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「阪神3−5広島」(16日、京セラドーム大阪)
5月26日以来の復帰登板となった先発の藤浪晋太郎投手(23)は4回2/3、7安打3失点、7四死球で降板した。0−3の五回2死満塁、打席に投手・大瀬良を迎えたところで金本知憲監督(49)はタオルを投入。相手投手への死球など課題の制球難は解消されないままで、試合後、藤浪は「申し訳ない投球でした」とコメントした。
【写真】5回途中降板 ベンチに戻った藤浪の表情は…
異例のシーンが藤浪の状態をすべて物語っていた。0−3の五回、2死満塁で打者・大瀬良を迎えたところで金本監督は断を下した。相手投手が打席に立つ場面での“タオル投入”。球数が107球に達していたとはいえ、交代を決断せざるを得ないほど、右腕の状態は厳しかった。
「押し出しも頭をよぎっただろうしね」と理由を明かした金本監督。約2カ月半ぶりの1軍マウンド。初回に1点こそ失ったが、投球フォームは安定していた。最速159キロを計測するなど、ボールにも力強さが戻っていた。
「スピードも出ていたし、変化球でカウントも取れていたし」と指揮官。それが暗転したのは二回1死、大瀬良の打席で直球系のボールがすっぽ抜けて左肩付近を直撃した。投手への死球に球場内は騒然。「大瀬良くんには申し訳ない。あれで悪い流れに行ってしまった」と香田投手コーチが振り返ったように、フォームが崩れた。
三回に先頭・鈴木への四球からピンチを広げ、西川、安部に連続適時打を許した。四回には2死から菊池への死球で両軍がホームプレート付近でにらみ合う不穏な展開へと変わっていった。
五回途中7安打3失点で降板。7四死球はすべて右打者に対して与えたものだ。5月27日の出場選手登録抹消後、金本監督はファームで実戦登板を重ねる右腕に対し「そこを払しょくしてもらわないと」と右打者への投球を課題に挙げていた。ミニキャンプでフォーム修正した後、ウエスタンではその課題を克服していた。
それだけに…。試合後、藤浪は報道陣に「きょうはすみません」と厳しい表情を崩さず球場を後にした。球団広報を通じて「チームにも死球を当ててしまった選手に対しても、申し訳ない投球でした」とコメントを託すのが精一杯だった。
首位・広島に痛恨の連敗を喫した指揮官は「何とかあと1人。5回3失点でね。試合を壊したわけではないので」と藤浪に一定の評価を口にした。香田投手コーチは次回登板について「考えます」と語ったが、もう一度、チャンスを与える見通しだ。
藤浪が降板する際、一塁側から右翼席にかけての阪神ファンが激励の意味を込めて大きな拍手を送った。ここで終わってほしくない。もう一度、マウンドで仁王立ちする藤浪が見たい。そんなファンの願いは、若き右腕に届くか−。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170817-00000015-dal-base
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