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【いまや世間では「地デジカ」よりも「アナロ熊」のほうが圧倒的にポピュラーだぜw】「アナロ熊」が暴いてしまった「地デジカ」の秘密
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(日経ビジネス)
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トップ > 政治・社会 > 小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 〜世間に転がる意味不明
2009年5月11日(月)
「アナロ熊」が暴いてしまった「地デジカ」の秘密
小田嶋 隆
アナログマ 地デジ 民放連
欲 2割 著作権
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テレビ東京が社運を賭けてプッシュしていた「世界卓球」は、あんまり盛り上がらなかった。残念。個人的には、面白く観戦していたのだが。
放送を見ていて思い出したことがある。私には、卓球部員だった過去があった。そう。中学生になってすぐ、私は、卓球部に入部したのだ。
体育館の壁に立てかけられている卓球台を見て、ガキだった私は
「おお、卓球部に入れば毎日ピンポンで遊べるぞ」
と考えた。
その愚かな目論見は、入部したその日に瓦解する。
新入部員は、一日中素振りばかりやらされることになっていたからだ。
私は、2日ほどで退部した。ほかの幾人かの惰弱な仲間たちとともに。「ちぇっ」とか言いながら。
いまにして思うのは、あの、無意味に思えた素振り練習にもきちんとした役割があったということだ。
フォームを固める?
まあ、そういう効果はある。全身を使ってラケットを振る感覚を覚えることは、ある意味、実際にピンポン球を打ち返すこと以上に重要であるのかもしれないわけだから。特にビギナーにとっては。
が、真の狙いは違う。
素振り練習を通じて得られる結果のうちで、最も有効なものは、「根性の無い部員を退部に追い込める」ということだ。そう。素振りは、初心者の部員に基礎技術をもたらすための試練である以上に、こらえ性の無いタイプの人間をいぶり出すための、一種のリトマス試験紙として機能していた。で、私はいぶり出されたわけだ。巣穴の中の子狐みたいに。
ブラスバンド部が採用している「ロングトーン」(←音階を吹く前に、管楽器のマウスピースの部分だけを与えて、一日中息の続く限り同じ音を吹かせる練習)も、意図は同じだ。
もちろん、安定した吹奏技術習得のためには、しっかりとしたロングトーンを身につける必要があるのだろう。が、主たる狙いは別にある。やはり、吹奏楽部もまた、ちゃらんぽらんな部員が貴重な楽器をいじくりまわすことを嫌う組織ではあるわけで、それゆえ、彼らは、楽隊の音楽的水準を保つためにも不良分子をすみやかに排除したいと願っている。で、そのためには、一年生を半月ばかりマウスピースとともに放置しておくのがちょうど適切な試練になるのだな。
事実、私は、入部さえしなかった。卓球部をやめた後に、器楽部にはいろうと思っていたのだが、ロングトーンの練習風景を見て断念したのだ。
「冗談じゃない。誰があんな軍楽隊みたいなとこに行くものか」
と。
正しい選択だったと思う。私のためも、器楽部のハーモニーのためにも。
……と、ここまで書いていて思い出したのだが、私が新入社員であった当時に受けていたあの退屈な研修もまた、素振りや球拾いやロングトーンと同じタイプの一種の通過儀礼で、真意は、ふるい分けにあったのかもしれない。
で、私は、実の入っていない籾が水面に浮かび上がるみたいにして、まんまと正体をあらわしたわけだ。自業自得だが。
でもまあ、象の鼻が長い理由は象にはわからないし、彼の罪でもない。「そうよ母さんも長いのよ」という以上の説明もできない。だからこそ、「性格は別の言葉でいえば運命だ」と、ソール・ベローは言ったのであり、私はあぶり出され、いぶり出され、いびり出されたのである。
それに、象が鼻を切ったら、たぶん豚みたいなものになる。耳の大きな豚。しかも飛べない。私は、何を言っているのだろう。
さて今回は、「アナロ熊」を取り上げたいと思う。
ええ、あんまり面白かったので、スルーできませんでした。勘弁してください。
