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童子丸開 翻訳集より
ラテンアメリカに敵対するアメリカ帝国とCIA(尊厳・主権・反戦平和の法廷:エクアドル)
http://doujibar.ganriki.net/translations/1-08.CIAcontraAmericalatina.html
この中から一部を引用します。
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【前略】
CIAは世界中で、特に我々のラテンアメリカでは、犯罪国際局(the Crime International Agency:CIA)となっている。CIAは米国憲法に違反した異常なまでの権力を身につけている。それは殺す、陰謀を練る、政府を転覆する、クーデターを起こす、国々の経済を破壊する、洗練された拷問法を教える、投獄する、追跡する、そして人々を消し去るライセンスを持っている。CIAは心理戦、大量破壊兵器、妨害とテロ、武器、そして麻薬密輸の専門家をそろえている。
彼らは年間何百万ドルという予算を持っている。それは、政府を転覆させ、ストライキを起こさせ、強力な爆発力を持つ爆弾を仕掛け、良心を金で買い、その国と外国のエージェントたちを政府の要職につけ、情報と事実を捻じ曲げるための広報手段としてマスコミの一部を買い取り、不正確な情報や嘘をつたえる、という諸目的のためである。彼らは『敵』を抹殺するときには道徳も良心の呵責も持たない。CIAはその惨めなまでに有名な騙し作戦を使って世界中で『仕事をする』米帝国の犯罪の手段である。CIAは死と破壊を作り出す陰惨な組織、要するにそれはスパイ組織であり、人権と自由を侵すエキスパートなのだ。
ラテンアメリカ諸国で、百回以上にわたってアメリカ合衆国によるある種の侵略攻撃の犠牲者にならなかった国は存在しない。
中央情報局CIAは、1954年にグアテマラの大統領ハコボ・アルベンスを詐欺的な手口で追放した。アルベンスが、特にユナイテッド・フルーツの利益を損なわせる農業改革法を宣言し、国民的な大統領となったから、ただそれだけの理由である。
1965年の4月28日、ドミニカ共和国は米国による侵略を受けた。それは合法的に選ばれたフアン・ボッシュ政権のCIAによる追放に続いて起こったことだ。
チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ボリビア、ペルー、そしてエクアドルは、米国と国際資本の神聖なる利益の犠牲にされてきた国々である。ラテンアメリカは『国際共産主義』に対抗する米国の戦いの舞台となった。そしてそれを口実にして、米国はクーデターを画策してファシストの独裁を作り上げ維持したのだ。それらの独裁国家は抑圧的な警察と軍隊によって形作られ、集団的な殺害には飽き足らずむごたらしい拷問と無実の人々の暗殺、数万人もの男女と子供と若者を行方不明にさせた。CIAとFBIは、『コンドル作戦』[1]に組織的に加担した。そしてそれはファシスト独裁の期間に、独裁者の犯罪国際局(Crime International Agency:CIA)に転身した。それはラテンアメリカで数万もの男女を殺害し拷問にかけたのである。
1973年9月11日、米国とCIAは、チリの大統領サルバドール・アジェンデを打ち倒し死に追いやる軍事クーデターを起こさせた。
80年代には中央アメリカが革命に敵対する米国の戦争の実験場と変わった。CIAと米帝国の数万の軍隊とその手先たちがグアテマラ、ホンジェラス、エルサルバドル、そしてニカラグアに配置させられた。それぞれの国の、または国際的な人権擁護団体の控えめな数字でも、彼ら自身と傭兵たちの手で25万人もの中央アメリカの人々が殺され行方不明にさせられた。
