http://www.asyura2.com/09/sports01/msg/427.html
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長谷部誠は、今シーズンこれまでに体験したことのない奇妙な状態に置かれている。
開幕からここまでリーグ戦7試合を戦ったヴォルフスブルクでは、出場機会はおろかベンチ入りメンバーにさえ一度も入っていない。アウェイでの遠征に、かろうじて予備メンバーとして帯同する程度の扱いなのだ。
その理由は、今夏にヴォルフスブルクからイングランドへの移籍を画策したからだ。8月には移籍にむけての交渉に動きだした。さまざまなリスクも、これまでに得た教訓も踏まえた上で。
昨シーズン、長谷部は20試合で先発出場を果たしているのだが、先発出場の試合数としてはヴォルフスブルクに来てから最も多い数字だった。その理由について、昨シーズンの途中に長谷部はこう話していた。
「シーズン前には……地獄なんていったら怒られるけど、それくらい練習が厳しかったんですよ。でも、この練習を乗り越えたら、すごく体力がつくし、開幕のときには良い体になっているというような気持ちでやっていたんだよね。それこそ、これでビーチにいったら、モテるんだろうな、って考えたり(笑)」
本職での出場機会が得られるチームに移籍を望んでいた。
「それくらいポジティブに心を持っていったんですよ。そうしたら、体もすごくポジティブになって。シーズンの最初のころから、チームとしてはあまり結果が出なかったけど、個人としてはすごく調子がよくて、監督からも、『どうした? すごい調子が良いじゃないか』というようなことを何度も言われたし。だからこそ、心の持ちようで、心と体の因果関係みたいなものを感じられたし、そういう部分がすごく自分の中で大きかった」
最高の準備を積むことが、出場機会という結果に結びつくと改めて認識していたのだ。そうした教訓をひとまず置いてまでも、今季開幕前には移籍を望んでいた。昨シーズン、主力としてプレーしたものの、主に出場機会を得られたのは本職ではない右サイドバックとしてだった。試合に出られるのは嬉しいが、本職ではないポジションだという思いが長谷部の中にはあった。
http://number.bunshun.jp/articles/-/285777
移籍を公言した選手につきまとう“干される”リスク。
さらに、こうした行動にはリスクがつきまとうことも承知の上だった。
ヴォルフスブルクのマガト監督は、選手起用を決める監督としての権限のほかにチームの編成に携わるGM職も兼ねている。そのため、マガト監督のもとで移籍を画策した場合、それが実現しなかった時には、チームを離れたがった選手として“干される”リスクがあることも承知していた。
ヴォルフスブルクを去ろうとする選手が直面する難しさは、クラブの待遇の良さだ。
ドイツの田舎街であるヴォルフスブルクには街としての魅力もないし、ドルトムントやシャルケのように熱狂的なサポーターがスタジアムを埋め尽くすこともない。クラブとしては、給料などを含めた待遇の良さで選手を獲得するしかない。実質的な親会社であるフォルクスワーゲン社が全面的にバックアップするために、資金面の不安はない。
例えば、ユニフォームの胸スポンサーは、ドルトムントやバイエルンなどの超人気クラブを除けば、各クラブは熱心な営業活動によって見つけてくる。それも、数年単位での契約だ。しかし、ヴォルフスブルクの場合は違う。フォルクスワーゲン社とは実質的に永久契約を結んでいるようなものなのだ。
ヴォルフスブルクの安定した財政事情が選手の移籍を阻む。
ただ、他のクラブに移籍しようとするときに、そうした待遇の良さが今度は足かせになる。
クラブとしては移籍金でお金を稼ぐ必要がない。デンマーク代表のキアルなど、今オフにガラタサライへの移籍が決まりかけたものの、ヴォルフスブルクの設定した移籍金に届かなかったために、移籍が破談になったケースもあった。だからこそ、選手がヴォルフスブルクから他のクラブへと移籍しようとしてもなかなか実現せず、いつまでも留まることになる事態も頻繁に出てくる。
長谷部の場合は、あと2年も契約が残っており、クラブの望む移籍金をポンと支払えるクラブは最後まで現れなかったのだ。その結果、長谷部は少なくとも2013年1月の冬の移籍期間までは、ヴォルフスブルクに残留することになったのだ。
