に移送された。ハマスとの関連やロケット弾発射地点などについて4日間、尋問され釈放されたという。
タクシー運転手のサミールさん(55)によると、アリさんより先に別の約70人の男性とともに拘置所に押し込まれた。一時は女性や子供の姿も見かけた。2日間、食べ物は「オリーブの実ぐらいしか与えられなかった」。その後、イスラエル側で6日間尋問された。同じグループにいたラゲブさん(49)は、一緒にイスラエル側へ移送された23歳の息子が「まだ帰ってこない」と不安そうに話した。
イスラエル軍報道官は毎日新聞の取材に「数十人のハマス活動家を拘束して、一部をイスラエル側に移送した」と答えた。ただ、拘置所については「作戦運用に関することは回答できない」と述べた。住民らは「ハマスと関係ない」と反論。アリさんは「尊厳を傷つけられた」と憤った。
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毎日新聞 2009年1月26日 15時00分(最終更新 1月26日 16時14分)
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