ニカラグアではいくら殺されたのか知るすべも無いほど大勢の人々が殺害された。血に飢えた『タッチョ・ソモサ』[2] を打倒したサンディニスタたちと戦うという口実を設けて、彼らは『コントラ』として知られる傭兵部隊を作り上げ、それを使ってニカラグアの民衆に対して莫大な犯罪を行ったのだ。コントラの傭兵に給与を支払うために、CIAはあの不名誉なイラン・コントラと呼ばれる作戦を重ねていた。そこでは、米国政府と議会によって禁止事項とされていたにもかかわらず、イランに武器を売った。次に、彼らは米国の消費者に対して販売するために麻薬を買った。そしてその稼ぎで武器と爆薬の代金、およびニカラグアの人々を殺し傷つける傭兵たちの給料に充てたのだった。
このような事実によって、この帝国と『民主主義を守るために』戦うエージェントたちの二枚舌的なモラルが明らかに示される。実際には彼らはすべての国々の人権と自由を踏みにじるのだ。
1983年に小さなグレナダ島はこの帝国の残虐な攻撃による犠牲者と化した。大統領のモーリス・ビショップが殺害された後だった。当然ながらこれにはCIAが加担している。
エルサルバドルの場合は、CIAはまずベネズエラのエレラ・カンピンス政権[3]を支配し、そのカンピンスがナポレオン・ドゥアルテ大統領[4]に兵器と備蓄食料を贈ったのだ。ドゥアルテは米国とCIAに支配された男だった。
この45年間、キューバはこの帝国政府と薄汚いCIAの犠牲者・殉教者であり続けている。この国は、皆殺しのための封鎖、ヒロン海岸での海軍による攻撃、破壊工作とあらゆる形態のテロリスト攻撃に、英雄的な精神で耐え忍んでいる。彼らの攻撃は、出血性デング熱やタバコのベト病や豚の熱病を引き起こす化学・細菌戦争にまで及んでいるのだ。
コロンビア作戦はパストラナ政権[5] の間にひねり出された。当然だが、米国国務省、CIAおよびペンタゴンのアドバイスと作戦と命令を受けたものである。この計画は米国政府に、帝国に対する完全な服従のサンプルとして『提出』された。クリントン政権は即座に軍と30億ドルにのぼる経済『援助』を送り込み、それはコロンビアの人々に敵対する情け容赦のない力を解き放つ役割をした。この計画の名目は麻薬密輸との戦いである。この言い訳は米帝国の陰謀を覆い隠すものだった。その真の目的はFARC-EPとELN[6]の解体である。
ディワインとグラスリィの両上院議員はこの『平和のためのコロンビア計画』に賛成し、カヴァーデルはそれをS1758法案[7]に作り変えた。それが『アリアンサ(同盟)』法案という名前で書き換えられたのは米国議会での議論と承認を得ることができるように、である。
この計画は、今や『愛国法』へと発展したのだが、暴力、人権の制限あるいは否定、軍事的拡張、そして集中的な軍事衝突を拡大させてコロンビアを本物の血と死と破壊的な馬鹿騒ぎがのさばる場へと変えることを意味している。
しかしこの状況に関して最も深刻なものは、米国がコロンビアを何百人ものヤンキー部隊、CIAとDEAが集まる巨大な軍事基地へと変えてしまったことである。戦争は徐々に他国を巻き込み始め、彼らはラテンアメリカの軍隊がコロンビアの紛争に直接に加わり地域紛争化させるように仕向けているのだ。このようにしてラテンアメリカの人々は南米における米国の地政学的利益を守るのであろう。
ラテンアメリカで最も貧しいハイチは、この帝国の干渉主義に繰り返し繰り返し犠牲になっている他の例である。最近のアリスチド大統領追放は人々に対する軍人や準軍人による暴力の再燃を引き起こしたが、フランスのジャーナリストであり作家であるヴォルテール・ネット[8]のティエリ・メイサンはハイチのクーデターに関して、それは2003年の夏に米国とフランスによって合意されたプランの産物である、と断定する。この言葉はキューバのジャーナリストであるエドゥアルド・ゴンサレスによっても引用される。
米国はハイチにFOLと呼ばれる新しい軍事基地を建設するだろう。そこはカリブ海地域にある他の基地を補完することになるだろう。そしてペンタゴンとCIAによってアルバとクラカオ[9] にあらゆる種類の軍事用輸送手段が置かれることになる。これらに、米国がエルサルバドルのコマラパやエクアドルのマンタ・バセに持つ軍事基地、ペルーやボリビア、アルゼンチン、チリ、そしてアマゾン盆地の空軍遠征部隊の新しい基地の施設が加わる。それらは米国コロラドスプリングスのシーヴァー空軍基地の中に置かれる軍事宇宙センターと接続されるべきものである。
