5年間の核燃料代=169億÷0.13=1300億円
1年間の核燃料代=1300億÷5年=260億円/年 …(1)
浜岡原発の発電量
稼動中の3〜5号機の合計出力
110万+113.7万+138万=361.7万≒360万(kW)
稼働率60%と仮定して,1年間の総発電量は
360万kW×24hr/日×365日/年×0.6≒189億kWH/年
送電効率90%と仮定して,1年間の総電力供給量は
189億kWH/年×0.9≒170億kWH/年 …(2)
(1),(2)より,1kWHの電力量を供給するのに必要な核燃料代は,
260億円/年÷170億kWH/年≒1.5円/kWH
となりました。
1.5円/kWH !!
中電(中部電力,東海地方では中電といえば中部電力)が言う13.87円のわずか
1.5円÷13.87円≒11%
11%に過ぎません。
確かにウラン燃料代は,かなり安いようです。しかし,逆に言えば,建設・稼動にかかる経費だけから産出される中電計算の浜岡原発の発電原価は,13.87円であり,原発とはウランで発電しているようで実は,「石油の缶詰」(昔,槌田敦さんが言った言葉だと思います)でしかないことの実証であるでしょう。
運良く無事故で原発が生涯を終えたとしても,廃炉費用,使用済み核燃料処分費用が天文学的な数字になるはずであり,結局「ウランで発電する」はずだった原発が最後の最後まで石油のお世話になり,総コストの限りなくゼロに近い部分がウラン燃料代ということになるのでしょう。
原発に限らず,われわれ現代人は無駄なことばかりやっており,それが「景気対策」の美名で許されています。金利を取る貨幣制度(⇒経済成長が強要される制度)を抜本的に変革しない限りわれわれに未来はないでしょう。
参考
原発とは直接関係ありませんが,なぜ原発などという下らないものでもみんなが認めてしまうのか,それは現代人が経済成長を必要だと思っているからでしょう(確かに現状はその通りです。そしてわれわれは破滅に向かって突っ走っています)。金利を取る現代の貨幣制度が経済成長を強要する根本原因であるということを極めて容易に説明したページがあります。ぜひ,お読みください。
中立貨幣