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(回答先: シオニズム運動の指導者たちは、ナチスドイツと手を組み、ユダヤ人の大量移住を企てた 【中丸薫】 投稿者 愚民党 日時 2009 年 1 月 15 日 17:10:16)
去り行くブッシュ大統領、世界に残した戦争と経済危機の記憶
2009年 01月 14日 17:09 JST
[ワシントン 13日 ロイター] 終わらない2つの戦争を抱えながら、景気後退(リッション)が深刻化する米国。財政赤字は1兆ドル規模に迫り、世界での印象には傷がついた。ブッシュ大統領とその支持者らは、歴史はブッシュ政権に好意的な評価を下すと主張する。
しかし、歴史家の間ではすでに、ブッシュ大統領をフーバー、ハーディング、ブキャナンの各元大統領らと並び、歴代最低の大統領の仲間入りをするとの見方も出ている。
ブッシュ政権の評価を下すのは時期尚早と考える有識者も一部にはいるが、多くの専門家はすでに結論を出している。
ペンシルベニア州ゲティスバーグ・カレッジの政治学者、シャーリー・アン・ワルショウ氏は「ひどい大統領任期だったことに疑いを持てる人がいるだろうか。今から整理する必要があるのは、彼(ブッシュ大統領)がどのぐらいリストの下に行くかだけだ」と語った。
共和党の英雄レーガン元大統領は、前職の民主党カーター元大統領時代と比べ、生活が豊かになったかどうかを国民に問うた。その基準では、ブッシュ大統領が健闘したとは言い難い。
過去80年で最悪の金融危機の最中に8年間の任期を終えるブッシュ大統領は、支持率が30%を切り、近年では最も支持されていない大統領の1人となった。
2001年9月11日の米同時多発攻撃の後に獲得した幅広い支持は久しく前に失われ、イラク戦争やハリケーン「カトリーナ」への不適切な対応、金融危機が政権の重しとなった。
米国の失業率は16年ぶりの高水準となり、住宅ローン市場は崩壊し、国民の蓄えは失われつつある。
ブッシュ政権下でのプラス面を挙げるとすれば、米国に対する攻撃が国内で再び起きなかったことかもしれない。ペリノ大統領報道官は「過去7年で別の攻撃を受けなかった。それは大切なことだ」と話している。
<イラク戦争と外交>
海外では、ブッシュ大統領の記憶は主として、イラク戦争によって形作られるようになるだろう。そして、イラク戦争の出口戦略の完遂と米国の信頼回復は、オバマ次期大統領に持ち越される。
ブッシュ大統領は昨年12月、治安改善を訴えようとバグダッドを電撃訪問したが、人々の記憶には、記者会見で現地記者から靴を投げ付けられたことの方が残りそうだ。
未解決の外交問題はまだある。核問題をめぐるイランとのこう着状態は、オバマ新政権の最大の課題の1つとなる可能性がある。アフガニスタンでは、反政府武装勢力のタリバンが息を吹き返しており、アルカイダ指導者ウサマ・ビンラディンも捕えることができていない。
イスラエル・パレスチナ和平問題への取り組みは、多くの専門家の間で少な過ぎかつ遅過ぎると評されており、最近のガザ地区での情勢悪化はそれを象徴しているとの見方もある。
オバマ次期大統領は中東への積極的な関与をうたっているが、米国がイスラエル寄りだというブッシュ政権がアラブ世界に残した不信感に直面する可能性が高い。
キューバのグアンタナモ米海軍基地内にある容疑者収容所の問題も、オバマ次期政権に引き継がれる。同収容所は人権活動家らの非難の的になっており、オバマ氏は閉鎖の方針を繰り返し表明している。
環境問題では、温暖化ガス排出量に上限を設けることに反対し、米国の単独主義の印象を一層強めた。
一方、ブッシュ政権が外交面で評価を得ている点としては、インドとの協力関係強化や、中国に対して以前より建設的な国際的役割を演じるよう促したこと、アフリカでのエイズ対策などが挙げられる。
<100年に1度の危機>
比較的安定的な6年間の経済運営の後に出現した100年に1回と言われる金融危機は、ブッシュ政権にとって最大の打撃になったと思われる。自由市場経済を支持してきたブッシュ政権だが、その信念に反するような政府による大規模な介入を行った。
米国発の金融危機の影響が世界に波及するに従い、抑制のきかない米国式資本主義への批判は強まり、グローバルシステムでの米国の将来的な支配力に対する疑問も持ち上がった。
アナリストの多くは、ブッシュ大統領の規制撤廃にかける情熱が、金融危機の一因になったとみている。ほかにもさまざまな要因があるにしろ、金融危機はブッシュ政権下で起きており、厳しい歴史の判断は受けざるを得ないだろう。
米国の有権者はすでに、ブッシュ政権には審判を下している。昨年11月の大統領選でオバマ氏が共和党マケイン氏に圧勝したのは、ブッシュ政策に対する国民の拒否が根底にあるとみられている。
ジョージタウン大の政治学者スティーブン・ウェイン氏は「ブッシュなしでは、初のアフリカ系アメリカ人大統領は今回は誕生しなかっただろう」と語る。
残された時間が少なくなるなか、ブッシュ大統領は過去数週間、自身の任期のイメージ向上に時間を費やしている。近年のどの大統領よりも多くの退任インタビューに応じ、一連の政策演説を行い、お別れ記者会見を行った。
ブッシュ大統領は、歴史の評価は「ある程度の時間が経った後」に下ると語り、退任当時は不人気だったハリー・トルーマン元大統領のように、いつか正しさが証明される日が来ると繰り返している。
しかし、ライス大の歴史学者ダグラス・ブリンクリー氏は「トルーマンは失敗した政治家の守護聖人」のようなものだと指摘。ブッシュ大統領はむしろ、世界恐慌が始まったときに政権に就いていたフーバー元大統領との比較の方が相応しいと見方を示している。
(ロイター日本語サービス 原文執筆:Matt Spetalnick、翻訳:宮井 伸明)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-35860720090114