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愚かだったアメリカ人は、ようやく武力でも金銭力でも世界を支配できないと悟ったのだろう。だから黒人のオバマ大統領を選んだ。
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投稿者 TORA 日時 2009 年 1 月 17 日 13:58:33: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu184.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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愚かだったアメリカ人は、ようやく武力でも金銭力でも世界を支配
できないと悟ったのだろう。だから黒人のオバマ大統領を選んだのだ。

2009年1月17日 土曜日

◆オバマ氏の下で再出発する米国 1月16日 日下公人
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/p/77/

米国はもう終わりだと、わたしは8年前から言ってきた。ブッシュ大統領がイラク戦争を始めたときに、もうこれで米国はいったん終りになると思ってそう書いた。

 ナポレオンと同じなのだが、武力に頼るようになると必ず「攻勢終末点」を突破してしまう。それは自信過剰に起因するのだが、そういうフェーズに米国は達してしまった。

 さらに、米国は金融でも終わりを迎えた。2、3年前から、米国人の中にも「武力は行き詰まった状態のままだろうが、金融はそれより先に終わる」と言う人はたくさんいた。

 イラクのフセイン元大統領が大量破壊兵器を保持していると米国は言っていたが、一方でニューヨークでは別の大量破壊兵器をつくっていた。それが「サブプライムローンの毒入り饅頭」である。米国人がそれを世界にばら撒いた。世界にとっては、そのほうが怖かった。

 そして今では、誰もが「米国は大変だ」「もう終わりだ」と思うようになった。米国は今までのような「力の信奉者」では立ち行かない。今、「徳の実行者」へと変わらなければ、もう滅びてしまうだろう。その終わりかけのときに、なんとオバマ氏が当選した。

 わたしはそのことに感心している。ブッシュの米国、共和党の米国、ワシントンの米国はもう終わった。ニューヨークの米国は、もっと悪い。そうすると、田舎の県会議員が大統領になるのである。

 オバマ氏は実績なんか何もない。それなのに今、大統領選挙に勝った。そういうところは、米国はすごい国だと尊敬している。オバマ氏で、米国は再出発を始めるのだろう。


◆インターネットを背景にオバマ氏は大統領選に勝った
 では、オバマ氏は本当に「徳の実行者」へと米国を導くのだろうか。今のところ、そうは見えない。だから、彼は幕間のピエロなのである。「力の信奉者」という芝居が終わって、次の芝居が始まるまでの、幕間にピエロが出てきておどける。オバマ氏はまさにその役割を果たすのだろう。

「オバマさんはどんな人?」と人に聞くと、「彼はグッドリスナーだ」とか「詩人だよ」とか、「彼はダンスしながら話すのがうまいんだ」とか、そういった答えが返ってくる。彼は賢いから絶対に失言しない。逆に言えば、いいことは何も言っていない。「ワン ピープル」とか「イエス、ウィ キャン」とか「チェンジ」とか、そんなことしか言わない。

 それらの言葉がちょうど時流に乗っていたから、オバマ氏は「自分は変なことしちゃいけないんだ」と思ったのだろう。「チェンジ」とだけ言っている。そして「黒人のアメリカはない、白人のアメリカもない。ユナイテッド ステイツ オブ アメリカがあるのだ」というスローガンだけで、それがちょうど情勢に合っていたから、スローガン以外言わないで勝ってしまった。

 それから、米国の大統領選で明らかになったのは、現代はまさにインターネット時代だということだ。オバマ氏はインターネットを使って、献金と若者のボランティア運動員を集めたところ、それがものすごく集まった。

 最近、日本でも2ちゃんねる発で麻生首相へのクリスマスカードが届くというのを聞いて、日本も米国と同じことになるだろうと思った。恐るべきインターネット時代が既に到来していて、それが若者を動かしている。