こういう@2ちゃんねる発の悪ふざけみたいなものを、公式のメディアで紹介することの是非については、さまざまな意見があると思う。
私自身、@2ちゃんで発生している不謹慎な動きを全面的に擁護しようとは思っていない。尻馬に乗るつもりもない。
でも、面白いものは面白い。こればかりはどうしようもない。
それに、面白いものには面白いだけの理由があって、その面白さを観察すれば、それなりに見えてくるものもあるはずなのだ。
今回の例でいえば、アナロ熊は、地デジ化推進運動の背後にある暗部を見事に暴く役割を果たしてくれている。
ブラスバンド部が新人に課す一見無意味なロングトーン練習が、真摯に努力しない人間を顕在化させる効果を持っているのと同様の理路において、一見不真面目な熊の絵にしか見えないアナロ熊は、それを扱う人間の品性を判定するセンサーとして機能する。そういうことだ。
まず、イラストを見てほしい。
ここに描いた「アナロ熊」は、代表的な様相の一つではあるが、アナロ熊のすべてではない。
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というよりも、アナロ熊は、出自がパロディであるだけに、もともと、定まったカタチを持っていない。言ってみれば、電脳空間を徘徊する人々の集合無意識が具現化した、白日夢みたいなキャラクターなのだ。
であるから、それは日々刻々と変化し、観察者の立ち位置次第で、全然別のカタチに見えたりする。
詳しくは以下のサイト(一時期「公式サイト」とされていた)から辿った先のリンクを巡回してみてほしい(リンクはこちら)。
スーパーリアリズム、写真コラージュ、アスキーアート(文字を使った絵画)、メルヘン調、萌えイラスト、プー風味……と、あらゆるタッチの熊イラストに出会うことができるはずだ。
アナロ熊は、「2011年7月 地デジ化延期」を目指すアナログキャンペーンのキャラクターということになっている。
が、そんなご大層なものではない。
要はパロディ。ないしは、悪ふざけだ。意図なんか無い。理念や決意も抱いていないし、覚悟だとか哲学といった種類のナニモノとも無縁だ。
しかしながら、不特定多数の人間の間で継続的に展開される悪ふざけは、ある段階を過ぎると、一定の批評性を獲得することになっている。というよりも、批評性を欠いた悪ふざけは、長続きしないものなのだ。その意味で、発生以来無数の追随者を生み出しつつあるアナロ熊は、正しく批評的な熊だということができる。
批評と言っても、公式的な意味でいうところの、正統な批評とは違う。
批評家が個人の責任と見識において公表する批評は、ある事象を、ある特定の視点から切り取ったひとつの断面を提示している場合が多い。
つまり、確固たる「目」(批評眼:これについて、筒井康隆は「あえて特別な名前がついているところからすると、普通の人の目とは違うものを見ているのであろう」と言っている)の存在が、批評を批評たらしめている、と、そういう構造になる。
不特定多数による批評の場合、生成過程がちょっと違っている。
不特定多数の人間(それも匿名)による批評は、より多様でより微細でより断片的な印象の総和としてネットのようなメディアに姿を現すことになっている。つまり、ひとつひとつは身勝手な捨て台詞でしかない言葉でも、何万人の声が集まると、それはひとつの意図として動きはじめるのだ。
だからたとえば、「地デジカ」の誕生に至る一部始終を見ていた人々の感慨は、地デジカを主食としてバリバリ食べてしまう大食漢の熊のカタチで具現化することになるわけで、とすれば、アナロ熊は、思いつきのいたずらではあっても、あるいは思いつきのいたずらであるからこそ、深刻な批評性を孕んでいるのである。
いずれにしても、実態に即したカタチで解説するなら、アナロ熊は、「民放連のメディアリテラシーの低さを揶揄するべく誕生した、ネット発の嘲弄キャラ」ということになる。
嘲弄。
21世紀メディアの主たる(あるいは唯一の)機能。
ムカつくけど面白い。
経緯を説明する。
1.地デジ大使、クサナギ剛氏が、公然わいせつ罪で逮捕。大使職を辞することに。
2.空位となった大使に代役を立てるのかと思っていたら、どっこい民放連は、「地デジカ」というゆるキャラを持ってきた。
で、
3.鳩山総務大臣とともにひとつのフレームに収まった写真がプレスリリースされた。
素晴らしい。
ここまでは良かった。
