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サッカー八百長の魔の手、日本代表試合にも伸びていた!?
Business Media 誠2013年02月14日12時12分
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"黒いワールドカップ"
伊吹太歩の世界の歩き方:
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オランダに拠点を置くユーロポール(欧州刑事警察機構)は2月4日、世界中で行われた680に上るサッカーの試合で八百長が行われていたと発表した。そのニュースは瞬時に世界を駆け巡った。
八百長があった試合は、ワールドカップ予選や欧州選手権、欧州チャンピオンズリーグなど、世界中のサッカーファンが寝る時間を割いてでも観戦するような人気の高い試合も含まれていた。ユーロポールによれば、八百長によって800万ユーロの金が動いており、今後100人以上が起訴される見込みだ。
『黒いワールドカップ』(講談社刊)の著者で、欧州チャンピオンズリーグを主催する欧州サッカー連盟(UEFA)で八百長に関するアドバイザーを務めたこともあるカナダ人ジャーナリストのデクラン・ヒルは、サッカー界の八百長をずっと追いかけてきた第一人者だ。
ヒルは、今回のユーロポールによる発表をどう見ているのか。「八百長について事実が明らかになるのはいいニュースだ。ただ八百長はずっと長くサッカー界に覆っていたから、今回の発表に大きな驚きはない」
●捜査線上に「シンガポール」の国際的八百長組織
そう、八百長は今に始まったことではない。イタリアでも毎年のように問題になっている。そもそも八百長を仕込むにはピッチにいる人、または監督などを買収する必要がある。そのために現金を渡したり、接待漬けにしたり、ときには女性をあてがうこともある。
過去のニュースや、前出のヒルによれば、1990年代には、フランスのマルセイユが豪華な贈り物で審判を買収し、スペインのアトレチコ・マドリードも、ショッピングセンターを貸し切って審判団に思う存分買い物をさせたという。また試合を裁くためにマドリードを訪れたとき、ホテルにプレゼントとしてホームシアターセットが置かれていたと証言した審判もいた。
こうした話は無数にある。1993年の欧州チャンピオンズリーグ決勝戦の後に、イタリアのACミランでプレーした選手2人が、試合後にマルセイユのスタッフの所に来て、「報酬」を受けとったという話も有名だ。また欧州の審判たちは、韓国でのフレンドリーマッチ(賭けの対象になる)では審判が夜の接待を受けていたという。
ただ今回のユーロポールの発表には、従来にはなかった特筆すべき点がある。当局が「シンガポール」という国名を名指ししたことだ。ユーロポールはシンガポールを拠点にする八百長組織が、世界中の八百長に関与し、大金を荒稼ぎしていると指摘している。
●黒幕の名は中国系シンガポール人「ダン・タン」
そして関係者の間では、八百長界の大物リーダーの1人が、すでに特定されている。ユーロポールも名指しはしないものの、その黒幕の存在をはっきりと認識しているはずだ。その人物は、シンガポール人のタン・シート・エング。彼は八百長捜査に関わる世界の捜査機関の間では「ダン・タン」という名で知られている。
40代の中国系シンガポール人のダン・タンは、2011年にその名前が広く知られるようになった。同年、フィンランドでダン・タンのシンガポール人仲間で大物の八百長フィクサーが八百長で逮捕されたからだ。そして彼もそのシンガポール人と近い関係にあった。
実はダン・タンは、イタリア当局から八百長組織のリーダーとして指名手配されている。それ以外にも、ドイツなどでの八百長裁判にも、彼の名前がたびたび登場するなど、もはやサッカーがからむ八百長の世界では、彼を知らない者はいない。彼は少なくとも2012年半ばまで、シンガポールの高級コンドミディアムに暮らしながら高級車を乗り回し、悠々自適の生活を送っていた。しかも2011年に自分の名が取り沙汰された際には、地元紙のインタビューに応じて、無実を主張していた。