◆ヒラリー氏とオバマ氏の密約とは
 オバマ氏はインターネットを活用して献金集めをした。するとたくさんの若者が献金して、あっという間に5億ドル集まった。

 ヒラリー氏はそれをやってないものだから、自分の友達から借金をした。あるいは大企業に献金を頼んだ。しかし、大企業は逃げた。

 オバマ氏が5億ドル集めた勢いに飲まれてしまった部分もあるだろう。数多くの人から圧倒的に集金しているオバマ氏の勢いを見て、「これはもう米国はチェンジするんだ」と大企業の人たちも思った。「我々ニューヨークの大企業が大口献金をしてテレビの時間を買い占めて、次の大統領を決める時代は終わった、もうそういうことをしてもムダだ」と思ったのではないか。たくさんの人々がインターネットで盛り上がっているのを見て、大金持ちが引っ込んでしまった。

 それから、民主党の中でも、ヒラリー氏にするかオバマ氏にするかを大統領選挙と同じように州ごとに大会を開いて決めていった。州ごとに決めていくと、どうもヒラリー氏の旗色が悪い。借金していくら金をつぎ込んでも、旗色が悪いままだった。

 明日の州大会で候補が決まるのではないかという予測が広がった、その前の晩に、オバマ氏とヒラリー氏が2人だけで会談した。内容は公表されていないが、前後の状況などから推測がつく。

 どうもそのときにオバマ氏はヒラリー氏に、「明日であなたは負ける、自分でもそう思っているだろう、だからもう潔く『オバマさん、頑張って』と言ってくれないか」と頼んだのではないか。その条件として、ヒラリー氏が抱えていた借金にオバマ氏が助け船を出した。

 オバマ氏はうまく金をやって、ヒラリー氏を降ろした。そして当選した。

◆保守と革新の「1人2役」を演じるオバマ氏
 大統領選の候補に選ばれたあと、オバマ氏はヒラリー氏を最重要ポストである国務長官にすると宣言した。それまでオバマ氏は、ヒラリー氏はホワイトハウスの中で夫(クリントン元大統領)を陰で操っていた、だからヒラリー氏では「チェンジ」にならないと言って、ヒラリー氏を倒した。その倒したヒラリー氏を国務長官に就けるのだから、それはチェンジではない。また国防長官も留任させて、軍事力と外交は変わりませんというところを米国民に見せた。

 それにより、米国民の半分は安心した。つまりオバマ氏は賢いといえば賢いのである。「チェンジ、チェンジ」と言っておきながら、「チェンジはしません」と自分自身がチェンジした。そうやって国民を安心させた。

 オバマ氏は1月20日に就任演説をするのだが、そのときにはもう1回チェンジして、かつてのルーズベルト大統領のニューディール政策をしのぐ大風呂敷を広げ、「ニュー・ニューディール政策」を発表するに違いない。2度目のチェンジでは、また革新派に戻るのである。そして、1月20日以降は改革派と保守派の1人2役を演じる。

 そんなオバマ氏を、日本人の評論家はどう評論するか。きっと誰も評論できないだろう。日本の評論家はみんな大学卒の秀才だから、右派か左派か、前か後ろか、善か悪かと、いつも二つに分けたがる。それを分析と称するけれども、それではオバマ氏は語れない。

◆オバマ氏は米国が日本化するまでの幕間のピエロ
 日本の評論家に「1人2役演じる人を何というか」と聞いても、そんな言葉は大学で習っていないとの答えが返ってくるのではないか。そういう人のことを指して「プラグマティスト(pragmatist=実用主義者)」や、「バランサー(balancer=均衡をとる人)」という言葉がある。

 オバマ氏は、バランスをとりながら大統領になったのだから、賢いのだろう。これからの米国もまた、バランスをとりながら壊れないようにするのだろう。壊れたとしても、日本人の目から見れば壊れているが、米国人から見れば「まあこんなものだろう」という米国になっていくのではないか。

 米国の何が壊れていくかというと、まずニューヨークの米国が壊れた。「マネー、マネー、ドル、ドル」と言っていた人たちが、普通の米国人から切り捨てられるということである。その普通の米国人たちは、おそらくだんだんと日本人に似てくるのだろう。信用が大事だ、人徳が大事だという動きが米国で始まってくる。