というよりも、率直に言って私は、「地デジカ」を推し立てた人々の対応の素早さと、その手腕に感心した。
「地デジ大使」については、あわてて代役を立てたところで、簡単に適役が見つかるとも思えなかったし、なにより、新しい大使のために新しいギャラが発生すれば、総務省なり民放連なりに非難が集中することは明らかだったからだ。とすれば、「新キャラ無し」で行くのはひとつの見識だったし、シンボルとして、ゆるキャラを持って来ることも、必然であった。
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「地デジカ」という語呂合わせが巧いのかどうかは、たいした問題ではない。
語呂合わせは、デキが良すぎるとかえってハイブローになって人口に膾炙しない(「ア・ピース・オブ・警句」とか「イン・ヒズ・オウン・サイト」とか)。その意味で、「地デジカ」は、頃合いの完成度だった。
お上が推進する運動の語呂であるなら
「なーにをバカなことを(笑)」
ぐらいに受けとめられる完成度がちょうど良いのである。
肝要なのは、修辞の巧みさで人々を圧倒することではない。語呂の馬鹿馬鹿しさで、受け手を脱力させることだ。
「地デジカ? って、まさか、鹿のことか?」
「ツノがアンテナとか?」
「うっそ。バッカじゃない?」
ほーら、大成功。みんなが笑顔になっている。
いかにもやっつけ仕事っぽい粗雑な表情(本当は、ここで「地デジカ」のイラストも付加したいところなのだが、地デジカ君はことのほか著作権にうるさいそうなので断念する)も良い。非常に良い味を出している。
こういうキャラは、適当で良いのである。
「せんと君」にしても、「ひこにゃん」にしても、やっつけ感が成功のモトになっている。トラブルやら苦情があることが、逆に宣伝になったりもするわけだから。そう思えば、地デジカのユルさは、余白の豊かさという意味で、秀逸でさえある。うん。褒めてます。
さてしかし、ここから先、民放連は、徐々に馬脚をあらわすことになる。地デジカには馬の脚がついていたわけで、つまり……(以下略)。
プレスを通じてリリースされた、地デジカの写真は大きな反響を呼んだ。
特に、その衣装が。
「おい、このシカ、スクール水着着てないか?」
と、悪名高い匿名掲示板で話題になったのである。
「っていうか、オレにはレオタードに見えるが」
「いずれにしてもマニアックだよな。シカのくせにスク水とかレオタードとか」
「いや、単に《全裸》ということを嫌ったのだと思うが」
「鹿が全裸でどこがいけないんだ?」
「ほら、だから、前任者の大使が全裸で逮捕されたろ? 前大使だって、草食系という意味では鹿と一緒だったんだから、裸で何がいけないといえば、たいしていけなくもなかった。なのにやっぱり逮捕された。ってことは、これは全裸はマズいわけだよ」
と、このネタは、瞬く間に広がった。
ここで、民放連は、対応を誤る。
「地デジカの衣装はスクール水着ではありません」
という見解を発表したのである。
民放連は、ITメディアの取材に対して、当該の衣装は「水着でもレオタードでもない」と答えている。彼らによれば、「衣装に特に意味はない」のだそうで、「今後、野球やフィギュアスケートなど時期に合わせて衣装を着せ替える」予定なのだという。リンクはこちら。
私は、声をあげて笑いました。
だって、放っておけば良いものに、わざわざコメントなんかしているから。それも、脊髄反射の否定。
これは騒ぎになるぞ、と。
こういう釣りには、即座に反応するのが@2ちゃんねるの人々の常。サガみたいなものだ。
「つまりアレだ。スク水じゃないということは、オレらがスク水の地デジカを描いてもオッケーなわけだな?」
てなことで、ネット上には、
「スクール水着を着た美少女キャラの地デジカ」
「レオタードでポーズする萌えイラストの地デジカ」
「全裸の地デジカ。ただし股間部分にモザイク」
「地デジカの着ぐるみの背中のチャックから全裸の前大使が上半身だけ出して笑っている地デジカ」
といったイラストが大量発生した。
とはいえ、ここまでのところは、まだ成功のうちだ。
ゆるキャラはいじられてナンボ。多少ネガティブな絵柄が出回ったのだとしても、二次創作物が派生するということは、元ネタのキャラクターが愛されている証拠だ。とすれば、やっぱり地デジカは成功だったのである。この段階までは。
