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Re: クラウゼヴィッツの暗号文
http://www.asyura2.com/0311/war42/msg/266.html
断片的過ぎるかもしれませんが、図書館で読んだこの本から抜粋します。
兵器を持ちながら平和の保たれている国があるとすれば、それは軍事力が戦争を食い止めているのではなく、
平和を指向する精神が辛うじて戦争の暴走をおさえているのである。そのような国では、必ず軍国主義と
平和主義のはげしい葛藤が認められるはずである。ここに、戦争と平和のきわどい分岐点がある。(p151)
きわめて簡潔な考え方を何千回も繰り返すことだ。宣伝は短く、たえず繰り返すことによって、覚えさせる
ことができる。嘘でさえ、この方法で信じさせることができるという。(p169)
彼らは戦争を作り出すことによって、事業を見事に成功させてきた。緊張を生み出し、軍人が食いはぐれの
ない状態を維持してゆくのが目的であれば、今日までずっと、全世界の軍人はうまく進んでいるのである。(p190)
ナポレオン ボロジノの会戦 教訓
一、広大な領土を持つ国の征服は困難である。
二、最後の勝利を得る可能性は、必ずしも二、三の会戦に敗れ、首都やある地方を失ってもなくなるもので
はない。敵の攻撃力の衰えに乗じて反撃に出れば、強大な戦力を発揮して、最後の勝利を獲得できる。
「東」と「西」の力と力が最後に激突する場合…ロシアは、西側をその広大な領土へ誘い込むことによって、
勝利のチャンスをつかむのである。一方アメリカは、ロシアを全地球という広大な空間に誘い出すことによ
って、勝利のチャンスをつかむのだ。(p230)
トルストイ
「二、三の会戦に敗れ、首都やある地方を失ったあと」に残るものは、民衆の累々たる死骸の山であるから
だ。しのようなあとに獲得される「最後の勝利」には何の意味があろう。(p231)
クラウゼヴィッツはナポレオンに対する復讐を誓い、自分の民族だけが繁栄することを願った。それは、
力による繁栄―弱肉強食による繁栄だった(p239)
ひたすら軍国主義を説いた男、それがクラウゼヴィッツの正体である。(中略)したがって、『戦争論』は、
戦争の性質を解き明かした万人普遍の理論ではなく、どのように戦争を正当化し、挑発するか、という目的
で書かれた個人的演説だったのである。(中略)この演説の目的地は――勝つこと、である(p240)
「人はなぜ戦争するのか……」という答は、“個人的意志”――これが、クラウゼヴィッツの暗号文を解読
した最後の答に違いない。(中略)彼ら政治家と軍人は、クラウゼヴィッツの亡霊である。(中略)権力に
よって人を支配しようと目論む野心家たちだ。(中略)この野心家に、男女の差はない。(p241)
これらの人間は、ロシア人でもアメリカ人でもない。彼らは“クラウゼヴィッツ人”と呼ばれる亡霊たちで
ある。(中略)クラウゼヴィッツ人には、ひとつの特徴がある。それは「敵」を創作する気質である(p242)
血みどろの、名誉ある闘争があれば、滅亡しても確実に民族は再び甦る。いつか新しい樹木となってしっかり
と根をおろす生命の種子と同じである。人間の意志によって戦争が起こり、意志によって平和が訪れる。
『戦争論』を選択するか、それとも軽蔑するか、という意志である。(中略)戦争は人間の性によるものでは
ない(p253)
アメリカとロシアにとって、日本はこの二大軍事国家の「最後の勝利」のための“失われる都市”にすぎない
という。(p261)