http://www.asyura2.com/09/sports01/msg/431.html
Tweet |
高校卒業後にメジャーリーグを目指すことを表明した「160キロ右腕」大谷翔平(花巻東高)は、ドラフトで北海道日本ハムから1位指名を受け、まずは北海道日本ハムと入団交渉を行うこととなった。高校から直接メジャーに挑戦する大谷について、日米の球界で活躍した小宮山悟氏に話を聞いた。
■ダルビッシュは「ダルビッシュ」になってからメジャーリーガーになった
――メジャー志望を明言していた大谷翔平は北海道日本ハムに指名されました。小宮山さんはメジャーを経験されていますが、彼の決断についてどのように思われますか?
本人がどう思っているかが重要です。「アメリカで野球をやりたい」のか、「メジャーリーガーになりたい」のか。
大谷投手が今アメリカに行っても、ヨーイドンでメジャーリーガーにはなれません。日本の2軍とは比べものにならないほど厳しい下積み生活が待っています。マイナーリーガーの現状をしっかり理解できていれば良いのですが、そこを本当の意味で理解していないと問題です。
アメリカでは日本語が通じません。「通訳がいる」と言われるかもしれませんが、人を介して自分の状態を伝えるのは難しいものです。また、通訳が自分の気持ちを本当の意味で伝えてくれているかは、英語ができないと分からないのです。大谷投手がそのあたりをどう考えているかは心配です。
――大谷投手の挑戦は不安があるということでしょうか?
彼自身がどのように考えているかによります。「ダルビッシュのようになりたい」と思っているなら問題です。ダルビッシュは日本ハムで「ダルビッシュ」になってからテキサスに行っています。日本で圧倒的な力を示して、自信もつけてからメジャーに向かったわけです。
ダルビッシュが東北高校から直接メジャーに挑戦していたら成功できたでしょうか? 難しかったと思います。
■「160キロ」という数字の被害者とも言える
――前例がないことで「勇気ある挑戦」とも言われますが?
その意味では、「160キロ」という数字の被害者とも言えると思います。160キロのストレートを投げられれば、メジャーリーグでもそうは打たれません。しかし、大谷投手は疑惑の判定だったとはいえ、高校生に打たれているわけです。「160キロ」が本物のスピード感を伴っているかは分からないわけです。
それでも、この数字がメジャーリーグの評価を一気に上げました。18歳であの体格で160キロを投げる……それは自分のチームに入れたがりますよ。今は160キロを投げるピッチャーは少ないですから。
大谷投手は見ていると平均して150キロを超える球を投げているので、その点は大したものだと思います。
――その中で、大谷投手がメジャー挑戦に踏み切ろうとしています。
危険だな、と思います。日本ハムという一番良いチームに指名してもらいました。北海道に行って、力をつけてからアメリカに行った方が良いと思います。全ての準備を整えてからでも遅くはありませんから。
日本人がメジャーに挑戦する際に、理想的なのは24、25歳でアメリカに行って、34、35歳で戻ってくる形だと思います。まさにダルビッシュはこの道を通っています。大谷投手がダルビッシュのようになりたくて、ダルビッシュのようにメジャーで活躍したいのなら、日本で力をつけてからの方が良いと思います。
<了>
■小宮山悟/Satoru Komiyama
1965年9月15日生まれ。千葉県出身。芝浦工大柏高−早大−ロッテ−横浜−メッツ−千葉ロッテ。183センチ、88キロ。右投げ右打ち。2年間の浪人を経て早大に入学し、4年時には主将を務めた。89年のドラフト1位でロッテに入団。正確なコントロールと抜群の勝負度胸で1年目から先発ローテーションに入り、97年には最優秀防御率のタイトルを獲得する。99年には横浜に、02年には米大リーグ・メッツに移籍。ボビー・バレンタイン監督の下でプレーする。1年間の浪人生活を経て、04年に千葉ロッテに復帰。09年に現役を引退した。日本での通算成績は455試合に登板して117勝141敗4S・防御率3.71。
現在は野球解説者を務めながら、野球界の発展のためにさまざまな分野で活動している。最新著書「天才なのに消える人 凡才だけど生き残る人」が発売中。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/npb/fighters/text/201210250011-spnavi.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。