 オバマ氏は、そこに至るまでのつなぎをする幕間のピエロである。ピエロというと悪口になってしまうが、オバマ氏はリンカーン大統領のゆかりの場所で、「チェンジ、ワン ピープル!」と火の出るような演説をした。つまり、リンカーン大統領は南北戦争を通じて「一つの米国」をつくり上げたと言ったのである。分かれ争う国は立たず、と。リンカーンが南北戦争をしたときの看板は、奴隷解放ではなく、「分かれ争う家は立たず」だった。

 その、米国を一つにして暗殺されたリンカーンゆかりの場所で、オバマ氏は大演説をぶった。「米国を一つにするためにわたしは命を賭けている、暗殺されてもいいんだ」と、みんながそう思うように演じた。それがただのパフォーマンスなのかどうかは、当選が決まってすぐ、オバマ氏が側近に「わたしが暗殺されないようにガードマンを2倍にしてほしい」と言ったことから読み取れる。

 とにかく、1月20日にオバマ氏が就任式と施政方針演説をして、まもなく暗殺されるだろうと、まことしやかにいわれている。もしそうなったら、オバマ氏はピエロでなく英雄になる。

(私のコメント)
アメリカにとっては疫病神であったブッシュ大統領が退任して、20日にオバマ新大統領が就任しますが、アメリカはどのようにチェンジ出来るのだろうか。アメリカはイスラエルロビーによって乗っ取られ、国際金融資本によって乗っ取られた悪の帝国になってしまって、イスラエルのガザ侵攻にも米国議会はイスラエルを支持する決議を下すほどになっている。

それに対してバラク・フセイン・オバマ新大統領1人でアメリカ外交を変えていくことが出来るだろうか。変えようとすればイスラエルが動いてモサドのスナイパーがオバマを暗殺するだろう。イスラエルはアメリカの支持を失えば消滅の危機になるからどんな事でもしてくるだろう。アメリカはイスラエルを見捨てるべきだったのですが、アメリカは最初からイスラエル支持一辺倒だったわけではない。スエズ動乱の時まではアメリカは中立だった。

スエズ動乱でイスラエルは英国が頼りにならないとしてアメリカとの同盟の道を選択した。もはや第二次世界大戦後はイギリスやフランスが主導する世界ではなくなって米ソが主導する世界であることをスエズ動乱は示した。イスラエルは工作員を送り込んで在米ユダヤ人を動員して米国議会を乗っ取ってしまった。英国も世界の覇権を失いアメリカとの同盟で外交力の維持を図ろうとした。


◆アメリカに依存する二つの国、イギリスとイスラエル。しかしイギリスはイラクから撤退して、アメリカ軍は補給路を断たれて絶体絶命か? 2007年8月30日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/43b6eefd29c59b3e3a06a1df9ba5bf8b

アメリカが衰退する事はイスラエルにとってもイギリスにとっても死活問題であり、本来ならば止めさせるべき立場だろう。アメリカもようやく失敗に気がついて撤退時期を模索しているが、撤退するだけでなく国内に引き篭もって外国に関与しない孤立化政策をとるようになるだろう。これは国際金融資本や奥の院にとっては阻止しなければならない。

国際金融資本や奥の院にとってはアメリカが世界の警察官でないと困る事になる。イラクやアフガニスタンでアメリカ軍の強さを見せ付ければ中東一帯は大人しくなると見ていたのかもしれない。しかし結果は逆であり毎日のようにアメリカ兵の戦死が伝えられている。アメリカ軍は陸上戦闘では陸に上がった河童であり弱点を見せてしまった。

(私のコメント)
アメリカはこのようにしてイスラエルやイギリスの唆されてイラク戦争に踏み切ったのですが、アメリカの軍事力の限界を示す事となった。イラクを制圧しようとすれば40万人の兵力が必要ですが13万人しか動員できず、イラク軍は敗北させてもイラク国民の抵抗を抑え込むには兵力の大量動員が必要だ。

アメリカは60年代からドイツや日本の経済力の追い上げを受けて製造業の衰退が始まった。アメリカの経済力のリードは二つの世界大戦と国内で産する石油によるものですが、三度目の世界大戦を仕掛けるわけにも行かず、朝鮮戦争やベトナム戦争などのユーラシア大陸周辺での地域紛争しか起こせなかった。これではアメリカ経済は活性化しない。

