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http://palestine-heiwa.org/news/200901140326.htm
2009.01.14
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(ガザ侵攻関連:翻訳)医療スタッフを狙い撃ちするイスラエル兵
Posted by:情報センター・スタッフ
ガザでISM(国際連帯運動)の一員として活動しているカナダ人エヴァ・バートレットさんによる、医療スタッフに対するイスラエル軍の攻撃を現場で体験した(自分も銃撃された)レポートです。
医療活動に対する妨害や攻撃がジュネーヴ条約に反する戦争犯罪であることに加え、この攻撃は、イスラエルが言うところの「人道支援のための3時間」の停戦中になされたとのことです。
各所で報じられているように、イスラエル軍による医療スタッフへの攻撃も、「人道支援のための3時間」の停戦中の攻撃も、ともに珍しいことではありません。
文章のあとに、スタッフが撮影した映像も掲載しています。
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医療スタッフを狙い撃ちするイスラエル兵
エヴァ・バートレット
エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine
2009年1月12日
1月7日、スペインの人権活動家でドキュメンタリー作家のアルベルト・アルセと一緒に、パレスチナの医療スタッフが、イスラエルの地上侵攻軍に撃ち殺されたひとりの男性の遺体を収容するのに同行した際、私たちは、遺体を救急車に運んでいる最中の医療スタッフともども、イスラエル兵の銃撃を受けた。場所はジャバリヤの東の地域、ダウワール・ジーモ。地上侵攻が始まって以来、イスラエル軍の兵士に占拠されている場所に近いこの一帯では、イスラエル軍の爆撃と銃撃で何十人もが重傷を負ったという情報が入っている。負傷者・遺体収容は医療スタッフの任務で、これができないとなると、もっともっと多くの人が、何日も何週間も、怪我を負い殺された場所にそのまま放置されつづけることになる。
医療スタッフのハサン・アル・アタルとジャマルが救急車(101救急車とはっきりと記されている)を降りて、道の真ん中に横たわっている遺体に向かっていった。ふたりともパレスチナ赤新月社(PRCS)のユニフォームを着ている。ハサンは蛍光帯のついた明るい赤、ジャマルは同じく蛍光帯のついた明るいオレンジ色と白のベストだ。ゆっくりと近づいていくふたりの手には、遺体を運ぶストレッチャー以外には何もない。アルセがその様子をヴィデオに収める。ハサンとジャマルが死んだ男性を抱え上げ、ストレッチャーに載せ、救急車に戻りはじめる。突然、アルセがまだ撮影を続けている時に、銃撃が起こった。明らかにスナイパーの銃撃だ。マシンガンではない。ハサンとジャマルは、信じがたいことに、それでもなお遺体を運びつづけようとし、死んだ男性を載せたストレッチャーごと走った。でも、とうとう、自分たちの命を守るためにストレッチャーから手を放さざるをえなくなった。
時間は午後1時半ころ。イスラエル自身が宣言した「時間限定停戦」の最初の日に、スナイパーが医療スタッフを狙い撃っている。救急車はサイレンを鳴らしっぱなしで、運転手は、私たちと自分に向けてさらなる銃弾が襲いかかってくるのをかわそうと即座に車を発進させ、スナイパーから遠ざかる方向に走り出した。結果、私たちは半狂乱になって、ハサンとジャマルを探しまわることになった。
これに先立つ日々、ガザの人たちに対するイスラエルの空爆・地上攻撃が始まってから、7人の医療スタッフが殺された。怪我をした者は何十人にも及ぶ。ハサンもその一員に加わることになった。スナイパーの銃弾はハサンの太ももを貫通していて、ハサンが必死に救急車に這いずり込んできた時には、ズボンから血がどっぷりしみ出ていた。
医療スタッフはみな、イスラエル軍の兵士の面前で仕事を行なうことが自分たちの死につながりかねないことを充分に知っている。みな、これまでもこういう事態には何度となく直面してきている。ジュネーヴ条約では、侵攻軍は、医療スタッフを銃撃してならず、彼らが死者・負傷者を収容するのを妨げてはならないと明記されているが、イスラエル兵はそんなことはおかまいなしなのだ。
私はもう気が気でなかった。ハサンもジャマルも失うことになるのかもしれないと思った。何度表彰されてもいいくらいの仕事をやっている、この素晴らしい若者たちを。でも、とうとうふたりを見つけ出した。ハサンとジャマルが救急車に跳び込んでうしろのドアを引き下ろすまでの10秒か15秒が果てしなく長く思えた。その15秒の間にも、私たちは最悪の事態におびえつづけていた。救急車が一目散に逃げ出した時、最後の銃弾がバックドアに命中した。
ほかのスタッフがすぐにハサンの太ももの治療に当たった。銃弾は左太ももの上部に当たり、筋肉を切り裂き、侵入孔から5センチほど離れたところから出ていっていた。ハサンは感動的なまでに雄々しく振る舞っていたけれど、恐ろしい痛みに耐えていることは明らかだった。
アルセのヴィデオには、この出来事が逐一撮影されている。このヴィデオは、私たちが目撃したこと、医療スタッフが、これまでずっとこういう事態をかいくぐってきたんだと私たちに話してくれていたこと、イスラエル当局が否定しつづけていることに対する動かしがたい証拠となる。イスラエルは医療関係者をターゲットにしている。ジャーナリスト、一般人を狙い撃ちにしている。今のガザでは、動くものには何であれ銃弾を浴びせている。医療活動への保護・安全・保障はいっさいない。
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エヴァ・バートレットはカナダ人の人道活動家、フリーランサー。2007年、西岸地区の各地に8カ月、カイロとラファ・クロッシングに4カ月滞在。2008年11月に第3次フリー・ガザ運動の船でガザに到着したのち、現地にとどまり、国際連帯運動(ISM)の一員として活動を続けている。現在、ISMメンバーは、救急車同伴活動を実施し、イスラエルのガザ空爆・地上侵攻の目撃証言を現地から発信している。
原文:"Israel is targeting medics"
Eva Bartlett writing from the occupied Gaza Strip, Live from Palestine, 12 January 2009
翻訳:山田和子
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関連記事:連中はもうどんなことをしてもいいと思っている エヴァ・バートレット
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