帝国の最終目的は、我々の国々に大きな政治的軍事的な圧力をかけることに加えて、この地域を完璧な形で厳しくコントロールし、ラテンアメリカを新植民地へと変え、支配戦略を打ち固め、そして当然のことながら、天然資源を、特にアマゾンの膨大な水と酸素の支配権を手に入れることである。
アルゼンチンのジャーナリストであるカルロス・ファシオはリベラシオン[10] の記事を引用して次のように言う。米国の採用する手段、プロセス、軍事的そして政治的な行動は、『超保守的なヘリティジ基金』の陰にその姿を隠している。この基金は共和党に大きな影響力を持ち、キューバとベネズエラの『テロリスト』に対する南部司令部の役割を強化するように勧めた。しかし、コロンビア計画や南米アンデス地域構想で起こっていることと同様に、ハイチのFOLは、キューバとベネズエラに対する偶発的な軍事攻勢を作り上げるだけでなく、石油と天然ガスの豊富なメキシコ湾でのワシントンの『安全』を確保することに貢献することだろう。
世界は戦争の恐ろしさを知っており、同時に米国の戦争が、国際法で保障される人権、自由、尊厳、独立を完全に否定するものであることも知っている。いつまで世界はこの帝国の全面的な存在の仕方と全地球的な抑圧行動に耐えることができるのだろうか。
【中略】
結論
1、 最も冷酷で非人間的で残虐な国際テロリズムは、世界が苦しむ貧困と悲惨さの状態の中にある。米国はこの現実に対して最大の責任を負う。その意味で米国は地球上で最大のテロリストである。
2、 帝国の進歩した側面とその軍事的・政治的優越によって、米国はラテンアメリカをその天然資源を利用するために独占支配しようとしている。
3、 その地政学的な目的を果たすために、米国はキューバ、ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチンの政府に戦いを挑んでいる。その目的で諜報組織に介入を命令している。そして外交官を隠れ蓑にしたCIAやDEA、アドゥアナス(Aduanas)、NASの機関員を使って、謀略的で隠密の活動を繰り広げている。
4、 欧州ブロックや世界のその他の国々に、せめてその新植民地主義的な占領計画の成就を食い止めよう、という政治決定がなされないために、米国はラテンアメリカで何一つ咎められることなく振る舞うのだ。
5、 ラテンアメリカ諸国民の人権と基本的な自由の蹂躙は、CIA、DEA,FBIや他の米国特務機関員たちの弾圧的な活動の結果である。
6、 ラテンアメリカでの米軍基地の確保はコロンビア計画と愛国法の現実化である。それは麻薬密輸との戦いをうたうが、実際にはこの帝国の本当の軍事的・政治的目的を覆い隠すものである。つまりブッシュ・ジュニア政権のあらゆる意思をこの地域に押し付けるために、民衆の反抗を押しつぶそうとするものである。
7、 米国は、欧州モデルに即した南米連合あるいは南米国家共同体の組織化と発展に反対する。それはこの性格の超国家組織が、米国資本が優勢な多国籍独占企業の地政学的な計画にとって障害となっていくだろうからである。この目的のためには米国の叫ぶ民主主義や人権や自由の価値など重要ではないのだ。それゆえに、もし自由と主権を持つ政府が現れると、血に飢えた独裁政権に交代させられるかもしれないのだ。ちょうど60年代、70年代、80年代に起こりラテンアメリカを荒廃させた政変のように。
今こそこの蛮行を止めさせる時ではないのだろうか?
2005年2月 キト
尊厳・主権・反戦平和の法廷 キト:エクアドル
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童子丸 開 翻訳集目次
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