そこで、アメリカは軍事力以外で金融による世界支配を目指す事にしたのですが、国際金融資本による世界支配と戦略は重なる。アメリカにとっても富がアメリカに集まるのならば軍事力と補完しあった強力な世界支配が出来るとアメリカ人は考えたのだ。それは2007年までは順調に行ったかに見えた。ニューヨークとロンドンは世界の金融センターになり恒久的繁栄を保てると考えた。

最近のアメリカ大統領は国際金融資本が生み出した大統領であり、ユダヤ資本でありイスラエルやイギリスも関与している。彼らに逆らえばケネディのように暗殺されたりニクソンのように失脚させられる。本来ならばヒラリー・クリントンが大統領の本命だったのですが、日下公人氏が書いているようにネット献金でオバマ候補はクリントン候補を上回ってしまった。従来ならなクリントン候補が圧倒的な資金力で勝っていたはずだ。

だからオバマ新大統領はケネディのように暗殺される可能性がある。ビル・クリントンはケネディのイメージで当選したのですが当選してからは見事にチェンジして国際金融資本の傀儡になってしまった。オバマ大統領もそうなるかもしれない。しかしオバマ大統領を生み出したネット世代の若い人たちは9・11の陰謀も知っておりケネディ暗殺の裏も知っている。だから国際金融資本も勝手な真似は出来なくなり当面はオバマと協調して時間をかけてオバマを取り込んでいくのだろう。

しかし国際金融資本は今回の金融恐慌で大きく傷ついており、以前ほどの影響力は無くなって来ている。バーナンキFRB議長は国際金融資本の所有物である金融機関を紙幣をばら撒いて救済しているが、やがてはハイパーインフレとなってアメリカと国際金融資本は共倒れになるだろう。一部の資本家は中国を次の世界覇権国とみなしてアメリカを見捨てるようですが、国際金融資本も分裂している。

オバマ新大統領はネット社会が生み出した最初の大統領となりますが、国際金融資本やイスラエルロビーはオバマを取り込むことが出来るだろうか? クリントンやブッシュは見事に取り込まれてしまったが、ネット社会では容易ではないだろう。以前ならマスコミを買収して世論を用意に操作できましたが、ネット社会では下手な事をすればブロガーの集中攻撃でキャスターは辞めさせられる。

韓国でもネット社会がノムヒョン大統領を生み出しましたが、日本ではネットが新しい総理大臣を選ぶまでになってはいない。日本では選挙にもネットを利用する事は禁止されているほどであり、日本でネットが総理大臣を選ぶ日が来るのはいつのことなのだろうか? 麻生総理もネットを上手に利用しているとは言えず、旧世代の政治家であることがばれてしまった。

アメリカでオバマ大統領を生み出したネット献金は日本ではまだ普及していない。「株式日記」でもネット献金制度を普及させるべきと書いてきましたが、自民党の総裁選挙でもたったの二週間の形ばかりの閉ざされた選挙では無理だ。国会議員選挙でもネットが解禁されていないのだからテレビの影響が一番大きく左右する。

日本とアメリカとの外交で大きな影響が出ると思われるのは、アメリカの大統領と日本の総理大臣が選ばれる背景が全く異なる事であり、日本ではネットのから遮断された世襲政治家が総理大臣になるが、アメリカではただの地方議員がいきなり大統領に選ばれるチャンスがある。

日本でもインターネット自体は普及しているのですが、政治に対する影響力はアメリカに比べると無力だ。政治経済のブログを書いているブロガーも少なく、ネットで国会議員を送り出す事が出来る日が何時ごろ来るのだろうか? 日本では相変わらず後援会頼みのどぶ板選挙であり、だから世襲政治家が選ばれて、総理大臣も小泉、安倍、福田、麻生とみんな後援会型選挙で選ばれた二世議員だ。

つまり日本からはオバマのような地方議員からいきなり総理になれることは当分望めない。まずは選挙でインターネットを使えるようにしなければなりませんが、国会では定額給付金の事ばかりが問題になっている。日本でもネットを使って民意が反映される選挙にすべきなのですが世襲政治家が反対しているのだ。


 

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