http://www.asyura2.com/09/test17/msg/813.html
| Tweet |
転載元：Like a rolling bean (new） 出来事録http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20100128.html
2010-01-28
エネ庁の広告、『原子力技術のある街で、大きな笑顔、見〜つけた。』 （今月は新潟県柏崎市）
経産省産業エネルギー庁が全日空の機内誌に『原子力発電所のある街で、大きな笑顔、見〜つけた。』という見開き広告（記事の体裁を取った広告記事）ページを持っています。
毎回、農業漁業をはじめとする地場産業に関わる方々の日常を取材されていて、それに対し原子力技術の簡単な図解やコラムが併設されています。
取材を受けた住民の方々も、地道に取り組まれている家業（あるときは漁業、あるときは自営など）を前向きに説明されているだけであって、「原子力発電所のある街だから」という関係性は、本来は何もありません。
「いやいや、電源交付金を出しているのだから」、とエネルギー庁は言いたいかもしれませんが、それは暮らしている方のねだったものではありませんし、「大きな笑顔」とはやっぱり関係ありません。
ましてや、「原子力発電所のある街にも関わらず笑顔でいられる」、などとは記事に載った方々も決しておっしゃってはいません。
この記事の趣旨は、「皆さん、原発に愚かな偏見を抱かないでください、たとえ原発があっても、野菜もできて魚も穫れて、美味しい地元料理も、素敵な旅館もある、酒だって作れる・・・」というメッセージなのでしょうか？
もしかすると、風評被害に悩む地元への埋め合わせなのでしょうか？
でも、たとえて言えば、「改悪教育基本法のある学校で、子どもたちの大きな笑顔、見〜つけた。」という記事が出ているに等しいように思います（だから、改悪教育基本法が正しい？まさか、といったことも含め）。
そんな記事もジミントー、特にアベ「美しい」政権下では出かねませんでしたが。
〜〜〜
ともあれ、機会あって機内誌を手にするたび、わたしはこの広告を見ないではいられません。
そして、掲載する側に対しての、もうあからさまに言えば「嫌な気持ち」、つまり、原発の街の地元の方を、イメージ戦略に「利用」している狡猾さへの嫌悪感、という感覚は、どうしてもぬぐい去ることができません。
日本で世界の1割＝55基が存在している原発の地元で、「お上の取材」を断る余地があるとも思えません。
そして、今月がこれです・・・。
翼の広告 2010年1月号 p.103〜104
『原子力技術のある街で、大きな笑顔、見〜つけた。 [新潟県・柏崎市]
あの地震から2年、今年もここで地酒造りを営んでいます。』
柏崎刈羽原子力発電所のある町で、こだわりの酒造りをされている方々への取材です。
ここから抜粋：
あの新潟県中越沖地震（2007年7月16日）が教えてくれたことを、
今も大切に胸にしまっているといいます。
あの瞬間に思ったのは、なにより社員の安否でした。
7割近くが東海した酒造り関連施設ですが、
心臓部となる仕込み工場だけは被害が軽くてすみました。
その昔、新潟地震（1964年6月16日）の翌年に、先代が耐震構造を
見直し、安全対策をしてくれていたお陰です。
一方、柏崎刈羽発電所の心臓部である原子炉が
自動停止したことを知りました。あの地震があって、
原子力発電所と伝統の醸造技術が共存する町に住んでいることを、
あらためて確認するとともに誇りにも感じたそうです。
地震のせいで品質や味が落ちたとは絶対に言われたくない。
そんな心意気を、社員や地域のみんなと一つにした体験を胸に
（略）
筆舌に尽くし難い震災経験の中で、さらに原発の不安はただならぬことだったでしょう。なのに、この原発のある町に住んでいることに心底「誇りにも感じたそうです」という言葉を選んで掲載していることがとても気になります。
これは広告主側のためでなければ誰のための言葉なのでしょう？
そして、その直下の緑色の枠内には、「安全確保のしくみ（BPR）」として、沸騰水型原子炉の地震対策のポンチ絵が掲載されています。
これは、やはり柏崎刈羽の再稼働を前提としたものでしょう。
安全策（があるのだとすれば）を、こんなイメージと抱合せ広告するのではなく、もっと明らかな形で示さなくてはならないのではないですか？
これこそ、「感情論」なのではないでしょうか。
地震の被害に遭った方々にも、上関のように今まさに原発建設の強行に抵抗する方々にも非礼にあたると思えます。
また、4枚のプレートの上に存在する日本の住民全体に対しても。
参考：
『日本列島』
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/nihon-01.htm
日本列島そのものは、ユーラシアプレートと北米プレートに乗っていて、これらは太平洋プレートにより東から、フィリピン海プレートにより南から押され、太平洋プレートとフィリピン海プレートは海溝やトラフをつくって潜り込んでいる。こうして、日本は3つのプレートが1カ所で接する三重点（トリプルジャンクション）が近くに2つもあるという、極めて複雑な様子を示している。（以下略。上記リンクをご覧下さい。容量が大きく掲載できませんが、日本列島の地殻変動の拡大動画もあります）
『平成21年度防災白書』
世界の震源分布とプレート
http://www.bousai.go.jp/hakusho/h21/bousai2009/html/zu/zu002.htm
＝＝＝
柏崎刈羽原発の運転再開は危険です。（こちらも署名続行中）
＝＝＝
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます（表示まで20秒程度時間がかかります。）
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