長谷部と同様のケースに陥った選手には、マトルンク、オフス、キアルなどがいる。オフスは移籍期限最終日の8月31日になってホッフェンハイムへのレンタル移籍が決まったが、他の選手は移籍が決まらず。このうち、キアルと長谷部はトップチームでの練習参加を許されるようになったが、他の選手はリザーブチームで練習することを許されているのみだ。
想像していた最悪のシチュエーションが現実に……。
長谷部は移籍を画策したときに、移籍が決まらなければリザーブチームでの生活を余儀なくされる可能性があることも最悪の事態として想定していた。
「実際のところ、こういうことになるとわかっていたわけじゃないけど、こういう可能性があるというのはね……。まぁ、細かいことは話せないけど、その移籍の話をしているときに、最悪、ここに残ることになったシチュエーションは、ある程度は想像できたというか……。そういった意味では、それが現実になっているといえばなっているわけだから。まぁ、“アマチュア(2軍にあたるリザーブチームのこと)”に行かされていないだけ、いい方なのかもしれないしね。それくらいの覚悟をもって、この夏は、そういう話をしたから。だから、自分の中では後悔はない」
それでも長谷部の心からポジティブさは消えていない。
ただ、難しいのは、他の選手と同様にトップチームで試合に出るチャンスがありながら、いっこうに声がかからないことだ。長谷部も心境を吐露する。
「気持ちの部分では、自分のやることをやるしかないというスタンスでしかないから、そこはもうクリアになっている。でも、練習でアピールして、監督からいくら『グット!』って言われても、使ってもらえない現状はあるからね」
しかも、チームの調子が良くてメンバーを入れ替える必要がないということでもなく、リーグで下から2番目となる17位に甘んじている状態なのだ。スタメンを含めたメンバーの入れ替えを必要としている事態にありながら、長谷部にチャンスが回ってくることもない。つまり、現時点ではゴールのないマラソンを走っている状態に近い。ただ、今は短期的な目標を置くつもりもないという。
「凄く哲学的なことを言えば、自分にとっては良い経験とは言わないまでも、これが経験になって、次につなげればいいと思っているし。もちろん、そういうのを示していくのはこれからなんだろうけど。だから、こういう状態に置かれていることを意味あることにするために、出来ることをしっかりやることが一番大事かなと思っています」
http://number.bunshun.jp/articles/-/285777?page=3
日本代表での試合は、自身の存在証明をかけた舞台だ。
そんな長谷部にとって、日本代表での活動はかけがえのない時間となっている。ただ、その立場とて、決して甘くはない。長谷部がクラブで試合に出ていないにもかかわらず招集されている以上、代表で良いプレーを見せられなければ大きな批判にさらされるリスクがあるからだ。
「まぁ、これだけ試合に出られないのはサッカー選手としては初めてのことだから、未知の部分はちょっとある。もちろん、試合に出ていないということは周りから言われるだろうけど、結局はピッチの中で結果を残さないといけないわけだから。僕らの場合は、そういうのが評価されるわけだから。その辺は自分の中ではクリアになっていますよ」
つまり、今の長谷部にとって日本代表での試合は、サッカー選手としてプレーする貴重な機会であるのと同時に、自身の存在証明をかけた舞台でもあるのだ。だからこそ、10月12日のフランス戦と16日のブラジル戦は、代表のキャプテンにとって大きな意味を持つ試合となるはずだ。
http://number.bunshun.jp/articles/-/285777?page=4
長谷部崖っ縁 試合勘不足深刻でミス連発
スポニチアネックス 10月14日(日)7時2分配信
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<フランス・日本>前半、メネズ(右)と競り合う長谷部誠
◇国際親善試合 日本1−0フランス(2012年10月12日 サンドニ)