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ここで、民放連はさらに対応を誤る。
地デジカの著作権および二次創作について、以下のようなコメントを発表したのである。
「地デジカの著作権ですが、世にある他のキャラクターと同様、無断掲載には厳しく対応していきます。一般のブロガーの方がブログに掲載したり掲示板に載せることも、著作権の問題がありますので黙認することはしません」
「特に、二次創作キャラクターの作成や掲載につきましては、許されるものではありませんので、見つけ次第、厳しく対応していきます」
私はこのコメントを見て、民放連のメディアリテラシー(メディアを読み解く能力)の低さに驚愕した。
いや、このコメントを出したのが、○○製作所だとか、◇◇鉄鋼みたいな、理系のガテン系のであったのなら、私とて、特に槍玉にあげようとは思わない。
あるいは、たとえば、事務系だったり食品系でも良いが、いずれにしてもカタギのメーカーが、この度のように、@2ちゃんねらーの悪ふざけに対してマジ切れの対応をしたということなら、私は、むしろ好感を持ったかもしれない。半分ぐらい気持ちはわかるからね。
でも、この馬鹿げたコメントを公表したのは、民放連である。
言葉とメディアについての専門家であり、社会に向けて有形無形の情報を提供することで半世紀を食いつないできた専門家集団であるはずの組織だ。
そのメディアリテラシーの専門家たる人々の組織のトップ(なのか、あるいは広報担当なのかもしれないが)が、この程度の対応力しか持っていなかったということは、消防署員が自宅の居間で花火をやって失火したとか、暴力団員が恐喝に遭って警察に被害届を出したとか、JTの社員が大麻で逮捕されたとかいうのと同じで、プロとしてあるまじきどうにもはずかしい大失態である。
もしかして、民放連というのは、お役所にとっての外郭団体と一緒で、放送の現場で使えなくなった人々を引き取る受け皿みたいなものなのであろうか。
で、その無能な放送人の最後の止まり木であるところの民放連では、メディアリテラシーの何たるかもわかっていないくせにプライドだけは人一倍高い困ったおじさんたちが、一日中テレビを見ながら、ネットへの憎悪のホゾを固めている、と。うーん。なんだか哀れな図だぞ。
アナロ熊を生んだのは、実に、このコメントだった。
「鹿をイジるのが禁止なら、オレらのオリジナルのキャラを作ろうぜ」
ということで、アナログ利権を守るアナロ熊は、以上のなりゆきからして、登場せざるを得なかったのである。必然として。
かくして、アナロ熊は勇躍、電脳空間にデビューすることとなった。
アナログの八木アンテナをアタマにつけたリラックマの似姿として。あるいは、プーさんの遠縁に当たる和製プー太郎として。また、ある時は地デジカをアタマからバリバリ食べる姿で描かれているお茶目なイラストとして。
こうなっては、誰もアナロ熊を止めることはできない。
ほどなく、「アナロバ」と名乗るロバも登場した。
なんでも、デジタルチューナーをロハで配布することを要求する厚かましいロバなのだそうだ。
尻馬。
馬脚を出した鹿に食いつく熊の尻馬に乗るロバ。
なんという混乱。
もはや収拾不能である。
地デジカに関しては、
「地上デジタル放送完全移行へ向けたPRキャラクター地デジカ 日本民間放送連盟(民放連)が、地上デジタル放送完全移行のPRキャラクターとして先月発表した『地デジカ』のホームページ上での説明文の一部が、インターネット上の無料百科事典『ウィキペディア』内の『シカ』の説明文から無断引用されていたことが8日、わかった。――後略――」(5月9日 読売新聞 リンクはこちら)
というニュースが入ってきていたりもする。
こんなニュースもある。
「地デジ録画機への著作権料上乗せ拒否 パナソニックなど」(5月9日 朝日新聞 リンクはこちら)
ついに、AV機器メーカーが反旗を翻しはじめた、と、そのように解釈してよろしいのであろうか。
とにかく、「著作権」がからむと、人は曇った目で世の中を見るようになる。
別の言い方をするなら、著作権を意識した人間の心の内には疑心暗鬼が生じるということだ。
著作者は、多かれ少なかれ、宝くじを買った人間と同じタイプの幻想(「夢」と呼ぶこともできる。が、私は単に「欲」だと思っている)を抱いている。
