http://www.asyura2.com/09/sports01/msg/462.html
Tweet |
どうも、なぜこんな形での誤報というか、実態をゆがめた報道がされるのかよく分からない。
何か、今年のボールがインチキをやってわざわざ飛びやすくされていたかのような印象を与える報道がされている。しかし、実態は異なるのだ。2011年に統一球導入時に反発係数の範囲を決定してあり、それに沿ったボールを使っていたはずだったのに、2011年に使っていたボールは、その反発係数の範囲を下回っていて、より飛ばないボールだったのだ。そして、今年のボールは2011年の合意の範囲に収まる反発係数になっていて、今年は正常化しただけだ。
だから、まずは、ボールの製造を一手に引き受けていたミズノの2011年から2012年使用球製造に関してその手落ちが責められなければいけないし、2011年に実際の使用球の反発係数をチェックして合意範囲を下回っていたことを知っていた日本野球機構が2011年や2012年に公表していなかったことが問題だ。
ところが、例えば下に引用するNHKの報道はまるで単に客引きのためにホームランが出やすいボールを日本野球機構が今年から使い始めたかのような報道がされているのだ。
しかし、こんなことでプロ野球人気が落ちるとも思えないし、なぜ、この時期にこういったことが問題化され、こういった報道がされるのか、どうも疑問だ。
考えられる可能性はいろいろある。オリンピックの問題、サッカーとの関係、特にトトの売り上げとの関係などがあるのかもしれないが、それでもこんなことでこんな騒ぎをしてもあまり意味がない。
もう一つ問題なのはコミッショナーの問題だ。加藤コミッショナーは前職が駐米大使だった。つまり、アメリカの意向を受けやすいという可能性はある。しかし、それでも、こんな問題でこうやって報道の時間を使うのは何か不釣り合いと言う感覚がある。ひょっとしたら、単にマスコミの報道時間を使わせるために仕込まれた事件かも知れない。つまり、311の事故の後のことだからだ。
なお、日刊スポーツの報道では
>「つまり“飛ばない”ではなく“飛ばなすぎる”ボールであったことが判明したのだ。」
というように、実態をちゃんと報道しているが、NHKの方は、
>日本野球機構には、およそ60件の問い合わせがあり、「うそをついていたのではないか」とか「しっかり情報を公開してほしい」など、組織の姿勢を批判する意見や、「報道は事実なのか」といった問い合わせが多い
とか
>今回、反発力を高めたことで統一球導入前の飛ぶボールに戻ったといえる」と話しています。
と報道している。
なお、日本野球機構のオフィシャルサイトには未だに何もこのことに関する文章は掲載されていない。
****************以下、参考記事*************
日本野球機構のサイトから、統一球についての記事の部分引用:
http://www.npb.or.jp/npb/20100823release.html
2010年8月23日
2011年シーズンから使用する統一球について
【統一球の特長】
2011年シーズンから全球団で使用するボールには、新たに開発した低反発ゴム材を用いることで、限りなく規格値下限の0.4134に近づけて製造していきます。
***********************************
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130612-1141196.html
NPB白状…統一球こっそり変えてた
記事を印刷する
事務折衝を終え、質問に答える嶋選手会長
やっぱりボールは変わっていた! 日本野球機構(NPB)と労組日本プロ野球選手会(会長=楽天嶋基宏)の事務折衝が11日、仙台市内のホテルで行われた。選手会側から導入3年目となる統一球が「昨年より明らかに飛んでいる」との指摘を受けたNPB側は、事情を説明。昨年までが「飛ばなすぎるボール」であったことを明かし、微調整を加えていた事実を認めた。
NPBがようやく隠し続けてきた真実を公表した。この日の事務折衝で選手会側が統一球について「昨年と違うボールなのではないか」と、問いただした。何らかの変化があったことは今季の個人成績表を見れば一目瞭然で、嶋会長は「明らかに本塁打数も3割打者も増えている。逆に投手の防御率は悪くなっている」と、事情説明を求めた。これに対し、NPB下田事務局長は、過去5年間の反発係数のデータを示して、今季から微調整を加えた新たなボールを使用している事実を明らかにした。
プロ野球で使用されるボールの反発係数には規格値が定められている。従来より飛距離が1メートル落ちる「飛ばないボール」として開発された統一球は下限(0・4134)に近づけて製造され、11年シーズンから導入された。ところが、NPBがシーズン中に行う検査で、昨年は下限を下回る数値を示していたことが分かった。抜き打ちで複数の球場から選んだボールの反発係数の平均値が「0・408」だったこともあったという。つまり“飛ばない”ではなく“飛ばなすぎる”ボールであったことが判明したのだ。
ある専門機関の調査では1メートルどころか3メートルも飛距離が落ちるとの結果が出たことから、昨年夏、NPBはボールに微調整を加えることを決め、ミズノ社に修正を要請した。昨季の使用球の在庫は今季のオープン戦までに使い切り、今年の開幕から新しいボールを使用。今年の2度(4月と6月)の抜き打ち検査の平均値は「0・415〜0・416」を示しているという。下田事務局長は「加藤コミッショナーにも相談して進めた」と話した。