●なぜシンガポール当局は逮捕できないのか
前出のヒルは、なぜシンガポールは彼を摘発しないのかと疑問を投げかける。歴史的に汚職に対して強硬な政策を続けてきたシンガポール側は、今以上に確実な証拠がなければシンガポールにいるとされる八百長組織幹部たちを逮捕できないという立場を通している。だがそんな悠長なことを言っている間にも、サッカーの本場として多くの試合が日々行われるヨーロッパで八百長の主犯とみられている人物が、証拠隠滅などをしてしまう可能性が高いと、ヒルは指摘する。
シンガポールが摘発に乗り出さないのには、シンガポール独特の理由があるとみられる。歴史的にシンガポール政府はどん欲なまでに世界からよく見られようとしてきた。「明るい北朝鮮」と呼ばれるほど国民の自由を厳しく制限して近代的な都市国家というイメージを作り上げ、外国人や外国企業を国民以上に優遇し、イメージアップから外資獲得と外国投資を呼び込んできた。それこそが、資源のないシンガポールが生き残る唯一の方法なのだ。
そんな状況の中で、世界的な八百長組織のリーダーがわが物顔で生活していたとなれば、国の評判に傷がつく。シンガポールはそれを恐れていたのではないか。ユーロポールの発表で、世界的な八百長組織の拠点として今回名指しされたシンガポール政府は怒り心頭なはずだ。名誉挽回のために政府として何らかの動きを見せる可能性は高い。
ただし、ダン・タンを摘発するのはもはや難しいだろう。というのも、彼はすでに行方をくらませており、シンガポールを離れたという話もある。「時すでに遅し」ということだろう。
●アテネ五輪の「日本対ガーナ」で八百長が!?
八百長は、賭博組織が世界中にあるギャンブル市場で大金を稼ぐために行われる。ネット上のギャンブルも増える中、勝敗さえ先に分かっていれば、世界中で面白いほど稼げるようになっている。八百長組織には、選手や審判を買収する者、世界中のギャンブル場で賭けを行う者などがいる。ただギャンブルの動きを監視する組織もあるために、一度に大金をかけることはしない。組織の下っ端たちや協力者たちがそれぞれあちこちで賭けを行い、組織はそれを回収することで莫大な勝ち金を手にしているのだ。それゆえに、組織網は世界に広がっているとみられる。
世界を覆うサッカーの八百長は、実は日本にとっても対岸の火事ではないようだ。前出のヒルは、シンガポールも含む東南アジアで八百長組織を追いかけてきた。そして彼は長年の取材で、サッカーの八百長組織を率い、東南アジアの賭博界では影の存在として有名な、リー・チン(仮名)という人物への接触に成功している。そしてチンから、日本のサッカーファンなら聞き捨てならない衝撃的な話を聞いたと言う。
チンは次のように話した。2004年のアテネ五輪でチンの一味はガーナ代表の数名への接触に成功。グループリーグで最後の試合だった日本戦で、ガーナが負けるように協力させた。チンはガーナのある選手に1万5000ドルを前払いで支払った。チンは、「私から賄賂を受け取る奴かどうかはすぐに分かる。彼らが私に会ってもいいと言うなら、それは賄賂を受け取るという意味だ。あの試合は八百長するのに総額で55万ドルかかった」と、ヒルに暴露した。
●アテネ五輪グループリーグ最終戦、日本対ガーナ:
グループリーグ2連敗で、すでに敗退が決まっていた日本がガーナに1対0で勝利した。決勝点を奪った大久保嘉人選手は試合前に「五輪は終わりでも、これで終わりじゃない」とコメントし、勝利を目指していた。
もちろんこれはあくまでチンの証言であり、真偽を判断するのは難しい。さらにいうと、日本代表チーム側が八百長に関わったということは一切ない。
それでも、ファンのみならず国民が熱狂する人気スポーツのサッカーに、八百長がつきまとっているのは間違いない。夜中に目をこすってテレビ観戦する人や、サッカーに人生を捧げているサポーターなどのために、一刻も早く八百長は根絶してもらいたいものだ。
[伊吹太歩,Business Media 誠]
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