劇的勝利にわくチームとは対照的に、さえない表情だったのが主将の長谷部誠だった。開始直後からパスミスからピンチを招く光景が多く、ボールを奪うどころかパスを後ろに戻すプレーが目立った。
前半34分にはメネズのスピードに置き去りにされ、上半身をつかんで警告をもらった。試合勘がない不安から、ボールを受けることを恐れているかのようで、後半17分に細貝萌と交代。「個人的にパスミスが1、2回あった。試合勘といえばそうかもしれない。細かいところでのパスミスとか、フィーリングの部分でちょっと違うところがあった」と振り返った。
出場機会を求めた移籍がかなわず、残留したボルフスブルクでの試合出場は今後も難しい。「10回やって1、2回勝てるうちのそれだった」と厳しさを忘れないが、代わった細貝が奮闘したこともあり厳しい立場に立たされた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121014-00000033-spnannex-socc
長谷部:「試合勘がないと言われても仕方がない」
Goal.com 10月13日(土)9時15分配信
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'Makoto Hasebe of Japan national team'
12日、日本代表はアウェーでフランス代表と対戦し、香川のゴールで1−0の勝利を収めた。
以下は試合後の長谷部誠のコメント。
長谷部:「自分の出来としては、細かいところでのパスミスとか、フィーリングの部分でちょっと違うなと感じた。そういう意味では試合勘がないと言われても仕方がないのかなと思う。試合をする中で多少は慣れたと思うけど、ただ、ここはそういう場じゃないので。コンディションとか、自分が試合出てないとかは、良いプレーが出来なければそれが言い訳になってしまう。
最初からしっかりパスをつなごうと思えばつなげたというか、サイドのところで数的優位を作れる部分があったので、そこをもうちょっとうまくやれれば。後半は相手も疲れてきて、自分たちのペースが多くなったかなと思う。セットプレーも実際に危なかったし、自分たちは後半のほうが多少落ち着いてつなげたかなと思うけど、そういうリズムをもっと作れれば良かった。
結果として勝てたことは良かったけど、今日の試合内容から言えば、10回やって1回か2回勝つような内容だった。シュート数も20対5、6とかそういうレベルだったと思うし、結構ポゼッションもされたけど、この勝利で世界との距離が縮まったとか、個人としてもチームとしてもそういう感じはしない。アジアでは自分たちが逆の立場になって、フランスのようなゲームをすることもあるし。だからこれがサッカーかな、という感じはする。
(前田や本田がいなかったことがパスワークに影響したか?)選手が何人か変わっても、そこに関しては代表というところでは言い訳にならないし、逆にもうちょっと自分たち、ボランチとディフェンスラインのところでもう少し時間を作ってうまく回してあげられたら、というのはあった。ボランチのところでのプレッシャーは結構少なかったので、そこでもう少しゲームを作れれば。ただ、真ん中でパスをつなぐ分にはいいけど、そこから真ん中を破るという部分では向こうは堅い。そうじゃなくてサイドのところ、相手のサイドのFWがあまり守備をしないので、そこへサイドバックが上がったら数的優位になり、何回かチャンスはあった。そこはねらっていこうという話はしていた。
(ハーフナー・)マイクがいるときは高さで引けは取らないと思うし、いいセンタリングをあげて、(酒井)宏樹もちょっと当たらなかったけど良いクロスもあったし。その辺はねらいとしては、マイクが入っているときはそういうところかなと思う。やはり向こうはフィジカルも強いし、リーチも長いし、こういうグラウンドでも難なく技術を発揮してくる。そういうところの差は感じた。ドイツの芝はこんなに悪くなくて、ここはちょっと特別な感じがある」
(C)Goal.com
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121013-00000002-goal-socc
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