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夢を見ているだけならたいした実害はないのだが、彼は、いつしか、遺産を争う兄弟みたいに、自分以外のあらゆる人間に疑いの目を向けるようになる。ばかな話だ。
おそらく、著作権をかかえこもうとしている人々は、この先、ろくなことにならない。
不労所得や既得権益を守りたい気持ちはわかる。でも、守ろうとするその気持ちがクリエイターの魂を腐らせてしまう。そこのところに気づかないといけないと思う。
きれいごとだと言う人もあるだろう。
が、きれいごとをきれいに言えない人間は、そもそもものを創る資格を持っていないのだ。
著作権は、海賊版を売って儲けようとする業者を取り締まるために発明された概念であって、著作物を買ってくださったお客様の利用を制限するためのものではない。
落語の小話にこんなのがある。
「お前の吊ってくれた棚だけどな。あれ、落ちたぞ」
「落ちた? そんなはずはねえんだが」
「いや、落ちたよ。ゆんべ。ストーンと」
「ストーンって……お前、何か乗せやしなかったか?」
つまり、アレだ。
「二次創作禁止のキャラクター」や、「複製と編集が禁じられている映像」や、「教科書に載せることができない詩」や、「図書館に置くと著者が怒る書籍」や、「ネット上で閲覧させると作家先生の団体が訴訟を起こす芸術作品」は、どれもこれも、「なにかモノを乗せると落ちる棚」なのだ。
つまり、「編集しない約束で録画できる動画」や「転載、引用をしない範囲内で暗誦するべき詩」や「人前で演奏しないという前提で販売されている楽譜」は、「モノを乗せない条件下でのみ機能する棚」と同じで、インテリアであって実用物ではない。そういうことだ。
ちなみに、私のテキストは、どこに書いたものであれ、全面的にコピーフリー。リンクフリーだ。無料ならば、金儲けに使わないならば、どんどん配布していただいて結構。
というよりも、無料で読まれて私にどんな被害がある?
「有料で買うかもしれない予定読者を失うことになる」
と?
なるほど。読み捨てのクズ原稿を書いている著者にとっては、あるいはそういう次第になるかもしれない。
が、読者に感銘を与えるテキストを書いている書き手は、自分の作品が無料であれ有料であれ、多数の人々の目に触れれば触れるだけ、自分のファンが増えるはずだ、というふうに考える。
ん? 思い上がりだと?
思い上がっていない人間は、原稿なんか書かないよ。
(文・イラスト:小田嶋 隆)
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●おまけ (http://chidejika.jp/ より採録)
この問題のまとめサイト(http://chidejika.tv/)
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痴デジカ と アナロ熊 のオンパレード
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地デジカよりもネットで大人気の「アナロ熊」
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【初音ミク】アナロ熊のうた【オリジナル】
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アナロ熊のうたにアニメつけてみた
「ドエライ画質で攻めてくる」
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チデジをネタにふつーの庶民が考え出した無数のキャラ
(今現在889キャラがpixiv.netに公式に登録されている。
民放連も総務省もテレビ局も、庶民の表現革命に完全に凌駕されている。
地上デジタルのテレビ放送マスコミ自体が存亡の危機に立っていることが
この表現革命の現状からはっきりと見て取れる)
http://www.pixiv.net/index.php?tag=%E5%9C%B0%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%AB
(あまりに多いので、記録採取時(5月12日午前6時現在)の冒頭から
10ページぶんだけをここに紹介しておく。)
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