NPBはこれまで「統一球の仕様は変更していない」と説明。ミズノ社に対し、統一球に関する問い合わせに「全く変わっていない」と答えるように指示していた。変更を公表しなかった理由について、下田事務局長は「我々はあくまで微調整という認識だった。知らせれば混乱を招くと思ったが、知らせないことで混乱を招くと言われれば、そういうこともあるかもしれない」と釈明した。思わぬ形で再燃した統一球問題。今後の行方が注目される。
◆統一球 12球団でバラバラだった公式使用球のメーカーをミズノ社に統一し、11年開幕から導入。コルク芯を覆うゴム材も新たな配合に変え、両リーグアグリーメントに定められている反発係数(0・4374〜0・4134)も規格値の下限に近づけた。導入時の発表では、144キロの速球をバットのスイングスピード126キロで打ち返し、飛び出し角度が最も打球の飛ぶ27度と仮定した場合、従来のボールは110・4メートル飛んだが、統一球は109・4メートルと試算されていた。また手触りは、背中部分だけでなく、キメの粗い脇や腹の部分の牛革も使うことで、大リーグや国際野球連盟(IBAF)の試合球に感触を近づけている。
◆統一球の検査 検査日の試合前に審判員が未使用球を抽出し、署名を入れて郵送。NPB事務局または野球規則員が指定した場所で、野球規則委員または審判員が立ち会い、重量、周囲の測定や、日本車輌検査協会の反発係数測定器で測定を行う。NPBでは11年にミズノ社製の統一球を導入以来、約2カ月に1度、6球場から12球ずつ集めて反発力をテストしてきた。
◆本塁打が急増 今季の1試合平均本塁打は1・50本で、統一球導入1年目の11年(1・09本)2年目の12年(1・02本)と比べても大幅に回復している。満塁本塁打は11年21本、12年25本に対し、今季は前半戦の途中で23本も飛び出した。ブランコ(DeNA)は年間57発ペースとなる23本を放ち、昨季11本の井口(ロッテ)は早くも13本で量産ぶりを見せている。
[2013年6月12日7時18分 紙面から]
***********************************
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130612/k10015256841000.html
「統一球」問題 野球機構が対応協議
6月12日 18時57分
日本野球機構が、今シーズンのプロ野球のボールの反発力が、昨シーズンより高くなるよう調整していた問題で、日本野球機構では、関係者が集まって、今回の問題についての事実確認や今後の対応などを協議しています。
この問題は、日本野球機構が、今シーズンのボールの反発力が昨シーズンより高くなるよう調整していたにもかかわらず、ボールに違いはないと事実と異なる説明をしていたものです。
日本野球機構では、12日、関係者が集まって、今回の問題についての事実確認や今後の対応などを協議しています。
日本野球機構には、およそ60件の問い合わせがあり、「うそをついていたのではないか」とか「しっかり情報を公開してほしい」など、組織の姿勢を批判する意見や、「報道は事実なのか」といった問い合わせが多いということです。
ボールの調整について報告や相談を受けていた加藤良三コミッショナーは、12日は日本野球機構に姿を見せていません。
日本野球機構は、12日夜、記者会見などを開き、今後の対応を明らかにしたいとしています。
公表の経緯
プロ野球では、3年前までそれぞれの球団が契約した4つのメーカーのボールが使われてきました。
しかし、WBC=ワールド・ベースボール・クラシックなどの国際大会で、日本の選手たちが日本のボールとの違いに戸惑うケースがありました。
このため、プロ野球ではおととしのシーズンから、試合で使うボールを1つのメーカーに統一して縫い目の高さなどを国際大会のものに近づけました。
導入されたボールは「統一球」と呼ばれ、反発力を低くしたことが特徴で、その結果、ホームランの数は3年前の1605本から昨シーズンは881本まで低下していました。
しかし今シーズンは昨シーズンと比べ1試合当たりのホームランの数が増えていることや選手の間からも「ボールが飛ぶ」といった指摘が出ていました。
選手会では、ボールが変わった場合、ピッチャーの防御率などに大きな影響が出て、シーズンの成績に応じて年俸の額が決まる選手に不利に働くケースがあるとしてボールについて日本野球機構に説明を求めてきました。
そして、11日に仙台市で行われた選手会との話し合いの中で、日本野球機構は、これまでの説明を覆し、昨シーズンに比べて反発力が高くなっているボールを使っていることを明らかにしました。
統一球導入前に戻った
流体力学が専門で、プロ野球のボールについての研究もしている福岡工業大学の溝田武人教授は、「反発係数が0.01上がると、ボールの初速が2パーセント上がる。その結果ホームラン性の当たりでは、これまで100メートル飛んでいた打球が、102メートル飛ぶことになる。統一球を導入した際の調査で反発力を抑え、縫い目の高さを低くしたことでそれ以前のボールより2メートルほど飛ばなくなったことが分かっていたが、今回、反発力を高めたことで統一球導入前の飛ぶボールに戻ったといえる」と話しています。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。